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#6 | 開業&オープンまでにどんなステップを踏んだか 〜退職後〜オープン編〜


後編ということで、今回は勤めていた企業を退職してから実際にフードトラックをオープンするまでに行ってきたこと(流れ)をざっくりとお伝えできればと思います!

いつも前置きが長くなってしまうので、今回は簡潔に。
各項目の詳細は、追って個別に書いていく予定で考えています。


②退職後〜オープン  《2022年夏〜2023年6月オープンまで》


・会社員→個人事業主となるにあたっての事務手続き
税金, 年金, 保険などの諸々の必須な手続きですね。色々な現実が一気に押し寄せてきます…。笑

・スケジュール・タスクリスト作成
2023年春の営業開始を目標にしていたので、そこから逆算して「いつまでに、何をするか」を自分なりにExcelで表を作って抜け漏れがないように気をつけながら管理してみていました。
個人でやっているとつい怠けてしまいがちなので、自分を律するうえでも…。

こういうのをきっちりしたくなっちゃうのはA型の性でしょうか..

・飲食店での実践修行  (2022年8月〜2023年3月)
私の場合、圧倒的に飲食店での実務経験不足がすぎるということで、オープンまでの期間の生計を立てることも兼ねて、
①個人経営(ご夫婦)でやられているサンドイッチ屋さん
②チェーン店だけどハンドドリップやラテマシンでコーヒーを提供したり、珈琲豆の物販も行ったりしているコーヒーショップ

の2店を掛け持ちで、アルバイトがてらオープンまでの間でプチ修行をさせていただきました。

私の場合は自分の計画(働ける期間も含めて)をありのままお伝えしたうえで、その条件でも雇っていただけるお店と出会えたので、本当にありがたい限りです…!
それぞれで経営のノウハウや提供・接客スキルなどなどを実践の中で学ばせていただけた、とてもとても貴重な時間でした。

・店名決め  (2023年9月頃)
ノートに構想を書き出す中で、ある程度自分の中でのお店のコンセプト・方向性は固まりつつあったので、開業届提出やロゴ・トラックデザインを決める上で必要となる『店名』をまず先に確定させる作業を行いました。

最後は「認知のされやすさ具合」「直感」で決めにかかりましたが、一応ネット上で全く同じ名前のお店がないか特許情報プラットフォーム」で既に商標登録されていないかの確認は事前に行っておきました!

・トラック製作に向けての見積もり, 業者選定 (2023年9〜10月頃)
いよいよここから本格始動というところですね。
SNSやネット上での調査をもとに実際に気になった業者さんとコンタクトを取り、希望の仕様やデザインをベースに費用やスケジュール感を確認して業者選定をしていくというフェーズに移ってきました。

業者さんやその時のオーダーの混み具合にもよるかと思いますが、発注から納品まで早くて1ヶ月〜2.5ヶ月くらいはかかるかと思いますので、自分が必要となる時期から逆算してゆとりを持って動けるのが理想かと。

・トラック仕様&デザイン決め  (〜2023年末)
私は埼玉県入間市に工場を構える合同会社THREE STEP」様に依頼させていただくことに決めたものの、自宅から工場までは多少距離があったため、必要に応じてオンラインも活用しながら打ち合わせを重ねて最終的な仕様を詰めていきました。

具体的に何を基準に業者を決めたかやどのように仕様決めをしていったかは、また別途詳しくお伝えできればと考えております!

・クラウド会計ソフトの登録 (2023年10月上旬)
個人事業主として経費管理や確定申告など行う上で、自分で仕訳していけるほどのスキルも時間も持ち合わせていないということで、クラウド会計ソフトの会員登録を行いました。(※どのプラン選ぶか次第ですが、大抵年会費はかかります。)

どの会社が良いかは分からなかったので、ひとまず主要3社くらいの1ヶ月無料プランみたいなのに申し込んでみて、見やすさや使いやすさ的に私は「freee会計」さんを選択しました。

・開業届の提出 (2023年10月16日)
私の場合は実際のオープンよりはだいぶ前の提出となりましたが、トラック製作に向けた準備を始め出した時点を事業の開始というテイにしまして、店名にちなんで10月16日に開業いたしました!
結果として、オープン前に融資の借り入れや補助金申請を行ううえで開業届の提示が必要だったため、タイミング的にも良かったと思っております。

上記のfreeeさんにて必要事項を記入するだけで開業届のフォーマット作成ができましたので、出力して事務所(私の場合は自宅)の区の税務署に提出して完了です!

・焙煎所探し&オリジナルブレンド作成の相談  (2023年12月〜2024年1月頃)
店名にも「COFFEE」と入れ込んであるように、しっかりと厳選した豆で淹れた珈琲を提供したかったのと、自信を持っておすすめできるオリジナルブレンドを作りたかった想いがあり、対個人店にもブレンド作成や卸売を行なっていそうな焙煎所をSNSやネット上で探し回っていくつかのお店にアポを取り、費用感や条件(最小ロットや納品方法等)をお聞きしたうえで依頼先を決定しました。

・東京商工会議所への創業相談  (2024年1月〜2月)
開業にあたって小規模事業者持続化補助金」を創業枠で申し込みたいと考え、その条件として「特定創業支援等事業」による支援を受けたことの証明書を得る必要があったため、全4回の創業相談を受けるために最寄りの東商会に通いました。

私の場合は補助金申請期限にギリギリ滑り込むために、担当者の方にもご協力いただいて1ヶ月間の間に予約をギュッと詰め込んでなんとかしましたが、ゆとりを持った早め早めの行動を心がけることをおすすめします。。笑

・融資の申し込み  (2024年2月〜4月)
当初は自己資金内でなんとかやりくりしようと考えていたのですが、開業後も十分な利益を得られるまでに運転資金がかかってきたり、今後更に多額の融資を受けることになった場合も見越して返済能力を示しておけていたほうが良いという助言もあったりで、「日本政策金融公庫」より融資を受ける決断をしました。

こちらも商工会にて公庫の担当者の方とつないでいただき、事前相談をさせていただいたうえで申し込みができたので、比較的スムーズに融資が通ったかと思います!

・トラック製作 (2024年2月上旬〜4月上旬)
2023年の内にあらかたの仕様は確定させ、当初の予定の2024年3月21日のオープンを目指して、3月上旬の納車を目標に製作を進行いただこうと考えていたのですが、次項のロゴ決定遅れ問題と、補助金や融資の申し込みや確定申告やらも重なってバタバタして全然3月の営業開始が現実的ではなくなったため、ゆとりあるオープン日にリスケをし、そこに合わせて4月上旬納車のスケジュールで製作を行なっていただきました。

・ロゴ&フォント決め   (2023年12月〜2月末)
私は兄がなかなかの画力の持ち主なので、依頼のしやすさと依頼費を抑えることも踏まえて、自分の中のイメージをプレゼンして兄にロゴを作ってもらうことにしました。

が、やはり頭の中のイメージ(ニュアンスに近い部分)を相手に汲み取ってもらうのは難しかったことと、そのタイミングで兄の仕事がとても忙しくなってしまったこともあり、満足するようなロゴが出来上がらないまま時だけが過ぎ(※ロゴの貼り付けだけ保留のままトラック製作を少し待ってもらっていました)、

「やばい。このままだと一生トラック製作が終わらない…!」

という焦りから最終的にこうなったら自分で作る!という選択をし、iPadの力を駆使して強行突破しました。笑

イメージ素材を集めながら、模倣にならないようにオリジナリティを加えながら編集していって..

同タイミングで商用可能なフリーフォントをひたすら見ながら使用フォントも決めていきました。
現在クリエイティブ系は基本全て同じフォントで統一して作っているのですが、英語も日本語もどちらも字体が可愛くて結構気に入っています。

・メニュー試食会の実施  (2024年3月)
自分の味覚だけでは自信が持てなかったため、ビジネススクールを通じて知り合った同じように開業を目指されている方々にご協力を仰ぎ、提供予定のメニューを試食いただいてフィードバックをもらうという会を実施しました。(ご縁もあって、とあるカフェの営業後のキッチンをお借りして実施!)

いただいたコメントをもとに、レシピだけではなく見栄えなども見直す良いきっかけとなりました!

・駐車場契約  (2024年4月〜)
納車のタイミングに合わせて駐車場の契約もせねばということで、都内でお値段も多少張ってはしまうのですが、たまたま空いていた自宅マンション前の駐車場を契約して準備を整えました。

・諸々の保険加入  (2024年4月〜5月)
自動車保険やPL保険など、営業に必要な保険の加入ですね!

・出店場所交渉  (2024年3月〜4月)
初めのうちは色んな所に出店していく自信が全くなかったため、知り合いの繋がりで紹介いただいた不動産屋さんに相談をしたところ、ビル横の空きスペースの一角をお借りできたので、オープン前はその一ヶ所のみが決まっている状態で営業スタートしました。

・飲食店営業許可証の取得  (2024年4月下旬)
ひとまず東京都内中心の出店予定でしたので、事業所登録している区の保健所に出向き、諸々の必要書類を提出して、トラック現物をチェックいただき無事取得しました。(東京都内はどこか一ヶ所で取得したら都内全域で出店可能となります。)

トラック現物が完成している状態で最終審査してもらう必要があり、証明書発行までに多少期間も要するので、この取得タイミングを見込んだうえでオープン日を設定する必要がありますね!

・包装資材の準備  (2024年4月〜5月末)
出来上がったロゴをもとにカップなどに貼るシールやハンコなどを作成し、仕入れた包装資材に無心でロゴを貼り付けていくという、地味だけど大事な事務作業期間です。

・マシン・備品の準備  (2024年4月〜5月中旬)
トラックのキャパやメニュー内容、電力、オペレーションなどを考慮しながら必要備品を揃えていきます。これが本当に難しい...。

主要機材はそれなりに費用がかかるのに加え、思ってた以上にちょっとした小物たちも次から次へと必要なものが出てきてしまって、クレジットの支払いが怖いのなんの。

・SNSアカウント開設  (2024年4月中旬)
オープンより少し前にお店のアカウントを開設し、まずは知り合い中心の告知からではありましたがオープンに向けての必要情報を発信していきました。

当初はInstagramX(今はほぼ稼働せず), LINE公式アカウントのみを一旦開設してスタートしています。

・メニュー, POP, 看板などのデザイン作成  (2024年5月上旬)
確定したレシピをもとに商品撮影を行い、メニュー表やチラシなどの作成を行います。これも自分でやるのか誰かに依頼するのかで、期間も費用もクオリティも変わってくるので迷いどころ...。

・グッズ製作  (2024年4月〜5月中旬)
ブランディングを図るのと物販での売上の柱も作りたいなということで、ロゴを用いたステッカーとトートバッグを業者にオーダーして作製しました。(※初めのうちは店頭販売のみ)

色々なグッズを作りたい欲はありましたが、資金と在庫リスクを考慮してグッとこらえて最小限に留めておきました。笑

・トラック内装整備  (2024年5月)
ラックやマシンを設置したり、ウォールペーパーを貼り付けたりと、オペレーションとデザイン性を考慮して内装の細かなところを詰めていきます。

・POSレジ導入  (2024年4月〜5月)
時代を考慮してキャッシュレス対応ができるように「Airレジ」を導入しました。申し込み〜承認までに多少期間がかかるので、これも余裕をもって申し込むのが良いかと思います。

・仕入れ  (2024年5月)
オープンに向けて、正規レシピの材料やコーヒー豆を漏れのないよう気をつけながら取り寄せていきます。初めの頃はあまり選択肢も持ち合わせていなかったので、今よりだいぶもったいないお金の使い方をしちゃっていました。

・プレオープン  (2024年5月下旬〜6月上旬)
交渉していたビル横の空きスペースをお借りし、知人への声掛けとインスタでの細々とした告知のみで実際にトラックでの試し営業を行いました。
当然(?)、アクシデントや修正点だらけです。。

・最終調整
プレオープンでの学びをもとにより良いオペレーションができるよう、必要備品を買い足したり、工程調整をしたりしながら、グランドオープンに向かってできる限りの努力をして機運を高めていきます!


\2023年6月12日 グランドオープン!/


というような流れです!文字数多過ぎて、最後駆け足になりました...。笑
ここまでお付き合いいただき誠にありがとうございます。

何が大変って、これが正解なのかが分からないままで自分なりに突き進まなければならない恐怖感と戦わなければいけないことと、働きながら時間を見つけてこれらの作業を同時進行で進めていかなければならないということで、今振り返ってもよく頑張っていたなと思います。笑

もっと上手くやる方法や、やらなければならないことたちもたくさんあるかもしれないですが、ひとつの事例として何か参考にしていただければ幸いに思います。

<次回>

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