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【育児】目指せ「心のつんつるてん」~娘の服がすぐ小さくなるのを見ていて思ったこと~

この間、大学時代の写真がFacebookで出てきた。当時着ていたジャンバーを、10年ほど経った今でも私は着ていることに気づいた。私は物持ちがよいほうだが、それにしても10年も同じものを着続けていたのかと思うと、肉体はすっかり成長するのをやめてしまったのだなと痛感する。

娘の体の成長は著しい。
この間までだいぶぶかぶかだった服が、すぐにつんつるてんになる。いつ大きくなっているのだろうと不思議で仕方ないのだが、気づくと子供は大きくなっている。人間の身長がずずずと伸びていく様子を一度は見てみたいと思いつつ、これほど近くにいても気づかないのでたぶん無理なのであろう。

思えば、身長も体重も、中学三年生~高校一年生のころから私はほとんど変わっていない。
小さなころは身長が伸び、体重が増えて服がきつくなることで「おお、でかくなってる」と自分自身が気づかなかった成長を実感していた。しかし、いつの間にか身長が伸びず、体重も増えない時間のほうが人生の中で長くなろうとしている。

わかりやすい肉体の成長がすでに終焉を迎え、おそらく体力という面でも幼年期には及ばないなかで、大人は教養や人格の陶冶といった精神面の成長を求めるべきなのだろう。

はて、漫然とした一日一日の繰り返しの中に、果たして大人として目指すべきものの成長はあるのだろうか。日々何かを吸収して、そして昨日よりも成長したと思えるきょうを終え続けることを、どこかでおろそかにしてはいないか。「きょう一日くらいは…」といった己の怠惰が積み重なったとき、現状維持という面白みのない日々がはじまってしまう。現状維持のなかでは過去を振り返ることもなく自らの幼さに気づくこともない。

在りし日の未熟さや幼さに恥じ入ることができるようになるのは、かつて「おお、でかくなってる」と肉体の成長を実感したときと同じような瞬間でもある。その瞬間はいうなれば「心のつんつるてん」であり、それを積み重ねて目の前に起きた喜びや悲しみを受け入れられる器の大きな人間になるのだろうと思う。

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