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4月1日〜 アクリルスタンド

※この記事には高齢の動物(犬)が体調を崩す描写がありますが、当の本犬は今日も元気に暮らしています(回復しました)。安心してお読みください。
(でも生死の話はしているので苦手な方はこんしゅうは読むのやめといたほうがいいかも。ブラウザバックを推奨します。また来週ね)


こんにちは!
なんだか急に暖かくなってきて、春! という感じですね。わたしの周りでもソメイヨシノがちらほら咲き始めて、春だなぁと思う機会が多いです。なんかあれだね、今年は咲くのがめちゃくちゃ遅くて、満開になる前に葉が出てるのを見掛けたりして、植物の混乱状態をお察しします。
毎年花粉のせいで桜が咲く頃から梅雨に入る頃までずっと体調が悪いので、桜をみるとなんとも不思議な気持ちになります。いや、綺麗だけど。綺麗なんだけどね。なんか……痒くなってくる気がするんだよな……………。

こんしゅうは2024年度が始まって最初の1週間でした。一層大変だった方はお疲れ様でした。変わりない方もお疲れ様です。来週もふんわりふわりと過ごしたいものですね。

さて、こんしゅうのお話。


アクスタを作った!

今年の冬、わたしはとある報せを耳にした。
知り合いのところのわんこ(十数歳)の体調が悪いそうだ。ご飯が食べられていないらしい。


うちにも、その子と同い年の犬がいる。

犬の寿命というのは、人のそれより随分と短い。
だからこそ人は犬を飼う選択ができるのだと思う。哺乳類というものは一般に大きければ大きいほど寿命が長いそうなので、犬の寿命が短い分、わたしは犬を抱き上げることができる、とも考えられる。腕の中の小さな命は、今日もわたしに抱き上げられるためにトクトク速いリズムを刻んでいるのかもしれない。

それでも、自分よりもあとに生まれた家族が自分よりも先に亡くなってしまう、というのはどうにも直感に反する。
それに犬の一生というのは人の一生のスーパー早回しみたいなもので、少し調子が悪そうだ、病気だろうか、なんて言っているうちにすぐに幕が閉じられてしまったりする。全てが人間にとっては突然なのだ。ご飯が食べられなくなってきた、と思っていたら数日後──なんて話を聞くことは、少なくない。





うちの犬との別れを考えると、もうあり得ないほど苦しい。犬が持つこの熱が、世界から消えて無くなってしまうかと思うと切ない。本当に、涙が出てきてしまいそうなほどに、辛い。
いなくなってしまっても、どこかすぐ──できれば、目の見えるところにいてほしい。


ということで、衝動に身を任せるままに愛犬のアクリルスタンドを作った。


(おうちのひとがインターネットをしているので、実物の写真を載せられなくてすみません)


アクリルスタンド(アクスタ)というのは、いまやオタクの中では常識で、どころかオタクじゃない人の口からも聞くことがある言葉だ。二次元の絵や写真が印刷された立体的な板で、自立するのが特徴。印刷面以外は透明になっているので、机の上に簡単に推しを立たせることができたり、持ち歩けば推しと外出した気分になれる、最近本当によく見かけるグッズだ。


オタクは秋田出身の推しを秋田に連れて行くなどする



アクスタというものが世に浸透しているこの時代、飼っているペットをアクリルスタンドにしたい、という人は少なくないらしい。興味がある方は試していただきたいのだが、インターネットで検索するとサイトがいくつも出てくる。
アクスタのほかにアクリルキーホルダー(アクキー)を作ることもできて、それだと鞄やスマホなどにつけることでいつでもどこでもそばに置いておけるようだ。

わたしは持ち運びの予定はなく、それよりも机の上に鎮座して欲しかったのでアクスタを選択した。自分で写真を選んで業者さんに注文するのだが、ここで少し問題があった。


全身の写真が必要なのだ。

手元にアクスタ(ペットのものじゃなくても)がある方は確認して欲しい。その大部分がてっぺんからつま先までが写っているものだろう。
そう、アクリルスタンドの趣旨が「その場に実在している感」なので、全身の画像が必要なのだ。
もちろん、犬とて例外ではない。

こちとらスマートフォンネイティブ世代。犬と過ごした大半の時間、わたしの手に取れるところにはスマホがあった。胸を張って趣味と言えるほどのものではないが、スマホよりも良い画質で撮れるカメラだって手元にある。
犬のことを可愛いと思ったときも、かっこいいと思ったときも、どうした? っていうくらい不細工なときも、たくさん撮ってきた。スマホの中にはかなりの枚数の犬の写真がある。

だがどうだろうか。
「アクリルスタンドにできるくらいには盛れている」「全身」の写真は?
うちの犬は歳を取るにつれ相貌が分かりやすく変化しているので、ここ数ヶ月、少なくとも一年以内の写真がいい。

ここまで読んでくれている、ペットがおうちにいるそこの方、今すぐ! ペットが元気なうちにアクスタ作った方がいいよ! 抱き上げてる写真とか、見切れてる写真じゃ作れないから! 作ろうと思った時に手元にちょうどいい写真がなかったら困るでしょ!? 今ならほら! 手元に無ければ撮ればいいだけの話だし!


ということで、無事に写真の選定を終え、注文したアクリルスタンドが手元に届いた。抱き上げられるどころか手のひらの上に乗るサイズのうちの犬、可愛い。最高。作ってよかった。
これからは、わたしが社会から与えられた机の上で、わたしの活動を見守っていてもらうことにしよう。辛いことがあったら泣きつこう。

アクスタ、いいよ。ペット飼ってる方、オススメだよ。最高だよ。
推しのアクスタ買えるくらいのお値段で作れるよ。作るといいよ。


老いていく犬は可愛い。昨日より今日の方が可愛い。今日より明日の方が可愛いと確信が持てる。
でも、少しだけ老いるスピードをゆっくりにして欲しいと思う。1秒でも長くわたしの隣にいてくれないかと願う。

もしいつか、うちに新しい子が来たとしても、わたしにとって幼い頃から一緒に育った犬はこの子だけなのだ。

10キログラムも満たない「可愛い」の塊。抱きしめるともぞもぞ動いて、温かい。気が向いたら抱きしめられ続けてくれるし、飽きると腕から飛び出ていく。

今だって、締切の日にヒィヒィ言いながらこの文章を書いているわたしをきょとんと見つめている。
そうだね、そろそろ散歩に行こうか。今日はあったかいから、気持ちよさそうだね。



おしまい。
ここまで読んでくださった方、ありがとう。
あなたにとってもわたしにとっても、
明日からの来週がいい1週間になりますように。