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4月15日〜 国語とわたし


すっかり春の陽気……というか、色々すっ飛ばして夏か? って思わなくもない今日この頃、皆さまどうお過ごしですか?

この挨拶というか、始まりの言葉みたいなのはいつも、読んでくれている方への手紙だと思いながら書いているんですけど(真ん中の方はタイトル通り日記だと思って書いている)、流石にお手紙では人を傷つけたくないので、自然と当たり障りのないことばかり書いてしまいますね。

天気か、ご自愛かの大体2パターン。
ご自愛の方(わたしはわたしの文字を読んでくださる方が長生きしてくれた方が嬉しいのでご自愛をお願いしている次第)はまだ良いとして、天気の話ってよく考えたらインターネットに放流する文章として不適切な気がしますよね。アメリカ在住の人が読んでるかもしれないし、アメリカならまだしも南半球の人は今から冬だし、もうめちゃくちゃ。

でもわたしはお手紙として書いているので、まあ良いのでした。
こうやって人を傷つけずに何かを書こうとすると、昔「国語」の授業で習った正式な手紙の書き方の時候の挨拶に似てくるのが面白いですね。何事にも意味や由来があるというか、このままだと1番初めに「拝啓」って書き出してもおかしくないというか、そんな感じ。

なんかこんしゅうは挨拶長いな、本編行こっと。



「国語」の時間


最近、「国語」について考えることが多い。母語である日本語という意味ではなく、教科のひとつとしての「国語」だ。小学一年生から高校三年生の12年間、時間割に(結構堂々と)存在していた科目。ひらがなの書き方に始まり、最後は漢文とか古文とか読めないものを読まされた、あの時間。

昨今、学生時代に「国語」が得意だったことにってやいのやいの言われていたりいなかったりするけど、これはそれより前に「どっかで書きたいな〜」とぼんやり思っていたことなので、悪しからず。


わたしには印象に残っている「国語」の授業がある。

高校生の頃、現代文の先生がただひたすら小説を音読してくれた、あの時間。
しかも読んでくれたのが、三浦哲郎『みのむし』。
(日記内に作品のネタバレはありません。安心してね)




────どうかしてる。


少しお姉さんになって、授業を受ける側には戻れなくなった今日この頃、より一層感じる。
短編とはいえ、教室中に届くほどの声であれを読み切るのは大層疲れるだろう。しかも当時、先生の受け持ちのクラスは5つあったはずだ。あれを、5回も?

てか、なんで『みのむし』?



謎は深まるばかりだ。
もう二度と会う予定はないし、多分この謎は一生解けないのだろう。


そういえば、わたしはご覧の通り当時の衝撃を未だ忘れられずにいるのだけれど、同じ授業を受けた友人に尋ねたところ何ひとつ覚えていなかった、ということがあった。

目が悪かったわたしは常に1番前で授業を受けていたため、当時の教室の後ろの方の様子を知る由もないが、音読の時間中、わたし以外のみんなが寝ていた可能性すらある。

そういやその何年か後、他の国語の先生に「あの先生、音読してくれるんですよ」と言ったら「音読? 高校の授業で?」と驚いていた、ということもあったな。やはり、高校での音読の授業というのは珍しいのかもしれない。

最近、音読やら読み聞かせが苦手な人が一定数いることを知った。その人たちは音の情報を理解するのに時間と労力を要するらしい。
きっとそういう層だって教室内にいたのだろうから、その人たちにとってみればとてもつまらない、もしくは辛い時間だったのではないか、と想像できる。




しかし、音読が大好きなわたしにとっては、何年経ってもこうやって思い出せるくらいには印象的な授業だった。聞きやすいように抑揚のついた、先生の落ち着いた声。それを以て語られる、あのストーリー。

「国語」のことを思い出すたびに、なんとなく思い出すあの空気。多分当時のわたしには心地よかったのだろう。



その時期は三浦哲郎を読もうの期間だったらしく、先生はほかにも何作か授業で取り扱ってくれた。
しかも、途中まで読ませてくれて「このあと、どうなると思う?」という質問まで投げかけてくれた。続きを考える時間をくれた。
今考えると、かなり楽しい授業だったのではないかと思う。



でも、その題材が『メリー・ゴー・ラウンド』と『メダカ』だったの、マジで一生忘れない。特に『メダカ』の結末の衝撃はマジで一生忘れない。忘れられるわけがない。
なんだったんだあの授業。てかやっぱり先生ちょっとおかしいでしょ。


その頃には文字書きするオタクだったけど、これはわたしのオタクとしての人格に関わっている記憶なのだろうか。
たまに思い出しては、そうやってぼんやりと考えている。

この記事内で出てきた作品たち、気になった方はよければ読んでみてください。責任は取りません。



おしまい。
ここまで読んでくださった方、ありがとう。
あなたにとってもわたしにとっても、
明日からの来週がいい1週間になりますように。

梅雨の初め、不安定な空の下です。いつも以上にお体を大切になさってくださいね。