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書けん日記:35 神の水

こちら――
T氏とSFネタや作品をやり取りする中で教えて頂いた、バチガルピ先生の「神の水」。原題は「THE WATER KNIFE」。
化石燃料が枯渇した近未来を舞台にしたディストピアSFの名手であるバチガルピ先生が描く、水資源が枯渇した近未来のアメリカ――現実に迫りつつある、地球規模の危機――それを題材としたSF。
いやあ、これがですねえ。
面白いです、はい。バチガルピ先生のSF短編集「第六ポンプ」もたいそうにディストピアで、胸が清々しくなるほど救いがない世界の物語なのですが……この「神の水」もなかなか。
どれくらい面白くて、不肖がハマったかというと。

不肖「うわぁあああん。このネタ、パクりたいくらいおもしろいよう。パロしたいよう」
T氏「いいよなバチガルピ・ワールド。それはそうとパロするにはそもそも書かないとだな」

と、現実スマッシュ!正論はこれで決まりさ、ヒットされるほどに。
というか。アメリカ、ハリウッド、ネットフリックス。この「神の水」の映画化、はやく。やくめでしょ。というかこれを映像化しないとか、アメリカは自国の水資源枯渇問題から目をそらしていると思われても(閑話)

そして。今回は水の話題、水分のお話し――

不肖「最近ですねえ。灼熱の農地で野良仕事していると。水分補給、塩分もとっているはずなのに昼過ぎぐらいにバテちゃう、5時の仕事上がりのあと、車の中で寝ちゃうくらい疲れちゃうんですよねえ」
T氏「加齢」
不肖「正論パンチ打つにも、もっとこう……前フリとか、ジャブから入るとか、前口上みたいなものをですねえ。鎌倉武士ですら、正規の戦争のときは」
T氏「キャバーンAmazonをポチった音 ほれ。おまえのところにOS-1を一箱送っておいた。つぎの野良農奴のときに、それ飲んで苦行して。それで効果があるかどうか、自分で試してみればよかろ。そしてレポと日記を書けば一挙両得」
不肖「ありがたやありがたや……。でも私、暑い日の現場には大量の水と塩分、持ち込んで摂取してるんですよねえ。それと何が違うのか――」

そして。数日後、5月の快晴の日、農奴落ちした不肖は――

その日は、田植え用の稲の苗。田植え機にセットする苗シートを育てる作業。専用の温室に、発芽した種籾の詰まったケースを運び込み、並べる単純作業だが……。

温室内は、午前8時ですでに35度。これが昼前には40度を超え、湿度はほぼ100%。この中で、一つが5キロほどある苗のケースを人力で運び込んで並べる作業。
そして同時に、1週間ほど前にその作業で温室に持ち込まれ、育てられた田植え可能な大きさに育った苗のケースを運び出す作業も、同時に行われる。これも過酷。
ベテランの作業員でも、30分ごとに休憩を取らないと危険な作業。……そこに、不肖も投入される。なお、バイトを投入すると午前中で行方不明になる。

……暑い。というか、熱い。
作業開始数分で、作業着は大量の汗で水をかぶったように濡れる。30分の休憩ごとに水を飲んで……午前中だけで、2リットルの水を飲む。それでも、昼まで尿意がこないほど体内の水分は全て汗として流れ出る。
――そこで。

あとは田植え機にセットするだけの苗ケースとOS-1

本日は、補給して頂いたOS-1の出番となる。2回目の休憩、すでに持ち込んだ水を1リットル飲んではいるが、頭痛がするほど身体は熱く、喉が渇ききった状態で……500ミリリットルの、経口補水液を――ものたりんな、という心持ちで。飲む。

…………。最初は、ん?と違和感。スポーツドリンク系の味かと思ったら、甘みはほぼない。そして、安いスポーツドリンクにありがちな、わざとらしい塩分感も無く……無味に近いが、それでも。なにか、味がして……水よりも、ごくごく飲めてしまうOS-1。麦茶よりも、スーッと体に入ってゆく。
……そして、この味。塩分? いや、違う、これ――
……100円くらいするお高い卵を、生卵で飲んだときのような、謎のうま味があるOS-1。気づくと、500ミリリットルがなくなる。……だが、もう一本!という気分にならないのは、甘みがあまりないせいか?
ふぅ、と。
OS-1を飲んで、休憩修了。まだまだケース運びの労働は続く。午前中、この不肖の体力は保つのであろうか……?

もちました。

終わってみて驚きました。12時、正午に午前中の作業終了。昼休憩で、他の農奴たちがよろよろ、とぼとぼと食事に向かう中……この不肖は。まるまる残った、午前中用の水。2リットルのうち、手つかずの1リットルボトルをまじまじ、見ながら……。
いつもの、半分しか水を飲みませんでした。OS-1の500ミリリットルがあったとはいえ。それ以降は、とくに水分補給無しで作業を続けられ、それどころか昼休憩のときには、ふだん無かった尿意があったほど。
不肖「どうなってんだ、これ……」(困惑)
というくらい。プラセボが介入できないほどの過酷な作業の中で、OS-1はきっちり、体感できる効果を出してくれました。
まず――

・疲労感の軽減
これがすごい。もう、しゅごい、のレベル。
たかだか、水分を補給しただけなのに――と思っていたのですが。
水を飲む→身体が吸収する→汗にして出す この工程にも、もちろん身体の機構が動いて体力を使うわけで。OS-1は、そこの工程をいくつかすっ飛ばしてくれている感があって。

・水分補給の即効性
これは飲んでから気づきました。それまでの、ただの水飲みと塩分をかじる補給だと、飲み終わったあとの胃袋がタプタプなのに、喉がもう乾くような感覚があったのですが……OS-1だと、飲んですぐ、もう身体が潤った感がある。それもあって、午前中に飲んだ水がいつもの半分ほどという。

・身体機能の向上
これも飲んでから気づきました。いつもは、午前中の作業が終わったあとも……しばらくは、水飲んで休憩して。数十分して、ようやく「食っておかないと、午後が務まらんぞ」な気分で、むりやり昼飯をかき込んでいた不肖でしたが――
10時半の休憩でOS-1を飲んだ不肖。「おっ、なんか身体が楽だぞ」と思うのと、ほぼ同時に……。
「はらが、へった」と。猛烈な、空腹感。
高校生の頃を思い出すような、11時くらいの猛烈な空腹感。いつもだったら水でタプタプの胃に、無理やりめしをかき込んでいたのが……OS-1摂取後は、ひさびさに腹が空腹でぐうぐう鳴る空腹感が。正午には、空腹の極み、というくらいの腹に、2合の麦飯かっこんで。なお、ものたりんな……くらいの食欲が。最近流行りの、ドカ食い女子漫画のごとく。

熱中症寸前の暑さと過労で、身体はグダグダのはずなのに……胃腸は全開で動いて、カロリーを欲するように。これが、OS-1摂取での、一番の驚き。

不肖「というわけで。ありがとうございます。効果ありましたねえ」
T氏「漁師に効くのだから、百姓に効かない道理はないわな。……なるほど、経口補水液には塩基のほかにカリウム。そしてブドウ糖が――どうやら水分にそれらが入っていると、通常なら主に大腸から吸収される水分が、小腸で吸収されるようになる。水分とエネルギーの摂取が速やかに行われる(wikipediaより)ようだな」
不肖「なんと。単純なシステムなのに、もはや魔法のような効果」
T氏「ふむ。発展途上国だと、感染症などの水分補給に経口補水液を自作――清浄な水に、砂糖と塩分を投入したものを使って効果を出しているそうな。つまり」
不肖「赤貧農奴の不肖でも、この補給品のOS-1が切れても経口補水液を自作できる……? よし(チャキ)」
T氏「誤字脱字に気をつけて自作しろよ」

そして。翌日――

この時点だと、ほぼ透明な水

作ってみました。自作の経口補水液。
2リットルの空ペットボトルに、水一升1.8リットルと、砂糖80グラム、塩分6グラムを投入して溶かした魔法の液体が、こちら。
これがあれば、OS-1なきあとも、自作の経口補水液で酷暑の農奴作業も乗り切れるーっ! と。
……投入してみたんですよ。現地に投入。
そうしたらですね――

その日も5月の快晴。農場の気温は、30度近く。
不肖は午前中、10半の休憩に自作経口補水液をペットボトルの四分の一、500ミリリットルを摂取――
……うん、利き目はおなじか、これ?
水分で胃がもたつく感覚もなく、スーッと汗が出て。疲労でバテることもなく、午前中の業務を完了。やはりこのときも空腹感がでて、弁当をガツガツむしゃむしゃ。これは行ける、自作でも行けるぞ……! と思い、午後作業の前に、飲みさしのペットボトルから自作経口補水液を飲もうとした不肖――

不肖「……。……ッ!? くっさ……???」

……ペットボトルから漂う、歯磨きサボった朝の口臭のような……違和感。明らかに、ペットボトルの中身の経口補水液が、暑さで傷んでいる……飲んだらやばい臭い。
……ペットボトルに口つけて直飲み、しかも冷却が甘かったせいで……5月の暑さで、自作経口補水液、傷んでました…………。

なるほど、OS-1が300とか500ミリリットルとかの飲みきりサイズしか無いのは、これか。と……。
考えてみれば、糖分と若干の塩分が入った水など、雑菌の繁殖培地としても絶好の王道楽土――経口補水液を自作する場合は……。

・飲みきりサイズのボトルで作る
・ちゃんと冷却しておく
・大型ボトルのばあいは口つけて直飲みしない
・クエン酸などを追加しておく

――これらの処理が必要でした。これも、現場の、実践から得られる教訓……。

T氏「ちゃんと、クエン酸追加するレシピも送っておいてやっただろうがー」
不肖「すみませんすみません、家に掃除用のクエン酸しか無く……考えたら、ライム汁で良かったですね……クエン酸は疲労軽減の効果もありますし、自作レシピには必須……」
T氏「トマトジュースをベースにして、カリウムと食物繊維を追加するレシピもあるぞ」
不肖「真夏になったら、畑で取ったトマトと塩を持ち込んで昼飯に追加もいいですねえ」

……かくして。
経口補水液OS-1の、魔法のような現実パワーを目の当たりにした農奴の不肖でした。
皆様も、これからの暑い季節、お出かけなどのさいにはお荷物に一本、この経口補水液を忍ばせておくのもひとつのTips、これからの時代のライフハックになるかもしれません。


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