借金を背負ってまでしたかったことって。
春から社会人になる私には、既に40代半ばまで払わなければならない借金が存在する。
俗に言う"奨学金"というものである。
この大学4年間を私はあとの人生20年の借金で買った、ということになる。
私の所属する学科は、有難いことに課題や研究がそこまで難しくない。他学科や他校の友人に話すとそんなに楽でいいのかと驚かれることもしばしば。
しかも私の世代は、コロナ世代。
初めての授業やテストはオンラインだった。
課題やテスト内容は友人同士で回し合い、授業は1.5~2倍速。気づいたら授業中に寝ていて巻き戻して聞いて、レポートをチョロっと書いたら良い評定が貰える。そんな日々だった。
お陰様で何も身にはついていない。
コロナもありタイミングが悪くサークルには入らなかった。
おかげで友人はほぼ学科内のみ。それも片手に収まるくらい。
旅行や遊びに行けるほどの友人はいなくて、中高の友人とたまに会うくらい。
資格も取ろうと思って勉強したけど、あまりにも興味がなくて2回受けて2回落ちたものもある。
コロナ禍で一目惚れした推しを推すために身を粉にして働いた。
私なんでここにいるんだっけ、何しにこの大学入ったんだっけ。
何度も考えた。
けど答えは見つからないまま時が過ぎていった。
3月。私は長かった学生生活に幕を閉じる。
答えが見つからないまま、綺麗な袴を着させてもらって卒業証書を受け取る。
あの頃「借金を背負ってまでしたかったこと」の大半は出来ないまま、踏み出せないまま、終わりを迎える。
それでも沢山の出会いはあった。
感謝してもしきれない出会いばかりだ。
この後の人生20年の借金で買ったこの4年間は、後悔もあるけど、かけがえのないものであることに間違いはない。
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