【若林源三解体新書】#21 ~令和の子供達への配慮がすごいぜよ・アニメシーズン2ジュニアユース編第2話「旧敵への挨拶」部分的総括~
キャプテン翼アニメシーズン2ジュニアユース編が2023年10月1日より放送がスタートとなりました。
第2話は10月8日。
原則リアタイ視聴のわたしですが、この日は若林くんのcv鈴村健一さんのライブに行っていたので、アニメの方は観られませんでした。
もちろん、録画予約はしました。きちんと予約できているか5回くらい確認して。
といっても、仮に録画できなかったとしても、見逃し配信などありますものね、便利な時代です。
わたしが幼少の昭和の頃は、家にビデオというテレビ番組の録画機器がなかったので(お持ちのご家庭もあった時代ですが………)、絶対に絶対にアニメを見逃すことはあり得ないことですし、放送後に何度も見直すことはできませんでした。
と、脱線はこのあたりにして、原作厨のわたしといたしましては、今回もアニメにおける若林くんの登場シーンなどを原作で振り返りながら総括という名のマイルドで偏頗な指摘をしたいと思います。
☆外見によるイジリを原則否定されるのが今の時代
ハンブルクに到着した全日本ジュニアユースチーム。
まずは,、辺り一面に10以上のサッカーコートが広がる練習場を見学します。
そこへ、若林さんが登場。
アニメではこんな感じの会話展開です。
原作のシーンがこちら ↓ ↓ ↓
───── 一目瞭然ですね。
滝君の(前)歯があいかわらず出ていて、来生君が天然パーマで、との若林くんの台詞は、アニメではカット。
今のご時世、人の見た目を誉めることは多々あるものの、『 かっこ悪い 』『 残念な見た目 』と指摘したりディスるような発言はご法度。
原作の若林さん、別に二人をディスっているわけではありません。
二人の見た目の特徴といえばこれ。滝君のその口元や来生君のその髪型がむしろ可愛い。
可愛い、というわたしの主観はさておき、その特徴が変わってないな、と若林くんは懐かしさも込めて単に事実を告げているのですが、笑い声や場の雰囲気から、二人がからかわれているように見られてしまうのをコンプラ的に懸念したのでしょうか?
わたしは苦手でしたのでまともに見たことがありませんが、特定の属性の人達を取り上げ、外見を極端に誇張していじったキャラクターがお笑いとしてウケていたことが平成の時代にありました。
それに比べ、令和の今は、積極的に誉める時やお笑いで自らネタにする場合などを除き、なるべく外見に触れないことが暗黙のルールに見受けられます。
むしろ、どんな個性も受け入れようという風潮を思えば、歯が出ているとか天然パーマだという発言くらい問題ない気もしますが……。
子供が視聴することを切望する運営さんとしては、子供達が他人の外見を取り上げるくだりのみを安易に真似るのを恐れたのかもしれませんね。
そして、「 キャプテン 」と、来生君又は滝君がつい口走ってしまったこの言葉。
南葛中学サッカー部に所属した修哲メンバー(ここでは、井沢君、来生君、滝君、高杉君を指します)は、二年以上も若林さんと会っていない。
そして、キャプテン翼君と共に中学時代を過ごし、熱い熱い全国大会を経験してきた。
そんな彼らがいまだに若林くんをキャプテンと思っている様相は不自然だと判断されたのか、物語の主人公はあくまでキャプテンは翼君であることからか、ここでの「 キャプテン 」いう台詞もカットされています。
しかし、修哲メンバーにとってキャプテンの元祖は若林さんであり、小学5年生で全国制覇した修哲FCというチームメンバーの絆を高橋先生が描かれていて、わたしは大好きですけどね、このシーン。
若林さんも、別にキャプテン呼びを強要も許容もしておらず、「 おい もうキャプテンはやめろよ 」とやんわりと否定しているわけですし。
ちなみに、修哲メンバーは翼君のことを基本的には「 キャプテン 」と呼びません。翼君をキャプテンとして盛り立てる特別な場面を除いて、「 翼 」と呼び捨てです。
一方で、若林さんのことは、小学生時代にキャプテンあるいは若林さんと呼んでいた。久しぶりに会って、その口癖がそのまま出てしまうことは、何ら不自然なことではないのです。
ただし、逆に若林くんが現在はハンブルクのキャプテンであることを考慮して修哲メンバーにはその言葉をあえて言わせなかった、という配慮があっての台詞カットであるならば、それはそれで大変素晴らしい脚本だと言えます。
☆皇帝、監督に丁重に謝罪する
ハンブルク対全日本ジュニアユースチームの試合当日。
試合開始前の集合の場にも姿を見せていないシュナイダーが、飼い犬のサウザーとともに登場します。
アニメでは、こうです。
原作ではこうです ↓ ↓ ↓
と、シュナイダーはチームメイトには謝ってるんですけど、監督には何の言葉もないんですよね、その場に監督もいるんですが。
もうシュナイダーの実力が皇帝オブ皇帝すぎて、練習に来ようが来まいが遅刻をしようが、監督もチームメイトもシュナイダーの好きにさせている雰囲気の原作。
しかし、アニメではシュナイダーがきちんと遅れたことを謝罪。
スポーツ、というか人付き合いのうえで遅刻はいけない。相手に、特に目上やチームの指導者には、礼儀正しくきちんと詫びるという姿勢が現れたシーンです。
そして、監督はむやみに遅刻を責めず、まず体調を気遣う。
シュナイダーが父母の離婚問題を抱えていて……ということを監督が知っているのかアニメでも原作でもよくわかりませんが、最近のトレーニングに来ていなかったこともあり、今日の試合に参加できるかを確認するために調子はどうかと聞いたのでしょう。
指導者や管理職は、遅刻した相手に気遣いを見せましょうという、令和の時代ならではの上の立場にいる人の在り方も描かれているのです。
また、礼儀という点では、似たようなことが若林くんにも言えます。
アニメにおける、若林くんと見上さんの再会場面。
上記のとおり、原作にはない、若林くんの見上さんへの挨拶の様子が入れられています。
もともと、見上さんは、若林くんが小学4年生の時の誕生日プレゼントとしてお父さんにねだったGK専属コーチ。
若林くんの願いを叶えるべく、お父さんと静岡県のサッカー協会を通じて、見上さんが若林家の屋敷にやって来ます。
そうして、若林くんが世界一のSGGKになるための二人三脚が始まったのです。
そして、見上さんのコーチ研修に伴い、若林くんも小学校卒業後にドイツへ渡ります。
約二年の予定だったドイツでのコーチ研修を見上さんは約一年で切り上げ、若林くんはドイツに残ってドラクスラー一家ととも約一年暮らします。
見上さんはヨーロッパ各地を視察後、日本に帰る前にハンブルクに立ち寄ります。
これが、若林くんの渡独から二年後のこと。
日本の学年で言えば、若林くんが中学3年の初め頃でしょう。
その後、日本における夏の中学全国サッカー大会後の、全日本ジュニアユースの海外遠征となります。
要するに、アニメでの若林くんと見上さんの再会は、二人が前回会ってからせいぜい半年が経つか経たないか。
ですが、お久しぶりです、大きくなったなあ源三、と言葉を交わすアニメの二人。まあ、半年くらい前に会ってるかどうかなんて他のシリーズをきちんと読まないとわからないでしょうからそれはいいとして、渡独一年目は父子のように一緒に暮らしていた二人なので、半年ぶりでもご無沙汰してますの状態でしょうし、見上さんから見ると半年前よりもさらに大きくなったのでしょうね、若林くんが。
とにかく、ここでも子供達が見ることを前提にしたアニメとして、礼儀正しく挨拶するスポーツ選手の姿を入れたかったのでしょう。
っていうか、初登場の頃と比べてこの時期の彼はこれくらい謙虚に成長した人物であることが垣間見えて、わたしはとっても嬉しいです。
ちなみに、彼が、1対1で誰かに挨拶するために被っていた帽子をとるシーンは、原作中では全シリーズ通して一切ありません。
☆ものすごくさらりと紹介された「SGGK」というワード
興味があれば、こちらの記事をご覧いただける幸いです。 ↓ ↓ ↓
もう、本来はGSGKだったとかそういうことは目を瞑るとして、さらっと実況(の前野智昭さん)の声で、SGGK、スーパーグレートゴールキーパー若林源三!!と言われてました。
もう、昭和から令和の現在までSGGKといえば若林源三でしょうから、今さらくどくどとこのワードを説明する必要がないということですね。
ちなみに、バンダイのキャプテン翼ゲーム・RISE OF NEW CHANPIONS(通称RONC)が2020年に発売された頃に、おそらくキャプテン翼をよく知らないゲーマーさんが
「 若林のゴールディフェンスがたいしたことない、どこかSGGKとやらなのかまったくわからない 」
とSNS上でコメントしていたことがあります。
サッカーゲームでは点を取れなければ面白くありませんので、どうしてもキーパーは怪我をしていなくても弱体化させられてしまいますよね。
ある程度は育成?すれば防御力も上がる?のかもしれませんが、若林くんが無双する試合展開というのはゲームの造りとして不可なのでしょう。わたしがキャプテン翼の関するゲームを一切やらない大きな理由のひとつは、ここにあります、別に若林くんが失点するのをあえて見たいと思いませんもの。
☆そしてカルツの「ぜよ」と「どっこい!」
カルツの台詞の末尾といえば、
「 ぜよ 」
そして、アニメのカルツ(cv三宅健太さん)
とにかく、その「ぜよ」の言い方のクセが凄い…!
三瓶由布子さん(翼君のcv)が、こんなことを仰ってました。
……わかるわかる!!
この記事に書かれていることが、アニメを見るともの凄~~くよくわかります!!
若林くんとシュナイダー以外のハンブルクメンバー全員が「ぜよ!」と言いだしても何ら違和感のないくらい、「ぜよ」のインスパイアが半端ないんだぜよ……!!
三宅健太さんのカルツ、素晴らしいぜよ……!!
走るダンプカー・次藤君(cv平川大輔さん←そもそも平川大輔さんが次藤君だというギャップが凄いのですが)の台詞の末尾・「 タイ 」もついつい使いたくなる言いまわしですが、ジュニアユース編ではこのカルツの「 ぜよ 」の強烈さに軍配が上がりそうです。
そして、原作でのこのシーン ↓ ↓ ↓
さすがに、楊枝の音を流すさせるわけにはいかず、その代わりにアニメでは
「どっこい!」
という掛け声でパスカット。
えいや!とか、うりゃあ!でもなく、
どっこい!で来るとは…!!
ここでの言葉選びのセンスは完璧だと衝撃的でした。
これからも超楽しみにしてるぜよ、
カルツ!!
というわけで、アニメ第2話の気になるシーンの総括を終わりといたします。
これ以外にも、若林くんと日向君との再会シーンの会話がイマイチなど脚本で気にかかる部分はありましたが、原作でははっきり描かれていない、日向君が手をはたいた直後の若林くんのめちゃくちゃかっこいい表情や、逆に原作を忠実に丁寧に再現したような様々なカットがありまして、力を入れて制作してくださってることが伝わってまいりました………。
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最後までお付き合いくださり、
本当にありがとうございました。
よかったら また遊びにきてください!
…気になって最後まで見ていただけたら私は充分です……ありがとう(*^^*)💙💚💜