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「赤と赤」幻想日記

「赤は女の色だ」
そう主張する老人をスターリン肖像画とソビエト国旗が壁一面にあしらわれた四畳半に閉じ込めてはや3日、中から女の高笑いが。
慌てて扉を開けると長身の女性の後ろ姿。こちらを振り向くやいなや「赤は200色あんねん」と言い放ち真っ赤なピンヒールでこちらの顔面を刺突。
「あんさんはどんな赤を見してくれんのや?」と執拗に顔面を狙ってくる。泣いて懇願するも止めてくれない。刺突しながら「こちらの優雅なシルエットのピンヒール、ピンヒールは痛い、という常識を打ち破り素肌に吸い付くような履き心地を実現しております。気合いを入れてオシャレしたい時はもちろん、お堅いビジネスの場面でも活躍間違いなし」等々流れるように喋る。

「カラバリは赤から赤の200色展開、今なら3割引きでなんと10万円!全色お買い上げ頂けますか?」「え、なんで、グフッ」「頂けますね?」

「買います…」


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