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制作ノート(番外編)お姫様の小箱2

このお話は、小箱を作っている過程で、勝手に脳内で生まれたお話です。

恋に破れて、人魚姫のように美しく人生の幕引きをしようと決めたものの
そう簡単にはいかなかった。

海の水の冷たさにすぐに上がってしまった根性無しの体はぐしょ濡れで、顔は涙と鼻水で汚れている。海に入る前に飲んだお酒のアルコールが、今頃効いてきた。

ふいに、大きくて厚いタオルにくるまれた。
「立てる?私の家、すぐそばだから行こう。」

女の人。私よりずっと年上。(つづく)