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制作ノート(番外編)お姫様の小箱3

このお話は、小箱の制作過程で、勝手に脳内で生まれたお話です。

恋に破れて、人魚姫のように綺麗に人生にピリオドを打つはずが、みじめで滑稽な私の人生はまだ続いていた。

浜に自分で小屋を建てて暮らしている日花里さん。私は日花里さんに助けてもらい居候の身となった。日花里さんは年齢不詳だ。笑った時にできる皺が、実年齢は若くないことを物語っている。黒く日焼けして、肌はつやつやしていて、目はキラキラ輝いていた。三つ編み。体はよく鍛えたアスリートみたいだ。

日花里さんの家で、私は保護された野良犬みたいに過ごした。日花里さんは
とても料理上手だった。私は(人生に絶望)しているのに、日花里さんが作ってくれる料理が楽しみだった。

「どんなに悲しいことがあっても、ごはんが食べられれば大丈夫。」

そう言って、日花里さんは笑った。・・・・。(つづく)