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個人的胸クソ映画ナンバーワン/『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』

 世界の名だたる変態監督(褒めてます)によって、一大ジャンルとなりつつある「胸クソ映画」。
 例えばミヒャエル・ハネケ監督の『ファニーゲーム』。

 この映画を一言で表すならただただ「理不尽」。
 そんな映画なのに監督によりセルフリメイクもされちゃった。

 あとはマツコ・デラックスさんがよく紹介する『ダンサー・イン・ザ・ダーク』。

 この映画に至っては監督のラース・フォン・トリアーがビョークにセクハラを受けたと公表されてしまうという二次被害さえ。
(いくら作品が良くともこの手の監督は"ナシ"というのが自分の意見。二度と観ません。)

 などなど胸糞映画を取り上げたら切りが無いのですが、個人的にはどの作品もあまり胸くそではなかったりします。(もちろん気分が良くなる映画ではありませんが)

 なぜならどれもフィクションだから。現実社会のほうがよっぽどムナクソなもんで。

 ところがそんな自分が途中で映画館を出たくなった作品が先日公開になった『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』です。


予告編

 このローマ教皇いま見ても腹立つ。

原題は"Rapito"

 原題/英題は"Rapito"/"Kidnapped"で、どちらも「誘拐された」という意味です。

 「本作で取り上げられている問題をどう捉えるべきか」ということをこのタイトルで表していると思うので、邦題はもうちょっと頑張って欲しかったですね…。

 邦題の「エドガルド・モルターラ」は実在の人物で、ユダヤ人家庭に生まれたユダヤ人ですが、ある出来事をきっかけにその人生のほとんどをキリスト教(のカトリック)に捧げ、司祭としてその生涯を終えることになります。

ユダヤ人とユダヤ教

 「ユダヤ人」と聞いてもほとんど日本人は正直ピンと来ないと思います。「ユダヤ」と名のついた国がありませんからね。
 まぁこのことがパレスチナ問題に直結しているとも言えるのですが…。

 そんな馴染のないユダヤ人、身体的特徴として「大きな鼻」ということがよく言われはするのですが、実際どうでしょうか。

 世界で一番良く知られているのは、スティーブン・スピルバーグでしょうか。

 ただね、「デューン」のシャラメたんもユダヤ人だし、

 『ホテル・ルワンダ』でアカデミー賞にノミネートされたソフィー・オコネドーもユダヤ人。

 同じ人種とはちょっと思えないですよね。

 個人的に思うのは、ユダヤ人とは「ユダヤ教を信仰しているかどうか」というのが一番わかりやすいのではないかな、と思います。
 というのもユダヤ教って、教徒になるのがほどほどにハードルが高い宗教であるからです。(ラビと呼ばれる指導者の方針にはかなり左右されるとは思いますが)

 その点が一番よくわかる教材は意外かもしれませんが、『SEX AND THE CITY』のシーズン6だったりします。

 このことを理解すると、ユダヤ教の信仰というものが、ユダヤ人にとって重要なことであることがよくわかると思います。
 この点がこの作品でも大事なポイント。

カトリックの現実

 この作品は1800年代の話なのですが、現代のカトリックについてを知っておくとより理解が深まると思います。

 例えば『スポットライト 世紀のスクープ』。

 この事件については日本で報道されていたにも関わらず、全く知らなかった自分が恥ずかしくなりましたね。しかもこの問題解決してない。

 そしてこの後日談のような『2人のローマ教皇』。

 Netflixはこの手の映画館なら儲からなそうな作品をちゃんと作ってくれるのが素晴らしいと思います。

本日のドレス:アメリカ・フェレーラ

 マーゴット・ロビーは黒いドレスだったけど、アメリカ・フェレーラはちゃんとピンクを着たのはファンサービスで良かったのだけれどデザインが…。頑張ってダイエットしましたね…。

 ブランドはアトリエ・ヴェルサーチ(★☆☆)

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