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立体感は、盛り足すばかりじゃない

前々から勘づいていたけれど、立体感は突き出したり、積み上げたりするばかりで表されるものでない。

盛り上がりとくぼみとの差で表される。凹凸の差。くぼみに気付くことが大事だと思う。
差が大きいと立体感が増す。少なければ平面的になる。

気付きの備忘録。忘れないと思うけど。凹凸の差で立体感の強弱をつける。0とプラスだけでなく、マイナスを作る。マイナスを意識する。

◇衣類のシワの表現
衣服のシワを作るのに、最初にシワのない状態で腕なり足なり作ってる。あとからシワを入れていく。
シワを作るのは苦手だ。なんとなく、こう寄るんだろうなって場所を、写真を見ながら付けていく。まず線を引いて、造形を足していく。

以前はシワがない状態で、形を作っていたので、後からシワの造形を足すと形が膨張してしまう。不自然なコブができてた。
全体のバランスが悪くなって、思うように作れなくて、盛り足しを繰り返すと、どんどん形が変わっていく。
せっかく作ったのだし手間が無駄になるからって、以前はこれでいいってことにしてた。

でも回数を繰り返すうちに、目が育ってきてバランスが悪いとこが気になってくる。これじゃ嫌だなって思うようになってくる。
盛ったら膨らむのだから、削ったところに盛ればいいと気付く。

◇髪の毛とか難しい。
髪の毛って難しい。頭にペタッとしてる髪は、水から上がったばかりのように見える。ふっくらさせようと作ると、カツラか、ターバンでも巻いたかの様になってしまう。

細くて細かくて、規則性はあるんだろうけど、糸の束のような物、ホウキの穂先のボサボサってどう作ればいいんだろう?。先人たちが作った仕上がりを参考に真似たり、ちょっと自分流にアレンジしたりして作っていく。

紙に線を引くように、粘土に細い筋をたくさん入れようとしても、粘土の性質で途中でヒビが入ってくる。そもそも、粘土の表面に鉛筆で線を引くかのように線を引くのが難しい。

人物造形の本で、髪は太い束が連なるようなイメージで作られてるのを見る。束と束の隙間で髪の流れや立体感、柔らかさが表現されてるように見える。
髪の毛を立体差を付けて作ってると、面白くてやってる感があるけど、できあがってみると、かぶり物をしてる風にも見える。何回か前に作った人形の頭とか、とてもそう感じる。

写真も見るけど、実際街で観察することもある。写真だとみたい角度が見れないことがある。
街を歩いたり、電車に乗ってるときに観察してても、一定数は、頭の形に沿ってピタッとした髪型の人が居る。作例のように段差のある髪の束の人もいるが少数だ。
観察すると、高低差とかほとんどない。とてもわずか。そのわずかを作るのが難しい。
髪のうねりやボリューム感のありなしの難しさに通ずる。

造形の本を改めて読み返すと、「意識をもつことが大事」という記述が多用されてる。そんな曖昧なとも思うけど、やってて段々コツがつかめてくると、そうそう、まさにそれ!って思う。
意識をもって自分で考え自分で気付いていく課程が、上達の階段を昇って行ってるような気がする。

◇顔
顔を作るのも難しい。顔を作ってても、ほんのちょっとした膨らみや凹みで印象が変わる。
やっぱりふっくらさせたくて粘土を盛ると、風船みたいな顔になりがちで、ほほとか顎のラインとかがまだまだ難しい。

完成の顔の大きさはある程度決まっていて、体全体のバランスを取ると、大きくても小さくてもおかしい。決まった大きさの中で作るのに、足しすぎてはダメだから、微量の足しを繰り返しながら、加減を探る。
顔は正面からだけでなく、横から見ても形が破綻しないように作りたい。角度を変えると凹凸がいっぱいあることに気付く。

最初に卵形を玉を作って足してく。その中でいったん足してはほじったり、足しなおしたりを繰り返す。限られた中でのやりくりを繰り返すうちに、へこんでるからでっぱりが目立つ。出っ張りがあると凹みが強調されるってことに気付いてくる。

凹みを意識できると、足すばかりではなく引くことで膨らみが出せるような気になってくる。
バランス、足し加減、引き加減。を考える。


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