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経営企画課長がプロコーチ養成スクールで学んだこと①〜基礎理論編

『共同体感覚』の位置づけ

私が仲間のキャリアをサポートするために学びたい・習得したいと思ったコーチングの目指すところとは、A・アドラーの提唱した
「自分が好き(自己受容感)」
「人が信頼できる」
「自分は貢献できる」
の幸福3条件によって満たされる『共同体感覚』を、
最小単位の1to1の関わりから満たし、高め、その周囲、組織、地域、全世界と拡大し得るものであり、共同体と認識されるものすべてが、「幸福3条件」を感じることができていることなのかと考える。
 さらにはその『共同体感覚』が、個人の中で支配する・される関係や、我慢する・説得して押し付けるというものでもなく、
「人生の物語の主人公」として、連続して起こる出来事や課題に対し、「やれる!やりたい!」という積極的かつ自由意思決定性を持って、
個人の価値観や、本当はどうしたいという「目的」に沿って、自分の内外にある多くのリソースの存在に気づき、そこから選択可能なリソースフルな状況を実現する為に、コーチが仲間を勇気づけし、包み込んで、尊重し、刺激し、「目的」に近づく行動を促し、支援していく。コーチングはこの『共同体感覚』つまりは幸福3 条件の感覚を高め、その貢献対象が広がることを目指していると考えた。

コーチングの理論

コーチングの目指す「共同体感覚」を高めていくことを実現しようとする理論が、
アドラーの教えにある
「創造的自己(人生の主人公)」
「全体論」
「目的論」
「認知論」
「対人関係論」
として構成されるものであり、
それらは理論的要素として切り離されることなく『共同体感覚』に、影響しあっている。

「自分が好き」
「協力できる」
「私は貢献できる」

という解釈(認知)を持ってもらい、行動つまりは仮説検証のサイクルを回すことにより、
自分の本当の目的へとゆるやかにでも近づいていくことを、この「共同体感覚を高める」という思想・信念をもって支援する・関わることが『コーチング』と考える。


【 創造的自己 】
「人生の主人公」としてとらえられる概念であるが、これはその個人が過去のプロセスでやってきたことは、やってきたそれだけで素晴らしく、ここにいるその存在自体に価値があり、またこれから過去の体験に縛られることなく、制限のない無限の可能性を秘めた自分の人生を、自身で主体的に積極的に選択し得る存在である。
 後述する「目的論」と併せれば過去の悪かった体験でさえも、未来成功している自分から見返してみれば、その経験に対し、失敗しないための知識として活用できうるものになるかもしれない。
 自己の存在を認め、赦し、労い、癒すことができ、肯定感・作用感を強く感じられる状態と考えた。

【認知論】
「認知」つまりは、ものごとの捉え方、意味づけのことであるが、意味づけが起こるのは、出来事に対し感情・価値観が影響している。
生きていくには辛い捉え方、価値観があると、動けなかったり、行動化できない。
 そのようなときには、認知行動療法と同じく、出来事や体験への意味づけ・捉え方を変えていくことで認知(解釈)が変わり、「やれる・やりたい」というその人が望む「目的」に沿って生きやすい思考に切り替えていく、刺激を与えていくこともコーチングの特徴の一つであると考える。

【 目的論 】
 コーチングにおいて、目的(ゴール・価値)が一番優先されるというのは、やはりゴールである行先(目的)が判らないと、現状ここからどこに行ったらいいかわからないし、わからない状態で行動する意味や価値が有るということは難しい。

「○○に行きたい」という目的地がはっきりあるからこそ、
どのルートで、
どの方法で行けるか、行きたいか
という主体的な選択ができうるのである。

 この「目的」という基準軸があるからこそ、捉え方の基準とすることができ、軸に沿って他人と協力できたり、軸として仮説検証のサイクルをまわすことが可能になると考えたので、 他の構成理論との関係性を図1で表してみた。

【 全体論 】
 自分と対立、批判、邪魔をする他者でも、その本音を解ろうと無意識(氷山の下層部)へ想いを深堀りすると見つかるという思い込みを持っていると、協力しあえる想いやエリア(共有ゾーン)が見つかる。
「共同体感覚」を高めるという「目的」に沿った「認知」が有るからこそ、深堀りすることが出来るのである。
 さらにそれは、自分の中にあるアクセルとブレーキのような相反する葛藤にも適用可能である。
 両方存在する意義・価値があることを認め合い、お互いの目的に沿って協力し合えると自分の中で葛藤が統合されリソースフルな状態になり、目的に向かっていくことが出来得るのである。
 やはりここでも「目的」がポイントになってくる。目的に対して共有ゾーンが見つかると、
自分も相手もハッピーになれる。
自分も協力活用できる、
相手も協力活用の力になる
という
「幸福の 3 条件」に影響も感じられる部分で
もある。
この全体論と目的論の組み合わせは、組織内でのファシリテーション、ネゴシエーション、まるめこむということにも、私の経験上において大きく影響を与えている。

【 仮説検証とまとめ 】
 般若心経にも説かれている世の中に決まりきったこと、変化しないものはない。
 ものごとはすべて変化して良いし、変化するものである。

 一人の人生で世の中の全てを経験するなど出来うるはずもなく、情報・素材のない状態で、最初から完璧な正解を探すのは、至極の業である。

偉人達も失敗や間違いとは捉えない。
うまくいかなかったことを、成功のためのリソースとして捉えている。

「過去から学び今日のために生きて、
未来に希望を持つ」(A・アインシュタイン)

 このように、行動してその結果を観察・俯瞰
してみて気づいたこと、学んだことを次に活かす。

 自分の本当の目的にいち早く気づき、生きやすい認知に変えていくことが目的を実現するには効果的なのである。
 つまりは、行動して体験をして、感情を味
わい、自分の価値観に沿ったものなのかを確かめるために、この仮説検証を繰り返していきながら人生を歩き続けること。
 いま見えている部分だけではなく、時間軸・空間軸の見えていない部分にもコーチが視
野・意識を切り開いていくような刺激をクライエントに与え、目的に沿った行動として仮説検証を続けてしていくこと。
 仲間が自身の夢・目的を実現できる唯一無二の存在として信じてコーチが関わり続けることが、仲間の
「自分が好き」
「人が信頼できる」
「私は貢献できる」

幸福の3 条件の実感値を高め、そこから行動する意欲をあふれさせ、夢の実現へと近づけることになるのだろう。

 最後に、このような想いを多くの人達と共有しながら、人と関われる自分としていられること、さらなる可能性を未来に感じられたことが、この上なく喜ばしく、自分自身勇気づけられることであった。【了】

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