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ようこそ、いらっしゃいませ。「かいのどうぶつえん」では動物たちはすべて放し飼いです。残…

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ようこそ、いらっしゃいませ。「かいのどうぶつえん」では動物たちはすべて放し飼いです。残念ながら餌は食べませんが、どうぞ自由に遊んでいってください。

最近の記事

「プロメテウス」

オリンポスの神々と人間のドラマ 第一話 かいのどうぶつえん 園長です。 今回は、ギリシャ神話のプロメテウス(Prometheus)と、園長の闘病記です。 天上の火を盗み、人間に与えたプロメテウス。 激怒したゼウスは罰として、コーカサスの岩山に磔にしました。 夕方になると大鷲が飛来し、肝臓を食いちぎりますが、翌朝には再生。 すると、ふたたび大鷲が襲いかかります。 容赦ない拷問の刑期は、3万年でした。 話はかわりますが、長年にわたる暴飲暴食の祟りで、園長は2005年12月

    • 『ごんぎつね』

      <新美南吉>シリーズ 第七巻 かいのどうぶつえん 園長です。 今なお、大切に読み継がれる児童文学作家、新美南吉(1913〜1943)の童話シリーズです。 第7回目は、教科書や絵本、アニメ映画や演劇などで広く親しまれてきた 名作童話『ごんぎつね』です。 山の森に「ごん」という名前の小狐が住んでいました。親も兄弟もいないひとりぼっちで、いたずら好き。ある日、村人の兵十が、川で捕まえた魚やウナギをコッソリ逃しました。 実は、病気の母親に食べさせるための大切な食料だったのです。

      • 『おじいさんのランプ』

        <新美南吉>シリーズ 第六巻 かいのどうぶつえん 園長です。 今なお、大切に読み継がれる児童文学作家、新美南吉(1913〜1943)の童話シリーズです。 第6回目は、ランプ販売で繁盛した 孤児の物語、『おじいさんのランプ』です。 日露戦争(1904−5)の頃の話です。 山奥の村に巳之助という名の孤児がいました。十三歳で、子守りや使い走りなどなんでも引き受けて、一所懸命に働いていました。 ある時、人力車を引く仕事で町に出て、花のように明るいランプを見てびっくり仰天。ラン

        • 『手袋を買いに』

          <新美南吉>シリーズ 第五巻 かいのどうぶつえん 園長です。 今なお、大切に読み継がれる児童文学作家、新美南吉(1913〜1943)の童話シリーズです。 第5回目は、雪の夜に町に出かけた狐親子の物語、『手袋を買いに』です。 寒い冬がやってきて、小狐が生まれて初めて雪の野原で遊びました。 冷え切った手を暖めてやりながら、母狐は毛糸の手袋を買ってあげようと決めました。 夜になって洞窟を出て、町の灯りを見たとたん、母狐は足がすくんでしまいました。以前、人間にひどい目にあっ

        「プロメテウス」

          『でんでんむしのかなしみ』

          <新美南吉>シリーズ 第四巻 かいのどうぶつえん 園長です。 今なお、大切に読み継がれる児童文学作家、新美南吉(1913〜1943)の童話シリーズです。 第4回目は、世界に紹介された『でんでんむしのかなしみ』です。 ある日のこと。一匹の“でんでんむし”が自分の殻の中に“悲しみ”がいっぱい詰まっていることに気付きました。 もう生きていけないと嘆き、友達にうちあけると「僕の殻も悲しみでいっぱいだ!」と言われてしまいました。 そうして次から次へと友達を訪ね、誰に聞いても同

          『でんでんむしのかなしみ』

          『あめ玉』

          <新美南吉>シリーズ 第三巻 かいのどうぶつえん 園長です。 今なお、大切に読み継がれる児童文学作家、新美南吉(1913〜1943)の童話シリーズです。 第3回目は、教科書で長く広く親しまれてきた、なつかしい童話『あめ玉』です。 だいぶ前のことですが、子供が宿題の『あめ玉』を音読している声を聞いてすぐ、新作のテーマに決めました。 理由は単純で、渡し船にぴったりな形状のマガキの殻を、いくつか保管していたからです。 配役も、母親と二人の子供はシロウサギ、黒髭の侍はサル、

          『あめ玉』

          『貝 殻』

          <新美南吉>シリーズ 第二巻 かいのどうぶつえん 園長です。 今なお、大切に読み継がれる児童文学作家、新美南吉(1913〜1943)の童話シリーズです。 第2回目は、新美南吉の詩、『貝 殻』です。    かなしきときは 貝殻鳴らそ。 二つ合わせて息吹きをこめて。   静かに鳴らそ、貝がらを。   誰もその音を きかずとも、 風にかなしく消ゆるとも、   せめてじぶんを あたためん。 静かに鳴らそ貝殻を。 19歳で『赤い鳥』に『ごん狐』が掲載され、北原白秋や、兄弟子

          『貝 殻』

          『牛をつないだ椿の木』

          <新美南吉>シリーズ 第一巻 かいのどうぶつえん 園長です。 今なお、大切に読み継がれる児童文学作家、新美南吉(1913〜1943)の童話シリーズです。 第1回目は、新美南吉の最晩年の作品、『牛をつないだ椿の木』です。 初夏の山道をたどる牛曳きの利助と、人力車曳きの海蔵は、あまりの暑さで喉が渇きました。 道端の椿の若木に牛をつなぎ、いつものように100mほど急坂を登り、山中にわけいって、冷たい湧き水をゴクゴク。 「泉がもっと近かったら楽なのに」と話しながら坂を降る

          『牛をつないだ椿の木』

          「頼みの綱は想像力」 

          <舞台裏>シリーズ No.20 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。 このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第20回目は「頼みの綱は想像力」です。 擬人化した動物を主人公に、教訓や風刺をたっぷり織りこんだイソップ寓話は、「かいのどうぶつえん」にとって、ぴったりなテーマです。 これまで数多くの場面を制作してきましたが、『オオカミ少年』もそ

          「頼みの綱は想像力」 

          「生みの親も、育ての親も」 

          <舞台裏>シリーズ No.19 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。 このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第19回目は「生みの親も、育ての親も」です。 多くの人に惜しまれ別れを悲しまれながら、人気者のシャンシャンが中国に返還されたのは2023年2月のこと。 四川省の「中国ジャイアントパンダ保護研究センター」での生活に慣れない!との噂に、

          「生みの親も、育ての親も」 

          「やんばるの森の仲間たち」

          <舞台裏>シリーズ No.18 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。 このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第18回目は「やんばるの森の仲間たち」です。 2021 年4月のこと。沖縄本島北部でオオムカデの新種が発見されました。 翡翠色に輝く巨大ムカデは、体長約20cm、体幅約2cm(大人の親指くらいの太さ)で国内最大。日本初、世界で3例目

          「やんばるの森の仲間たち」

          「蓼食う虫も好き好き」

          <舞台裏>シリーズ No.17 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。 このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第17回目は「蓼食う虫も好き好き」 です。 古書の街・神田の古本市で、フランスの昆虫学者ファーブルの名作『昆虫記』(1878年 第1巻発行)を購入したのは、ずいぶん昔のこと。大学生時代でした。 麻紐で十文字にくくられた全20分冊の

          「蓼食う虫も好き好き」

          「母なる海へ」

          <舞台裏>シリーズ No.16 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。 このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第16回目は「母なる海へ」 です。 ジンベイザメに会いたい!イルカと泳ぎたい!など、ダイバーはそれぞれの目的を胸に、世界の海で潜ります。 そんな遠出をしなくても、国内の浅い海で楽しめるのは”ハッチアウト”です。 ダイバー用語のひと

          「母なる海へ」

          「負けてたまるか」

          <舞台裏>シリーズ No.15 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。 このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第15回目は「負けてたまるか」 です。 ここでは、園長の“ど根性”をご紹介します。 新型コロナウイルスの発生から3年余。日本では2023年5月より、感染法上の分類を季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることになりました。 た

          「負けてたまるか」

          「絲綢之路」

          <舞台裏>シリーズ No.14 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。 このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第14回目は「絲綢之路」です。 古い話ですが、1980(昭和55)年4月にスタートしたNHK特集「シルクロード -絲綢之路-」を毎月見て、素直に感動したことを思い出します。 悠久の時を奏でるテーマ曲(作曲:喜多郎)で始まる第1部

          「絲綢之路」

          「面目躍如」

          <舞台裏>シリーズ No.13 かいのどうぶつえん 園長です。 貝の動物の制作現場では、毎日さまざまなエピソードが生まれています。 このシリーズでは、舞台裏の失敗談や内緒話、奇想天外な空想や徹底した“こだわり”などをチョイスしてみました。 第13回目は「面目躍如」です。 園長の、常識破りなチャレンジをご覧ください。 高知県の友人から届いた小包には、ビニール袋で2重に包んだ活貝が入っていて、封を切るとかすかに匂いました。 宿毛市沖の島の断崖絶壁を、ロープで下った荒磯で

          「面目躍如」