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【循環器内科ローテ前必読!】初期研修医が知っておくべき基礎知識とオススメ本

■はじめに

「来週から循環器内科かぁ…緊急あるし、怖いなぁ」
 循環器内科志望であればまだしも、命に関わる状況で患者対応にあたることも少なくない循環器内科のローテは、多くの研修医の方にとって、緊張と不安を伴うかもしれません。

 しかし、ここで充実した研修を積んで最低限のスキルをつければ、今後どの科にいってもそのスキルは役立ちます。
 1分1秒を争う循環器疾患について、なにか起きたときに、他院へ搬送する、あるいは循環器内科医が到着するまでの間の対応ができるようになっておくことは、今後の医師人生においても自信になると思います。

 とはいえまず何から手をつければよいのか、迷いますよね。この記事では、循環器ローテをより身になる研修にするための助けになる前提知識や、使いやすい本などを紹介していきます!
 皆さんの循環器ローテが、楽しく充実したものになることをお祈りしています。

■これを事前に押さえておくとローテーション・コンサルトが楽になる、循環器内科の常識

 何よりもまずお伝えしたいのは、「循環器救急は1分1秒を争う」ということです。例えば急性心筋梗塞では、発症から再灌流(閉塞していた冠動脈を開通させ心筋への血流を再開させる)までの時間は長期予後に関わりますし*、心室細動による心停止においては、除細動までの時間が1分長くなるごとに救命率が7 ~ 10 %も低下します**。

 もう少し自分で考えてから、調べてから、あるいは検査結果がでてから上級医に報告しよう、と思って対応し、手遅れになることは避けましょう。勿論、自分で考えたり調べたりすることは大事ですが、緊急時はまずは上級医に声をかけましょう。

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