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夏はすぐそこ

子供の頃、兄弟と近所の友達で野球するのが楽しかった。

夏休みには、テニス部員の来ていないテニスコートに入り込んで野球をやった。

近所のおじいさんが、野球好きだったのか子供好きだったのかはわからないがスイカなんかを差し入れてくれた。
レベルに合わせた良いプレーをするとそれをもらえるルールで楽しんだ。

自分は昔から気楽に楽しめず不器用なタイプで、先を考えると体がスムーズに動かなくなる。考えれば考えるほど実力が出せなくなる。
それでも、まわりが平和に楽しもうとする環境だったのでなんだかんだルールを緩和して全員平等にもらった。

みんなとの野球は楽しかった。

でも、

自宅の横で遊ぶ壁当てが好きだった。

自宅の横の細い路地で前の家の塀に軟球を当てて試合をイメージしながらひとりで遊ぶ。

頭の中で、

「ノーアウト満塁、第一球を投げた!!」

投げた先のブロック塀のブロックを積んだ下の土台の質感の違う壁の段差の角に当たっての予想外の弾み方に即座に反応して自宅の塀のぎりぎりで捕球した時が特段に好きだった。


少しづつ気温が上がってくるにつれて、そんな思い出が懐かしく戻ってくる。

もう少しで好きな夏がやってくる。

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夏の思い出

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