見出し画像

常に空を追い求めていた人生。航空業界での大きな責任とやりがいのある仕事への想い。~#スタッフストーリーズ #11~

こんにちは。ZIPAIR note編集部です。

「スタッフストーリーズ」連載第11回は、北海道エアシステム(HAC)からZIPAIRへとやって来た大槻さんのエピソード。

“常に空を追い求めていた”人生を振り返りながら、仕事への想いを語ります。

***

ZIPAIR noteをご覧の皆さん、イランカラプテ(アイヌ語でこんにちは)。
Flight Operation Support Teamの大槻誠です。

ZIPAIRには2020年5月に北の大地にある北海道エアシステム(以下HAC)から出向してまいりました。
HACでは、運航管理者の審査を実施する査察運航管理者、運航管理者教官をメインにしつつ、運航基準、運航技術を担っていました。

ZIPAIRでは、運航乗務員の訓練審査に関する規定類や訓練計画などの策定や運航の安全推進業務を担いつつ、運航基準と運航技術のサポートを行っています。
もう少し具体的に紹介すると、運航乗務員は一定の知識と技量を維持するために訓練を行う他、定期的に審査を受けることを義務付けられています。
私の仕事は、運航乗務員の訓練や審査に係る規定などの策定を行い、策定した規定に基づいて適切に訓練審査が実施できているかを管理することです。

つまり皆さんは、私が策定した訓練審査基準で訓練を受け、審査に合格した運航乗務員が運航する飛行機にご搭乗いただいているということになりますね。

***

私の今までの出来事を振り返ってみると、常に空を追い求めていた人生でした。

幼少の頃から空が大好きだったようで、幼稚園の頃の将来の夢はなんと「カラスになりたい」だったそうです(笑)。
私は全く記憶にありませんが、両親からは何かあるたびに言われてきました。
自由に空を飛ぶ姿を見て、きっと空へ強い憧れを抱いていたのでしょうね。

数年前、とある山の頂上で撮影しました。よく見ると中央にカラスが飛んでいます。

小学生の時には「航空整備士になる」ことが夢となり、学生時代はひたすらこの夢を追い求めました。

特に高校進学時、父親を説得し、条件付きながらも私立高校の航空工学科に進学できたことは、その後の人生を歩む上で一番大きな出来事だったと思います。
15歳で親元を離れ3年間の寮生活を送りつつ、航空工学や整備などに関する勉学に励んだことは、今の仕事をしていく上での土台となっています。
高校卒業後は航空生産を専攻するために進学し、生産工学や性能などを学んでいました。
しかし、就職活動の時にバブルが崩壊。残念ながら航空整備士になることは叶わぬ夢となり、悔し泣きをしたことを今でもよく覚えています。

写真右が私(大槻)です。左は友人です。

それでも飛行機のそばで仕事をすることを諦めきれず、グランドハンドリングの会社に就職し、マーシャリングなどの仕事に従事していました。
その後、いくつか転職を経て2006年に出向元のHACに入社しました。

HACへ入社後は運航管理者としての道を歩むことになります。
運航管理者はお客さまはもちろんのこと、運航乗務員、客室乗務員の「命を預かる仕事」です。そこには大型機も小型機も関係なく、一人の命の重さがあります。
北海道の厳しい冬のオペレーションは精神的な負担も大きく、1日の業務を終えると疲れがどっと出てきました。それでも事故などが起きず運航を終え、乗務員と顔を合わせると「今日も無事に終わった」とホッとでき、非常にやりがいのある仕事でした。

***

その後2011年にHACはJALグループから離脱しました。
この時、飛行計画、航空情報、気象やフライトインフォメーションなどの各システムを半年間で構築する必要があり、運航を止めないためにも全身全霊をかけて構築したことを覚えています。

構築するシステムの中で、航空局との回線(CADIN)は、HACという小さなエアラインが開発することは前例のないケースでした。開発ベンダーと一緒に航空局のシステム開発評価・危機管理センター(SDECC)にシステムを持ち込んで連接テストを行い、実用化に至りました。
この経験は、エアラインのシステムは自分たちで構築できるんだと感じられる大変大きな出来事となりました。

2015年にHACはJALグループに復帰し、開発したシステムは全て運用を終了することになりましたが、CADINは複数のエアラインが使用するシステムとなり、その礎となるシステムを開発できて良かったと思います。

これまでの経験を通じて感じたことは、視野を広く持ち続け、広げていく大切さです。
広い視野を持ち続けることは大変ですが「持ち続けることを意識していくこと」で、新しいアイデアの発想や困難な状況を打破するための策を考えることに役立っていると思います。
今後も新しいことに挑戦して視野を広げていきたいと考えています。

私のような間接業務に携わる者はお客さまとお目にかかる機会はほとんどありませんが、運航乗務員や客室乗務員が安心してフライトができる環境を作り、お客さまに安心してご搭乗いただけるエアラインになるよう貢献してまいります。



この記事が参加している募集

仕事について話そう