見出し画像

【判断と決断】



 4月は保健関係の検診がたくさんありました。
 交通安全教室も、避難訓練も、検診も健康や安全にか関わることです。
 子どもたちが意欲をもって学ぶことも、豊かな人間関係を築くことも、全ての土台は健康や安全です。
 アメリカの心理学者であるマズローの「欲求5段階説」から見ても、土台となるのは「生理的欲求(食べる・寝るなどの健康)」「安全欲求(安心安全な環境があること)」となっています。
 健康でいられる。そして安心安全な場所がある。その上で、社会貢献の意欲が湧き、認められたい思いが芽生える。そして最後に自己実現という自分らしい生き方を歩むエネルギーをもつことができる。
 
 そう考えると、4月に検診があり、交通安全教室があり、避難訓練があることは必然です。

 それらの活動には、健康や安全を保証するというねらいとは別で、学級がより良く成長するための裏のねらいがあると思っています。
 
 それは、「自分たちでできる感覚をもつこと」です。

 この4月の検診や行事を通して「挨拶をする」「整列する」「話をやめて静かに待つ」などの基本的な行動において「自分たちでできるぞ!」という感覚を手にしてほしいと考えていました。

 

 特に、保健関係の検診は、眼科、内科、歯科、、、と連続的に行われたため、毎度「具体目標を立て、確認し、やってみて、振り返り、次にいかす」ということを繰り返しました。

 「かっこいい姿とは?」「自分も相手も大切にする姿とは?」「その先を目指す姿とは?」など問いかけ、

 ○あいさつ
 ○静かにすばやく
  
 という目標を立てます。さらに「あいさつ」はどんな届け方をするのか、「静か」とはどんな状態であるかなどを確認し、全員が同じ土俵に立った上で、出発します。
  
 そして、振り返ります。
 立てた目標はどれだけ達成することができたのか、またその要因はどこにあったのか。
 
 このようなやりとりを数日間繰り返して、学級としてさらに磨けるポイントが見えてきました。
 それは「判断」と「決断」です。

 「判」は「判る(わかる)」という意味。「断」は「断つ(やめる)」という意味。 
 つまり「判断」とは、「断つ(やめる)ことが判る(わかる)」ということ。
 「今は検診中だから話し声が大きいと、検診のさまたげになってしまう。だから友達と話したいけれど、今はやめよう。」と、やめどきがわかることが「判断」。

 そして「決」は文字通り「決める(けめる)」という意味。 
 つまり、「決断」とは「断つ(やめる)ことを決める」ということ。
 「昨日の検診では、少し友達と話してしまって、検診しずらかったかもしれないな。今日は、絶対に話すことをやめるぞ。そう決めたんだ!」と、やめると決めることが「決断」。

 まだまだ、やめどきがわからない部分も見られます。
 まだまだ、やめると決めきれない部分も見られます。
 それは検診に限らず、タブレット端末においても、活動と活動の切り替えにおいても。

 人間らしくて、かわいい部分ではありますが、よりよい判断力や決断力を身につけることは、これからの大きな武器となります。
 
 もうその武器を手にし始めている仲間がいます。
 
 そういった芽吹きを大切にし、教室にたくさん紹介していきます。そして、学級集団全体に広がっていけばと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?