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#22 怖がっているのは、『あなたのためを思って』いる、あなたです

(1418字・この記事を読む所要時間:約4分 ※1分あたり400字で計算)

 韓国語を勉強し始めた頃、

 「それより英語の勉強したら?」
 「何に使うの?」
 「どうせ続かないでしょ」

と言われた。


 筋トレを始めた頃、

 「なんで女性が筋トレするの?」
 「筋肉がついて腕が大きくなったらダサいじゃん」
 「ムキムキの女は好まん」

と言われた。


 髪型を変えたいと言ったら、

 「合うかどうかも分からないのに、後悔するよ」
 「やめた方が良いんじゃない?」
 「今のままで十分じゃん」

と言われた。


 自分だけの本を出版する夢について語ったら、

 「そんなの出来るのは一握りの人間だけ」
 「余程優秀じゃないと無理」
 「そんなことしてどうするの?」

と言われた。


 何かの趣味を始めると、「時間の無駄だよ、もっと有意義なことをしたら」と言われた。
 一人暮らしするんだと伝えたら、「お金かかるし不安定だし、やめたら」と言われた。

 私のマイノリティ属性は、「誰にも言わないでね、絶対毛嫌いされるから」と口止めされていた。
 誰かと仲良くなると、「あまり真心で人に接すると損するよ」と注意された。


 そして、皆口を揃えてこう言った。

 『あなたのためを思って』


 結局、私は韓国語勉強を続けた。
 毎日毎日コツコツと教科書と向き合った。
 7年後、資格を取った。韓国語スピーチ大会でアドバンスレベルを制覇した。

 当時の彼らは、いつの間にか何も言わなくなった。


 筋トレは5年間続けた。
 体力が付き、身体はシェイプアップされて丈夫になった。
 自信がついて、心も元気になった。

 当時の彼らは、いつの間にかダイエットのアドバイスを求めてくるようになった。


 思い切って髪型を変えた。
 新しい自分に出会ったようで、嬉しくて。
 もっと早くこの髪型にすれば良かったとさえ思った。

 当時の彼らは、ポツリと「へぇ、意外と似合うじゃん」と言った後、口を閉ざした。


 数年かけてカリカリ書いてきた原稿もようやく終盤。
 電子書籍になるが、本に変わりはない。
 いよいよ本の出版が、目の前にやってきた。

 さあ、当時の彼らは、今度はどんな反応をするのだろう。


 「時間の無駄」と言われた趣味で培ったスキルは仕事でも大きく役立った。
 一人暮らし生活は最高に楽しくて、自由自在で、独立心も強くなった。

 マイノリティ属性を打ち明けると、仲間達は暖かくそのままの私を受け入れてくれた。
 損することがあっても、めげずに真心で接していると、愛してくれる人がどんどん増えた。


 『あなたのためを思って』

 

 私は、無情にこの言葉に、「せっかくの好意」に背いてきたのに。
 なのに、幸せに、順調に生きている。


 『あなたのためを思って』は、結局誰の為を思っていたんだろう。

 そして実際は、「何を」思っていたのだろう。


 私が失敗するのが怖いから『あなたのためを思って』?

 私が傷つくのが怖いから『あなたのためを思って』?


 そんな!

 私は、失敗するのも傷つくのも怖くはないよ。


 失敗してみれば良いんだよ、賢くなるから。
 傷ついてみれば良いんだよ、強く優しくなるから。

 大抵のことは、大丈夫なんだよ。

 今まで踏んだり蹴ったり生きてきても、何一つ後悔なんてなかったよ


 失敗すること、傷つくことに慣れちゃえば、もっともっと大きなチャレンジが出来るんだよ。


 所謂「安泰なルート」で輪郭がぼやけ、自分を見失うより、
 覚悟を持って、壁にぶつかって、血だらけになる方がずっと良いんだよ


 怖がっているのは私じゃない。

 何も挑戦しようとしない、新しいことをやってみようともしない。
 コンフォートゾーンから抜けられない。

 そんな『あなたのためを思って』いる、あなた、です。

📚自分の生命力で、生きてみな


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