見出し画像

戦闘民族より強いチェチェン

チェチェンは遊牧民族であり北コーカサス地方に生活しています。13世紀の時モンゴル人が躍進し、三度の西征を経てコーカサス地方を掃討しました。モンゴル帝国崩壊後、四つの汗(ハン)国に分解され、中に東欧地方を統治していたのは金帳汗国(キプチャク・ハン)です。

モンゴル人統治下の民の生活は非常に厳しく、抵抗するため、民族と宗教の近い人々が一緒に生活するようになり、やがて一つの民族チェチェン民族が誕生しました。

民族誕生の目的は反抗なら、まずモンゴル人から独立しなければならない。当時の金帳汗国は頻繁に内乱が起き、下の公国達もほとんど独立状態でした。チェチェンも短い独立を獲得できました。しかし、実力の弱いチェチェン人はこのままでは長く生きられないことを悟り、16世紀オスマン帝国がコーカサス地方攻めた時に忠誠を誓い、イスラム教(スンニ派)に帰依しました。

しかし、その後チェチェン人はロシア人とまた揉めました。ロシアが躍進してからずっと西と南へ拡張してきました。ロシアの拡張理由は自分が東正教の保護者であり、教徒達が異教徒の侵略から守る義務があると主張しました。トルコ人の脅威で怯えていたギリシャ、ブルガリア、セルビアの兄弟達よ、もう心配する必要がない、君達の保護者がきましたと。ロシアはトルコを攻めながら、勢力範囲をバルカン地方まで伸びました。

一方、南方も同じ当時コーカサス地方のグルジア、アメニアはペルシア人と戦争膠着状態にあるため、保護者として守らないといけません。ロシアから南コーカサス地方に行くため、チェチェンを通らなければいけません。チェチェン人はもちろん拒否しました。仮道伐虢(かどうばつかく)でもされたらたまらないからです。(道を貸したらついでに自分達もやられる可能性がある)

話が通じないなら武力行使に移行したロシアは軍隊をチェチェンへ派遣しました。チェチェン人はオスマン帝国の支援の基ロシア軍とゲリラ戦を繰返し戦っていましたが、第5次露土戦争後オスマン帝国が敗北したため、コーカサス地方の主人もロシアに変わりました。しかし、チェチェン人はそのまま運命を受けれることなく、ロシア帝国と半世紀以上反抗戦争をしていました。1859年、チェチェンは完全にロシア帝国に征服されロシアの一部となりました。

1917年10月革命が勃発、混乱が続いたロシアを見てチェチェン人は再び革命を起こしましたが、今度は社会主義の鉄槌に殴られまた吸収されました。ソ連はチェチェン地区を自治州(のちに自治共和国)として成立させ、ロシア連邦の一部となりました。

ソ連時代になってもチェチェン人の反抗は全く減らすことなく、十数年間において200回以上の「反乱」を引起しました。

第二次世界大戦開始以後、ドイツはチェチェン人の反ソ感情を利用できると思い、互い協力関係を結んだが、この行動はソ連の上層部(スターリン)を怒らせました。スターリンも少数民族であるグルジア出身ですが、少数民族に対する政策は非常に残酷でした。1944年ソ連は再びチェチェン地方を奪い返した時、チェチェン人を中央アジアとシベリアに流した。この事件により3分の1のチェチェン人が亡くなり、民族も滅び寸前でした。

不幸中の幸いにはこの後スターリンがすぐ死んだからフルシチョフ時代になると、チェチェン人の名誉が回復され、故郷に帰されました。この後のソ連時代においてチェチェン人も大人しく大きな動きはありませんでしたが、ソ連崩壊になると、再び行動が出ました。

ソ連の法律において各加盟国は自由にソ連を脱退することができますが、チェチェンはロシア連邦の一部のため適用されません。しかし、混乱を乗じて独立しようと。

1991年9月、ソ連最初のチェチェン出身の将軍がクーデターを起こし、チェチェン共和国を作り自ら初代大統領となりました。当初ソ連にせよロシアにせよチェチェンを構う余裕がなかったため放置していましたが、状況が落ち着いてからロシアが動きました。

もしこのままチェチェンを黙認してしまうと他の自治州自治共和国も真似して独立しかねないので、そうなるとロシアも第二のソ連になります。最悪の状態を防ぐためにロシアがチェチェン制圧に向け出兵しました。しかし、ロシアは圧倒的な軍事力を持ちながらにもかかわらず、数ヶ月で終結だろう戦闘は2年間続いた結果惨敗しました。

2000年プーチン大帝になると、ロシア再びチェチェンを攻め、現地の軍閥は寝返りしたためチェチェンはやっとロシアの領土に戻りました。

今のチェチェンはロシアと違う法律貨幣を使い、まだ大人しくなっているのは寝返った軍閥は大帝との関係がよく、互い利害衝突がないからです。もし大帝が退位もしくは利害衝突が出てきたらチェチェンもまた独立運動を起こすでしょう。



この記事が参加している募集

世界史がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?