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最悪な詐欺

もし1919年世界が起きた最も重要な事件は何かと聞かれましたら、何を答えるでしょうか?

それは第一次世界大戦が終わりパリ講和会議では?と思うかもしれません。

実はパリ講和会議せいぜい数十年の歴史(ヒトラーが登場することによって終了したので、20年もない)を決めただけです。

1919年はとある詐欺が誕生し、本日まで使われ続け詐欺界最悪な発明とまで言われ、その名はポンジ・スキーム。

この手法の発明者は詐欺師チャールズ・ポンジ。イタリア生まれアメリカに移民した後、転々しながらカナダのモントリオールに移り、とある銀行の出納係の職に就きました。この銀行の貯金金利は他の銀行の倍以上の6%にもあるため、非常に繁盛していました。

ポンジは英、仏、伊三国の言葉が話せる上、頭もよくすぐ幹部となりました。そしてなぜこの銀行がこんなに高い金利を維持できる秘密も知りました。

6%の高金利は投資運用や貸出がうまく行っているとかではなく、完全に貯金者の貯蓄によるものでした。つまり、みんなが銀行に預っているお金をそのまま金利として支払っているだけでした。

こんなスキームは明らかに長く続かない、新規顧客が少なくなったり、誰か大口の引出しでもしたらすぐ足りなくなります。

結果は銀行が破綻し、オーナーがメキシコ亡命。無一文となったポンジは小切手を偽造し、逃げようとしたが事件がばれて逮捕され投獄されました。

3年後出所したポンジはアメリカに行き、イタリア人の不法移民の手助けをしてまた逮捕され2年間拘束されました。

出所したポンジ今後は大人しくなり、義父の雑貨屋でちゃんと働いていました。

1919年、ポンジは義父の雑貨屋の仕事をやめ、ボストンに行き事務所を借りてどうすれば大金持ちになれるかを研究していました。

とある日、ポンジはスペインからの手紙をもらいました。そして手紙の中に一枚国際返信切手券(返信用国際郵便の切手)がありました。

この切手券もしスペインで買うなら0.3ぺセタ(昔の通貨)がかかります、そしてアメリカではこの切手券は5セントの切手と交換できます。この交換利率は両国の条約によって決められていました。

つまり、この券を使えれば0.3ぺセタ=5セントとなります。しかし、実際の為替相場は1対6ではない、少し差があります。

ドルからぺセタに替え、スペインに行き、券を買ってアメリカに戻り再びドルに交換すれば約10%の利益が出る計算。

しかし、これはどれぐらい買えば旅費が出るのだと疑問思うかもしれませんが、ポンジそもそも本当に買いに行くつもりがありませんでした。

彼はこの考え方(スキーム)を売ろうとしていました。

これからポンジは国際有名な投資家となり、いろんな立派な案件を投資希望者に語り、この返信用切手券のスキームも大儲け間違えない案件として語られ、最大利益なんと400%だと。

最も肝心なのはポンジは誰か自分に切手券の事業を投資してくれれば45日で50%の利益(つまり、年率406%)を約束しました。何かを投資している方がいれば自分の投資商品と比べてください。

もちろん、大多数の人は疑っていましたが、ごく少数の人は本当にポンジに投資しました、しかし、予想外に45日後ポンジは約束通りの金利と資本金を全部返しました。

マジか?!

無数の群衆はポンジにお金を預けるようになりました。投資者は長蛇の列を作り、労働者、牧師、政治家、警察官、主婦…みんなが狂ったようにポンジのところに行き、最初に疑っていた人も信じるようになりました。

そして、ポンジは毎回もちゃんと配当を出し、地元新聞でさえ掲載され、1年足らず約4万人が1500万ドルの資金をポンジに預けました。

4万人1500万ドル、つまり、400ドル/人の計算になります、当時ドル価値は現在より高いですが、それでも投資者のほとんどが普通の人を証明しています。本物の商人や投資家はこのようなものに投資していなかったでしょう。

とにかく、ポンジは有名人となり、さらに彼をコロンブス、マルコーニと並び最も偉大なイタリア人と称する人さえ出てきました。コロンブスは新大陸を発見し、マルコーニは無線通信を発見し、そしてポジンはお金を発見したという。

疑問を思う人は本当にいないの?もちろんあります。

こんな大金で返信切手を買うには、まず市場には相当数量な切手がある必要があります。

では、ポンジ必要な切手は何枚でしょう。

答えは1.6億枚

しかし、郵便局のデータによると、市場にはわずか2万7千枚の切手しか存在しません。

毎回疑問者は新聞でこのような疑問を唱えると、ポンジは必ず「君達は投資の仕組みが理解できないから」だと反論。

しかし、ポンジの影響力があまりにも大きすぎたせいで、当局の調査が入りました。ポンジは逃げることもなく、調査に全面的協力すると発言したが、調査結果はポンジ会社の資産は700万ドルの赤字。そして、ただ2枚の返信切手を買いました。

ポンジはすぐ逮捕され、5年の刑に服し、釈放してからすぐ同じような詐欺を繰り返し、イタリアに強制送還され、その後ブラジルに渡り、1949年慈善病院で生涯を終えました。

後世の人はポンジの名前でこのような詐欺を命名しました。

ポンジ・スキームの仕組みは非常に簡単、人に高い利回りを餌で投資してもらい、そしてこの高い利回りは投資した金で運用した成績ではなく、後の新規投資者からのお金であり、いわゆる鼠講です。

少し経済を理解していればすぐわかる仕組みです。しかし、ポンジスキームもずっと進化し続けてきて、政府支援や資本運用など、この数年では仮想通貨、ブロックチェーンなど新しいものが出てきたらすぐ変身します。


こんな詐欺は共通な特徴があります。
①訳の分からない概念があり、絶対理解できません。目的は凄そうな感を出すためです。

②理解できる部分があります。完全に理解できなければ誰も相手にしてくれないので、必ず誰も理解できるものがある。

③非常に魅力的な利益がある


対処法も実は簡単です。

・もしいつも新しい概念を言ってくれる人がいるならまず警戒しましょう。

・投資する前にまずネットで検索してみましょう。検索する際に「○○詐欺」を入れてみましょう。いろんな事案が出ますので、当てはまるかどうかをまず確認しましょう。

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