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歩兵の進化 VS戦車

ウクライナあちこち破壊されている戦車のニュースを見ると「ウクライナ強い」と思った同時「あれ」って思いませんか?

戦車は間違いなく陸軍のエース、第二次世界大戦初期のドイツ軍にせよ後期のソ連アメリカ軍にせよ装甲部隊の強さはすでに証明済みです。

もちろん、戦車にも天敵があります、それは上からの爆撃です。戦車確かに鉄の塊ですが、あくまでも周りであり、ある意味普通の車と同じ上からの攻撃はほとんど対応できません。

そのため、初手の制空権を取ることが重要です、今までの戦争も今回のもまず空を支配してから陸軍を出すのは定石でした。しかし、今回のウクライナは制空権を失った状態で敵戦車に大きなダメージを与えました。

もちろん、祖国を守る側と侵略側あるいは侵略すら認識していない兵士の心理状態の差がこのような結果に繋がった理由が大きいです。一方、実は歩兵の対戦車用兵器の進化によってすでに戦車に一騎打ちできるようになりました。

戦車が発明されてから、陸においてほとんど無敵状態が続いてきました。生身の歩兵の銃や手榴弾など当たったとしても傷一つも付けられないでしょう。こんな数トン数十トンの鉄の化物の前に歩兵が戦車恐怖症となり、見るだけで逃げたくて戦線崩壊になってしまいます。

歩兵でも使えそうな対戦車用武器の開発はこのような背景で進められてきました。

1940年ソ連がフィンランドに侵攻し、いきなり都市で空爆を行い、大量な一般人の命が奪われました。世界各地の非難に対し、ソ連外相「モロトフ」はパンを投下しただけだと発言した。以後、フィランド人は皮肉って爆弾を「モロトフのパン籠」と呼び、そしてお礼にソ連の戦車に「モロトフ・カクテル」という名の火炎瓶を返しました。

実はこの火炎瓶こそ最初の対戦車用歩兵兵器です。戦車とは言え、必ず排気口や換気口があります、火炎瓶の当たりが良ければ爆発した瓶の中のガソリンはそのまま戦車エンジンに入り、破壊できます。

「プライベート・ライアン」中に火炎瓶を使ったシーン

実際、弱小だったフィランドは冬戦争で大量なソ連戦車を破壊し、「モロトフ・カクテル」もすぐ各国の標準装備となりました。戦後いくら技術革新が起きても「モロトフ・カクテル」は依然現役で活躍しています、コスパと作りやすい点は他のものと比べられないですから。

もちろん、いくら火炎瓶が優秀でも、あくまでも人によって効果が変わるし、距離も短いです。本当の意味の初代歩兵用対戦車兵器はアメリカの「バズーカ」(愛称、正式名は対戦車ロケット弾発射器)とドイツの「パンツァーファウスト」(鉄の拳)

バズーカ

こちらの武器は照準装置が付いている上、射程も十数メートルに届けるようになりました。歩兵にとってやっとちゃんとした武器が出たということです。

1945年、ドイツベルリンの戦いの時、すでに全ての戦車を失ったドイツ軍は元首に絶対忠誠を誓った狂信な少年兵達は「パンツァーファウスト」を使って数百台のソ連戦車を破壊しました。

パンツァーファウスト

戦後、赤い帝国の脅威が日々増えていく中に、西側は安易に戦車を前線に送れないため、前線の歩兵にとって「バズーカ」は唯一信頼できるものとなり、世界情勢のバランスにも影響するほどです。

1950年、朝鮮戦争勃発、北の攻勢に対し、南は敗退一方でした。アメリカ軍が出動できたのは歩兵と改良後の「バズーカ」でした。もし「バズーカ」がなければT -34/85 戦車を止められないでしょう、仁川上陸もできないかもしれないし、東アジアの情勢もかなり変わるでしょう。

もちろん、「バズーカ」の脅威に対し、戦車もそれなり対応してきました。色んな最新の装甲を付け、例え命中されでもダメージを与えないように。

しかし、イギリスとアメリカの最新型の「バズーカ」が登場した、戦車自体を「顔認識」でき、目標をロックオンだけでなく、事前に運動の軌跡を計算した上目標の行先を攻撃できます。

アメリカ最新型の「バズーカ」:ジャベリン(投槍)

しかも発射されたミサイルは戦車の上空に上昇して150メートルの上から下へ落ち、戦車最も弱い上の部分を狙います。(ジャベリン)

そして、今回ウクライナに大量送れられたイギリス型バズーカは飛んだミサイルは直接戦車の上を飛び、目標の上方で爆発するタイプ。しかも重量はわずか12.5KG、非常に持ちやすい。戦争開始後、イギリスは2,000個このような「バズーカ」を贈ったといいます。

イギリス最新型の「バズーカ」:NLAW

さらに、ロシアは戦車にとって最も苦手の市街戦で使うのは自分の弱みを相手に晒すと同然、戦車に対して過信しすぎました。そもそもこの道理が一番知っているのはロシア自身のはず、ドイツに勝てたのも市街戦に突入したドイツ装甲部隊が展開できず、装甲部隊の機動力が発揮できない上、建物の上から狙われたからでしょうか。

時代が変わりました、歩兵対戦車用兵器の進化により、戦争のルールが変わったにもかかわらず、依然昔の方法でゴリ押しをやろうとする時点で勝敗が決まっていました。「硬直した固定観念ほど危険なものはありません。」



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