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精鋭の精鋭:デルタフォース

少し前に、イスラム国(ISIL)の指導者バグダーディーと二代目指導者ハシミがアメリカ特殊部隊に殺害され、このイスラム国はテロリストであるターリバーンですらテロリストに認定された超怖い組織であり、その指導者を見事殺害したのはアメリカ陸軍の特殊部隊デルタフォース。

アメリカの4大軍種(陸、海、空、海兵隊)全て独自の特殊部隊があり、前回紹介したシールズは海軍の特殊部隊です。のちに特殊作戦司令部が作られ全ての特殊部隊の指揮が統一されました。

2011年、ビン・ラーディンを殺害したのはシールズでした、今回のイスラム国に対する作戦も志願されたそうですが、功績が高かったため、他の部隊に譲るように命令されたという。

そこで作戦見事に遂行したのはデルタフォースです。バグダーディーを殺害し、味方死傷者0人という完璧な戦績でした。

1970年代、世界中テロ活動が頻発、当時のアメリカはまだ平和でしたが、73年テロリスト「黒い九月」スーダン大使館を襲撃、最初スーダン政府がうまく処理できると思い、干渉しなかったが、結果スーダン政府の無能によりアメリカ大使が殺害されました。

この後も何度のアメリカに対するテロ活動が行われ、ホワイトハウスがしびれを切れて1978年、対テロリスト用のデルタフォースが作られました。

デルタフォース誕生時の組織構成はイギリスのSAS(特殊空挺部隊)を参考していました。SASも非常に有名な特殊部隊ですので、いずれ改めて紹介します。

デルタフォースのメンバーはほとんどグリーンベレーなど特殊部隊から選ばれた人、つまり特殊部隊の中の特殊部隊、精鋭の精鋭です。なので、今回の作戦は特殊部隊の特殊部隊がテロリストのテロリストを消滅したわけです。

デルタフォースの入隊資格が厳しいのはいうまでもなく、部隊の装備も非常に強く、アメリカ軍4つのT1装備所有部隊です。アメリカ軍は一人当たりもらえる軍費の順によってT1〜T3まで3つのレベルに分けられています。例えば下の画像の4眼暗視ゴーグル(GPNVG-18、昼間とほぼ同じ状態で見ることができる)はデルタフォースしか持てない装備(買えない)の一つです。

しかし、デルタフォースについてよく知られているのは二度失敗した作戦です。

一つは1980年、デルタフォース作られたすぐ起きたイラン人質事件です。

一つはは映画「ブラックホーク・ダウン」(2001年)の物語です。

1993年、米軍はソマリアで現地軍閥を捕まえようとする時、二人の密告者の裏切りにより数千人のソマリア民兵に包囲され、2機ブラックホーク(軍用ヘリコプター)が撃墜された事件です。2名デルタフォースメンバーを含め合計18名兵士が犠牲となりました。

2名デルタフォースは援護のため地上に降り、戦い続けて弾切れで犠牲となりました。事後議会名誉勲章(アメリカ軍の最高位)が授与されました。

あれ、特殊部隊も大したことないでは?と思われるかもしれませんが、特殊部隊の作戦は全て極秘のため、知られている作戦は大体失敗したことによってやむをえず公開されたか、またはバグダーディーのような重要人物を殺害した時、その他の作戦は基本わからないからです。


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