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村井理子「兄の終い」を読んで

<僕の評価>
★★

一瞬で読み終わった。
僕は前々から言ってるように、本を読むのが遅い。それでも一瞬で読み終わった。

noteの記事7本をくっつけたくらいの長さ。

いつも通りあらすじコピペしとくか。

「わたくし、宮城県警塩釜警察署刑事第一課の山下と申します。実は、お兄様のご遺体が本日午後、多賀城市内にて発見されました」――寝るしたくをしていた「私」のところにかかってきた1本の電話。それは、唯一の肉親であり、もう何年も会っていなかった兄の訃報だった。第一発見者は、兄と二人きりで暮らしていた小学生の息子・良一君。いまは児童相談所に保護されているという。いつかこんな日が来る予感はあった。金銭的にも精神的にも、迷惑ばかりかける人だった。二度目の離婚をし、体を壊し、仕事を失い、困窮した兄は、底から這いがることなく、一人で死んだのだ。急なことに呆然としている私に刑事は言った。「ご遺体を引き取りに塩釜署にお越しいただきたいのです」

兄は確かに優しいところもある人だった。
わかり合えなくても、嫌いきることはできない。
どこにでもいる、そんな肉親の人生を終う意味を問う。

遺体を引き取り、火葬し、ゴミ屋敷と化している兄のアパートを整理し、引き払う。そして、何より、良一君の今後のことがある。兄の人生を終うため、私(いもうと)、元妻(加奈子ちゃん)、そして息子(良一君)の5日間の修羅場が幕を開ける。

兄の終い

困窮 とか、底 とか書いてるけど、まぁそこまで酷い状況ではない。そんなこと言って何の意味があるんだって話かもしれないけど(笑)。

うーん。若さは財産とか言うけど、やっぱりそうなのかもなと思わされた。高齢の再就職はかなり厳しいもんがあるからね。
この本の「兄」のように糖尿病があるなら尚更。

糖尿病かぁ...僕も全然他人事じゃないよな。
俺の父だって、糖尿病で入院して医者に怒られまくってたらしいし。気をつけにゃいかんな。

僕だって、今の生活のまま独り身でもっと少し年取った時に、なにか病気になったらもう一気にどん底行きだ。
いつ「キモくて金のないオッサン」になるかわからん。そう言う人への風当たりが強いって言うのはいつの時代も変わらんよな。たぶん。

憐れみの目を向けろなんて言わないから、せめて本当の底へ行ってしまうのを防げるくらいのセーフティネットは用意してほしいな。

おっさんと子持ちのシングルマザーがいたら、シングルマザーを優先的に支援したくなる気持ちは勿論わかるんだけど。

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