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早川隼平のファジアーノ岡山でのこれからを考えてみた


どうも、ゼロファジです。


5月7日、浦和レッズより早川隼平選手の育成型期限付き移籍が発表されました。そして、わずか4日後のアウェイ長崎戦。後半から途中交代で出場すると、いきなり2つのビッグチャンスを演出!無敗継続中の2位長崎を相手に大器の片鱗を見せてくれました。

岡山サポはもちろん、レンタル元の浦和サポからもかなり期待されている選手ということで、早川隼平選手のファジアーノ岡山でのこれからについて考えてみたいと思います。

ファジアーノ岡山の現状はどうなの?




まずは、ファジアーノ岡山の現状からいきましょう。正直かなり深刻な状況です。といっても順位は6位でPO圏内につけており、自動昇格圏内まで勝点差も6と数字上は決して悪そうには見えないんですけどね・・・


直近5試合で1勝3分2敗

6節までの成績は5勝1分勝点16で首位に立っていました。ところが、それ以降の試合では9試合で1勝5分3敗勝点たったの8ですよ。まさに、首位から転げ落ちるような直滑降を見せている最中です。

その主たる原因はけが人の多さです。現状、高木友也、鈴木喜丈、田部井涼、井川空、吉尾虹樹、髙橋諒、ガブリエル・シャビエル、グレイソン、太田龍之介と、スタメンあるいはベンチに入っていてほしいような主力級が大量に離脱しています。

とりわけ、シャビエル、鈴木喜丈、グレイソンはチームの背骨といってもいいくらい絶対に欠かしてはならないピースでした。ところがそのバックアップもままならないという、ね。

さらには連戦が続いたことで、ただでさえ厳しい台所事情をさらにスケジュールが追い詰める格好となり、中4日・中2日の間隔でもろくにターンオーバーできない事態に。とにかく、まともに動ける選手の頭数が足りない。

勝てない、人いない、連戦は続く。いいことなんてひとつもないな!とぼやきたくなるような状況に飛び込んできたのが早川隼平の加入でした。ほんとにやっと喜べる話題が来たね!って感じ。

早川隼平の起用法やプレータイムはどうか?



今年の岡山は3421のフォーメーションを採用していて、早川は主にシャドーで起用されることになると思います。長崎戦でもそうでしたね。

今年の岡山の特徴のひとつに、タイプ違いの選手を複数そろえていることが挙げられます。岩渕・木村は走れて競れて連続性も高くてというタイプ。田中はライン間で受けられるタイプ。トップにはグレイソン・太田と味方を使うのが上手いポストプレイヤーをそろえており、前線の3枚をタイプ違いで組むことでバリエーションをいくつか持てるような編成になっています。

ところが、得点に直結する決定的な仕事を期待されたガブリエル・シャビエルが離脱。さらには、味方を使うのがめちゃくちゃうまい万能FWグレイソンも離脱。目玉といっていい攻撃の柱を2枚も欠いてしまいました。

したがって、出力の落ちた前線の力を補わないといけない。早川にかかる期待は決して小さくないものがあります。とにかく点に絡んでほしい。いや、ほんとに数字を残しまくってほしい。

一方、ボランチの方に目を向けるとこちらは比較的選手層が厚く、バックアップにも困らない状況です。なので、早川をわざわざ一列下げて起用する必要性はないんじゃなかろうかと。個人的にはシャドー一択しかないと思っています。

岡山は前からのプレスを守備の基本方針としているので、どうしても前線の選手は消耗します。なので、先発にせよ交代にせよ出場機会は十分に与えられそうな気配ですね。

ただ、グレイソン・太田と1トップをこなせる人材が離脱している点は気がかりですね。他の齋藤やルカオといったFWはあまり向いているようには思えないので、はたしてこのまま1トップで行くのかどうか。FWの事情を考慮して2トップ、あるいは一応トップには置くけど別にFWじゃなくてもいいよ的な1トップにするのか。

2トップにするのであれば3421は維持できないので、3142かなぁとか。そうなると早川はIHに、って感じかもなというところです。

なお、監督の木山さんはこれまで指揮してきたクラブで軒並み若者をブレイクさせてきた実績を持っています。岡山で言えば言わずと知れた佐野航大。「正直まだ試合に使うのは早くないか?」と思うようなヨチヨチレベルから我慢強くゲームに使い、ブレイクさせてオランダへ送り出しました。そういう意味でもおそらくプレータイムはかなり与えられるだろうと思います。台所事情もありますしね。

長崎戦で見せた特徴について


事前に浦和サポさんからはトップ下適性があること、左足のキックにかなり威力があること、周囲とうまく連携しながら持ち味を発揮すること、など聞いていました。

長崎戦でちらっと見せてくれた姿はまさにその評どおりといった印象で、「あ、これなら違いを作れるな」という説得力を感じさせるものだったと思います。

個人的にはガッチリとした体格がいいな、と。というのも佐野航大も最初プロとの体格差で吹っ飛ばされてプレーに余裕がなく、本来の持ち味を出し切れてませんでした。まあ、高卒の選手ならではな部分ですがどうしてもそこはなかなか。

そこへいくと早川は小柄ながら当たり負けしなさそうな雰囲気を持っており、その点は問題ないのかな?と。

そして岩渕へのアシストになりかけたラストパス。後方からボールを引き出すタイミング、位置。受ける直前の体の向き、判断の早さ。実にすばらしい。ほんと久しぶりにこんなきれいなチャンスメイクを見たな!というくらいで。これならシャビエルの穴を埋めてくれるのでは?と期待感が高まるシーンでした。

あと、CKを一本蹴っていた点も見逃せません。というのも、左利きのキッカーが不足しており、CKやFKでのキック精度が問題になっていたんですよね。全然チャンスにならなくて。彼の存在がキッカー不足を埋めてくれるならばこんな助かることはない。

さらに、印象が良かったのが守備。味方と連携して枚数を合わせプレスに出る出ないの判断をする。しっかり背中でパスコースを消して出ていく。そういったベーシックな部分は長崎戦からもうかがえており、前プレを基本としている岡山の前線に適した存在だろうと思います。

こうしてみると岡山のニーズにかなり応えてくれそうなプレイヤーだなという印象です。双方にとってすばらしい契約だったね!ってことになればいいなと心から願っています。

早川の良さを岡山の攻撃にどう活かすか?


現状の岡山は明らかに守備の実力が抜けた状態にあり、クリーンシートも多いチームです。1点あればなんとかしのいで勝ちに持っていける。そういう底力がチームのベースとしてある。

ところがさっぱり点が取れない。特に先制点が全然取れない。なので、常にギリギリの試合運びをしなければならず、余裕を持ったゲーム展開に持ち込めないんですね。決定機は作れるんですが、ことごとく仕留め切れない。

チームの攻撃力が低調であるならば、せめてセットプレーやカウンターで補えたらと思うのですが、前述のとおりキックの精度が低くなかなか相手より先にボールが触れない。そして、カウンターでは起点となれるFWがいない。いるのは矢になれるタイプばかり。どうすんねん!?という・・・

だから早川には得点やアシストといった数字を残しまくって欲しい、という期待を抱いてしまうんですよ。

ライン間でボールを引き出せる。得点に直結するパスが出せる。自ら持ち込んで強烈なシュートが打てる。彼の良さを活かすにはまずボールを届けないといけません。

今年の岡山はボランチがボールを預かって展開していくというよりも、CBから縦パスを差し込んでフリックやターンして攻撃していく形を多く見せています。ちょうど長崎戦でのさっきのシーンみたいなやつですね。

なので、後方でボールを持てるならばCBからの縦パスを呼べる早川の力は十分に活きる可能性があるなと。そこは相手の前線からの守備との兼ね合いになってきそうです。

さらに、岡山の攻撃のいいときが現れているのがもうひとつの決定機のシーンです。ハイライトにはのってませんでしたが、ボールサイドに人数を配して細かなパス交換に3人目の動きを絡めてボールを運んでいくことに岡山の攻撃の強みがあります。これはちゃんと清水相手にも通用していました。なので、その密集からの展開でクリエイティブな力を早川が発揮するシーンは増えるでしょう。

こうして考えると、いかにしてボールを相手コートに運ぶか?が鍵になるなと思うんですよね。

ライン間で受けてボールを引き出すプレーにせよ、密集からの展開にせよ、相手コートに良い形で侵入するというお膳立てが欠かせません。したがって、最終ラインがいかにボールを持って前に展開できるか?そこが早川の良さを活かすポイントになるのかな?と思います。

現状岡山の3バックでは左CBに本来右CBのバックアップを務めていた本山遥を使っています。彼は右利きなので、なかなか左サイドからボールを運びにくい事情があります。

本山遥はめちゃくちゃがんばって穴を埋めてくれているんですが、ここは本来鈴木喜丈というJ2でもピカイチに上手い選手が務めており、その差分はどうにもしがたい。左足で運べる、蹴れる、持てるの違いがデカすぎるんです。

鈴木喜丈が戻ってくれば相手のプレスに耐える力も段違いに向上するので、岡山が後方でボールを安定的に保持しやすくなるだろうと。彼の復帰がどうなるかはこのチーム最大のポイントだと思います。

さらに、前線のポストプレーヤー不足も考慮しなければなりません。これまで平面でパス交換のみならず、ロングボールをグレイソンに当ててこぼれ球を狙っていく攻撃もメインとしていました。ところが、グレイソンが離脱し、さらには同じタイプの太田龍之介も離脱。

前述のとおり前線の組み合わせをどうするのか?という課題に直面しています。もし、ハイボールの競り合いに目をつむって平面でいく!ということならば、なおのことボールをいかに持つか?という課題に取り組まねばなりません。

けが人が多すぎて本来やりたい事がどんどん出来なくなっていく状況で、はたしてどんな解決策を見せてくるか?監督の手腕に期待したいですね。

長崎戦後、加入してわずかというタイミングながらめちゃくちゃ悔しがっている早川の姿にグッと来てしまったファジサポの多いこと多いこと!レンタルで来た選手もさまざまで「いずれ帰るんで」というタイプもいますからね。

ここで出場機会を得て、しっかりチームの一員として勝利に貢献していく。そういうマインドはあの試合後の振る舞いにもしっかり現れていたように思います。そういう若者は伸びるんだよ。背負うやつがやっぱ伸びる。仲間隼斗も佐野航大もそうだった。

きっとチャンスはたくさんあると思うので、岡山の主力として活躍してほしいですね。大失速してるとはいえ、まだまだ諦めるようなタイミングじゃあない。早川と一緒にJ1に行きたいですね。あの「岡山での一年が大きかった」という年にしよう。

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