4(採用)金

おたよりテーマ「金(きん・かね)」

2019年1月24日(木曜日)投稿分

【砂金】

あれは忘れもしません。
小学校3年か4年、いや5年生の頃だったでしょうか。夏休みに家族でキャンプに行った時のことです。

キャンプ場近くを流れる川で遊んでいたのですが、川底の砂がところどころキラキラ光っているのです。
手ですくってみると、確かに光るツブがあります。
「これ何ー?」
父に聞くと「砂金だわ、砂金」と、今考えるとかなり適当な答えが帰って来ました。

砂金。
あの、掘れば大金持ちになれるという砂金!
小学生の男子にとっては夢のような言葉です。
私は決めました。
キャンプの期間(3泊4日)は、砂金を掘り続けると。

冷や麦用のザルで朝から晩まで砂金掘り。
家族が山歩きや観光地巡りをしている間も砂金掘り。
同じ川で家族が釣りをしている間も砂金掘り。

私は砂金を掘りながら思ったものです。
「バカめ、あいつら。あいつらが遊びほうけている間も、俺はこうやって地道に砂金掘り。俺が大金持ちになっても分けてやらんからな」
と。
結局キャンプ期間中に50粒くらいの砂金が採れたのですが、最終日に兄から「みんなで遊ばなあかんだろ!!」と注意され、
「なんだと、この怠け者!」
と言い返して川で大喧嘩になり、砂金はどこかへ行ってしまいました。

金は怖いですね。
人を惑わせますね。
深く反省しております。

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