虚無主義を徹底化する
一番端的に虚無主義を表している言葉はこれだと思う。
シオランという作家は冷めたところがある。ニーチェはニヒリズムの曙を見て「超人」に夢を託したが、シオランはもうそんなものは信じていない。ニーチェって物凄い頭が良いのに、なんで超人なんていう妄想を抱いていたんだろう?人間は死ぬのだから、徹底的になんの意味もない。
弱いニヒリズムというのは「人生に意味はない」とうなだれている人で、強いニヒリズムというのは「人生に意味はないけど、OK!」と大地を踏みしめて生きている人らしい。バカらしいと思う。どうせ2人とも死ぬ。
虚無主義って何か問題があるのだろうか?多分一番の問題は、「主義」になっているところだと思う。世界は無常であるのに、主義という見解が固定化されている。「虚無主義」というのは言語上の虚構に過ぎない。あるのは「無常」という「虚無化」の「運動」だけである。
虚無化だけが存在する。「虚無主義」は「虚無化」に殺される。
虚無主義というのは「言葉」から成り立っている虚構だった。心が言葉を粘土みたいにしてくっつけて遊んでいるだけだった。全ては虚無化の「プロセス」にあり、そこに不幸も問題もない。
虚無主義者というのは、虚無を徹底していない。虚無を徹底するには、「無常」に追いつく必要がある。「心」は見解や自我を実体視する傾向があるので、心を解体しなければならない。無常に追いつく。「全ては無意味だ、人生は全く虚しい」を徹底化する。言葉がバラされて、一切はそのまま存在する。
「それが何になる?」を置き去りにする。
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