殺すぞ

 僕は佐伯の後頭部を鷲掴みにし、机にガンガンと叩きつけた。一発、また一発と、ガン、ガン、と丁寧なリズムで、叩きつける。幸の薄い白い顔が、悲痛の色に染まり、何かを叫ぼうとしているが、あまりの痛みに言葉以前のうめき声があ、あ、とこぼれるだけだった。
 一発、一発と、今まで女から味わった屈辱を、一つ一つ晴らすように、ガン、ガン、と一定のリズムで顔を潰す。歯がポロポロと転がったり、あらぬ方向へ飛んだりしている。顔を潰す。綺麗に整った、若い女の顔を潰す。鼻がへしゃげて、唇は腫れ上がり、目はかろうじて開いていた。こちらを見たその目に反抗の色が見えたので、また、ガン、ガン、と右腕にありったけの憎悪を込め、殺したい一心で、顔面をぶっ潰した。
「お前みたいなすました顔してる女が一番嫌いなんだよ。やることやってるくせにな。野球部の奴と付き合って、青春って感じで毎日笑ってんの。お前、俺のことなんか虫ケラとしか思ってないだろ。おい。野球部のカキタレ、俺にもヤらせろよ、ドブス、ブス、ブス、ブス、俺にもヤらせろよ!」
 死ねよ、死ね!死ね死ね死ね死ね。女は権力と金にしか興味のない豚しかいない。豚は死ね。僕の崇高な思想が理解できない、快楽で生きてるだけの豚は死ね。
 佐伯はとうに意識を失っていたが、僕は変わらず机に顔面を叩きつける。暴力の衝動が、いつになっても去らない。顔面をぶっ潰すほどブスになり、余計に憎しみが湧いてくる。感情が昂って、涙が出てくる。右腕はかなり疲弊していたが、やめられなかった。こいつが、ヤらせないのが悪い。
 佐伯の顔はぐちゃぐちゃになっていた。悲惨だった。佐伯の身体を横たわらせる。思い切りジャンプをして、全体重をかけて、顔面を足で潰した。ぶじゅ、と変な音がして、顔が崩壊した。
 僕はせいせいした。

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