短歌置き場

2018/12/28 20:32 僕たちの遺骨を撒こう大海に波にさらわれ不死に憧れ
2018/12/28 20:35 何もかも、何もかも、っていい響き 何もかも終わっていくんだね
2019/03/24 22:09 恋文を送る宛先綴るペン住所は僕かぼくのまぼろし
2019/03/24 22:09 薄幸の花をぷつりと摘む僕らリフレインする原罪の音
2019/03/24 22:10 ありきたりと言う声色もありきたり僕らはすでに弥陀に抱かれて
2019/03/24 22:10 自意識が僕を意識し自意識が僕を意識し僕を意識し
2019/03/24 22:11 すぐにでも枯れちゃう花が健気だねなんか死にたい花が赤いよ
2019/03/24 22:11 気が迷い海に小指で歌を書く誰も詠まずに消えますように
2019/03/24 22:11 奇跡とは神の不在に祈ることいつもの道でそよ風に乗せ
2019/03/24 22:11 また今度手を振る君のあどけなき微笑はきっと死者への手向け
2019/03/24 22:12 表面じゃ足りないもっと肉の奥の奥の奥のいのちのいのち
2019/03/24 22:12 陽が照らす雑草が揺れ葉が煙る誰かください何か名前を
2019/03/24 22:12 蝶々を捕まえるよう無を包む静寂感謝沈黙祈り
2019/03/24 22:12 下手くそな歌を日記に書く少女見つかると灰になる宝石
2019/03/24 22:12 梅雨だから傘も合羽も捨てたんだおんいのちって言葉のまんま
2019/03/24 22:13 もしかして死刑になるかも雨の中つっ立ったままこんなになって
2019/03/24 22:13 丸色の石ころ一つ拾い上げ人に優しくなれますように
2019/03/24 22:13 僕の目にうつる君の目万華鏡花はひらひら浄土はここに
2019/03/24 22:13 何もないところから出で何もないところへ帰る今朝の朝刊
2019/03/24 22:14 不眠症夜のさざめき肌で聞く自分に向けてR.I.P.
2019/03/24 22:14 もう冬かため息つくと白い息疲れたけれど生きよう春まで
2019/03/24 22:14 一人果て手の中濁り罪作りきれいな世界で生きていたい
2019/03/24 22:14 7時起きスヌーズ押してまたこもり幸せなんだピピピピピピピ
2019/03/24 22:14 寒空に手と手を合わせて落ちてゆく天動説を信じる君と
2019/03/24 22:14 誰からも愛されないまま死んでゆくそこのカラス、俺はお前だ
2019/03/24 22:15 ぐじゅぐじゅの愛情求めて祈る右腕のリスカも全部許して
2019/03/24 22:15 ふと見上げ星のまたたき目の底に涙が出るんだ早く死にたい
2019/04/04 07:41 声にならないような声祈る日々音のない世界に囲まれて
2019/04/21 11:42 神秘とは生きていること笑うこと愛し合うことなんでもないこと
2019/08/01 03:34 ゆうべにもしにゆくおれはにしにゆくいろとりどりのいのちのいろへ
2019/08/14 14:51 降るんだよ夏にも雪が蝉の声ずっと一緒は嘘だったのね
2019/09/16 16:55 珍しき蝶を見るたび母想うあっちにもいたこっちにもいた
2019/11/02 15:44 あの人になれなくたっていいんだね俺俺俺はこのまま死んで
2019/11/08 23:33 瘡蓋の裏にはきっと傷跡と曼荼羅浮かぶミクロコスモス
2019/11/12 18:26 慣性で動き続けるビー玉のように生きてる狂人は誰
2019/11/12 19:44 ふあふあの毛布買ったよ嬉しいなこれでいつでも死ねるんだもんな
2019/11/24 22:03 大丈夫海から声が降ってくるいつでも君の手の中で死ぬ
2020/04/17 03:09 がたんごとんゆられる世界の死んだ顔 弥陀のまなざし 終わった世界
2020/04/17 03:09 おきざりに された僕らの 地球儀は いたずらっ子の 小5が回す 
2020/06/16 21:32 波際に 世界一の詩 書いたんだ 言葉掬われ 俺は救われ
2020/07/14 16:07 浄土から優しい灯ほんのりと眩しすぎたら壊れちゃうから
2020/08/03 06:07 真っ白い個室の天井死が近く弥陀のベッドで浄土まで寝る
2020/08/10 23:06 疲弊した虚無主義者たち抱きしめて殺されたいよみんなの分まで
2020/08/14 10:21 いつもより沈鬱な朝歩いてる今朝は楽しい夢を見たから
2020/08/20 22:07 僕たちはなぜ生きているなぜ、なぜ肩撫ぜる風なぜ、なぜなぜ
2020/08/25 17:55 左腕の海から見える地平線明々(あかあか)とした夕陽が沈む
2020/08/26 02:27 僕たちは夕陽の向こう憧れて火に誘われて死ぬ蛾みたいに
2020/09/11 05:06 果てしなく続いていくんだどこまでもこれが死ぬまで?これが死んでも
2020/09/11 21:48 疲れたねもう帰ろうか夕陽照り小鬼散る散る菩薩の赤子
2020/09/17 04:38 りんりんり命いっぱい叫ぶ虫 念仏のよう もうこない秋
2020/09/20 08:22 悪魔の子内臓全部くれてやるあの子の地獄になれるのなら
2020/09/27 15:38 蝉は死に僕らもいずれ季節から捨てられるだろう残るのは愛
2020/09/28 17:51 仏から頂いた眼でアリを見る あ、生きている ぢっと手を見る
2020/10/01 01:08 嘘だったずっと一緒はポケットに僕の終わった恋の切れ端
2020/10/16 01:42 間違えて娑婆に生まれた僕たちは壊れた言葉しか描けない
2020/10/16 23:53 僕たちは死なないだろういつの日か脳みそだけの光になって
2020/10/30 18:21 祈りだけこの世界から排除して殺してほしい僕の香りを
2020/11/07 16:32 祈っても神は沈黙するばかりしけたマックのポテトは美味い
2020/11/14 22:23 死にたいな一般性に吸われてく俺の死にたい気持ちは俺の
2020/11/26 17:14 ビー玉がころころころと転がってストンと入って死は救済
2020/11/28 19:31 無限大の銀河を紡ぐ蜘蛛の糸身動き取れず死すら食われて
2020/12/01 23:20 人を刺したことはないが罪の雨数え切れないほど息をした
2021/03/13 20:52 猫を抱く僕を抱いてる母がいる そうか、命は抱かれるために
2021/04/01 19:38 人、言語 そらごとたわごと ぜんぶ泡 仏の顔して 嘘をついてら
2022/04/12 13:09 寂しさが澄んだ空気に溶け込んでボーカロイドの声だけがして
2022/12/05 01:36 冬空に君との記憶溶け出してああもう全部色即是空
2022/12/06 09:17 ほろほろと赤い糸から解脱して一人で坐る座布団の青
2022/12/14 06:13 純粋にただひたすらに気狂いのように清く白くありたい
2022/12/15 18:06 吉祥寺電車飛び込み何思うきみの遺影はいつもの自撮り
2022/12/16 08:03 人生に意味とかないけどこうやって呼吸してるね許されてるね
2023/01/04 14:37 植物の名前をすべて忘れたい みんな、いのちと呼べばいいのに
2023/01/16 21:41 五臓六腑に染み渡るデパス錠 機械仕掛けの ニンゲンだった
2023/02/24 19:41   時という風が私を吹いていく たった今、今殺してくれる
2024/04/16 19:50 蜘蛛の巣に水滴ひとつこびりつく 命が命喰うということ
2024/04/17 07:18 満ちてゆく夜のとばりに眼を閉じて 生まれなかった僕への賛歌


勉強したいのでお願いします