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クラウディア・リョサ監督『悲しみのミルク』ペルーの人間ドラマ



<作品情報>

80年代から90年代にかけてのペルー内戦を背景に、戦争によるトラウマに苦悩しながらもたくましく生きようとする女性たちの姿を描いたヒューマン・ドラマ。ゲリラによるレイプ被害に遭った母親に育てられ、母乳を通してその悲しみが伝わってしまったために奇病にかかってしまう女性の日常を静かに見つめる。メガホンを取ったのは本作が長編第2作となるペルーの若手女性監督クラウディア・リョサ。第59回ベルリン映画祭で金熊賞に輝いた。

2009年製作/97分/ペルー
原題:La teta asustada
配給:東風
劇場公開日:2011年4月2日

https://eiga.com/movie/55043/

<作品評価>

65点(100点満点)
オススメ度 ★★★☆☆

<短評>

おいしい水
白人裕福家庭に入り込む原住民のメイドという設定や雰囲気は『ラ・ヨローナ〜彷徨う女〜』を連想させました。実際近いものがあると思います。
落ちてバラバラになったピアノや真珠など印象的なシーンも多く、搾取される原住民というモチーフもありがちではありますが、興味深く観ることができました。

吉原
冒頭、「膣の中にジャガイモがある」という衝撃的な一文でどんな物語が展開されるのかとワクワクしましたが、その後、母親を街で埋葬するために白人のもとでメイドをする主人公の様が90分間ずっと描かれていました。
ペルーの映画は恐らく初めて観たし、この国の歴史も全く知らないので、舞台設定はよくわかりませんでしたが、何個か好きなシーンもありました。
特に真珠を雇用主と2人で拾うシーン、特に何でもないシーンだけど「いい絵だな」と声が漏れるような魅力がありました。
先にも述べましたが、舞台設定の知識がある程度必要なので、前提知識を入れた上で2回目を観ると味わい深いのかもしれません。

<おわりに>

 ペルー映画と言うだけでも珍しいですよね。地味ながら独特の味わいがある作品になっています。

<私たちについて>

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