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『ほたるの星』 ロケ地は山口県。明倫館なども登場。映画としての深みに欠けるけれど。

評価 ☆



あらすじ
三度目の教員試験でやっと合格した三輪元は、大きな希望を胸に山口県の小学校に赴任してきた。ところが彼を待ち受けていたのは、これまで想像もしなかった厳しい現実だった。生徒たちはまるで言うことを聞かない。親たちは自分勝手な注文を押し付けてきた。



以前、Z市に住んでいた頃“ホタル祭り”というのがあった。野生の螢を見ることができるらしい場所があるとのこと。野生の螢なんてそう滅多に見ることは出来ないので、夜中に見に行きました。



ところがそこにいたのはなんと一匹か二匹。おいおい、これじゃ、黄金町にいっぱいある○○○(想像におまかせします)と同じだ。



螢は群生だから感動するのに。ほんとに美しいのです。見たひとにしかその美しさはわからないかもしれません。頭にきたので、その後、田舎から200匹以上の螢を送ってもらい、部屋の中に放ちました。それはもう幻想的な景色だったな。



『ほたるの星』は、螢の飼育を通じて子供たちとの交流を描いた映画である。2004年公開。監督は菅原浩志。出演は小澤征悦、菅谷梨沙子(Berryz工房)、山本未來など。



原作は宗田理。山口県防府市立華浦小学校の教諭だった瀧口稔が、生徒たちと螢の養殖をおこなったことがモデルになっている。



僕の故郷である山口県が舞台である。実際ロケ地には山口県が多く使われている。小学校は萩市の有名な明倫館が使用されている。懐かしい方言もいっぱいでてくる。



意外とよく出来ていた。登場している俳優さんたちもよかった。だけど、脚本と監督は大切だとよくわかった映画でもある。いや、これは映画ではないかもしれない。美しいプロモビデオみたいだった。



映像はきれいだし、俳優たちはカッコいいし、よいひとばっかりで、子供たちもかわいいタイプがそろっている。この中で菅谷梨沙子も話題になっていました。だけど、映画としての深みがない。



クライマックスの螢の群生シーンは明らかにやりすぎ。ファンタジーに持っていきたいのか、リアリティを追求したいのか、全然わからない。もっとさ。『二十四の瞳』でよかったんじゃないかな。



須川栄三監督の『螢川』もそうだけど、螢の群生って無数の光が多く舞うだけじゃない。ひとつひとつの光が本当に弱々しい。無数の光があるのに、どこか寂しいのだ。それはちょっとした人生の一部みたいに見える。



最近、螢も減ってきているらしい。本当に狩らずに見るだけにしよう。ああ、年々思うけど、故郷がどんどん遠くなってしまう。いろんな意味でね。



初出 「西参道シネマブログ」 2006-04-20



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