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2024.5月日記、前半

5/1(水)

ハンチバック 市川沙央著

2023年度芥川賞受賞作品である。
若干90ページの作品が深い。
先天性ミオパチーで背骨がS字に曲がり、人工呼吸器と電動車いすを利用する重度障害の女性が主人公。それは作者の姿でもある。
私たちが当たり前に常識として生きていたことは、実は健常者の常識であって、今更ながらそのことに気づかされる。

スポーツの世界においては障碍者にもほんの片隅だけど、小さな門戸が開かれている。ところが本を読むという文化的な希求にさえ、当たり前に本屋に行ったり紙の本を手に取るということさえままならず、それは健常者優位で、作者は本を読む権利を主張する。

主人公は訴える。
「健常者は死に向かって壊れていく。私の体は生きるために壊れてきた」と
健常者と障碍者との間にはこれほどまでに埋めがたい隔たりがあるのだ。
人として手に取って欲しい本です。

5/2(木)

今年のGWは仕事の都合で連続した休みにできず、お昼から丹沢に遊んだ。
ただ林道を歩いただけだったけど、巣作りに励むオオルリとか、青葉のあふれる森とか気持ちよかった。

5/7(火)

コーヒーが大好きだ。
今まではモカ一辺倒でさほど酸味があるとは思わなかったが、
旅行のお土産に子供からハワイコナをもらって、わあなんて甘い香りで酸味もやわらかくて美味しいんだろうと。それからまたモカに戻ったら、かなり酸味が強くて、味覚って対比がないとあまり自覚できないんだなあとしみじみ。

5/10(金)

出で湯ってあまり使わないな。
温泉のことを書く比率が高いから使っていそうなものだけど、ほとんど使っていない言葉だった。旅情を感じるいい言葉だけど、出で湯の旅よりは温泉旅行の方がしっくりくるかも。これは湯けむりの上がる風景が減ったことと関係するのかもしれない。
私が子供の頃は、伊豆方面に行くと湯けむりの上がっている温泉場は今よりも多かったように思う。

5/13(月)

先だって出で湯の記事を書いたのだが、ちょっとおもしろい記事を見つけた。何でも江戸時代は風呂というのは蒸し風呂で、お風呂イコール蒸し風呂のことだった。そして湯舟に湯を張ったものはお湯という呼び名だったのが、江戸時代末期にはお風呂とお湯が混同して使われるようになった。温泉も正しくはお湯で江戸時代の書物には、わざわざ温泉という漢字にいでゆとるびが振ってあったという。
出で湯という呼び名も蒸し風呂と分ける為と自然に湧いて出るという意味合いだと納得だった。

5/15(水)

庭が花盛りになってきてます。
昨年から本気出しはじめて植物も増えて行ったりと毎日が楽しい。
お花はほんと癒しだ。

バラとクレマチスは優雅


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