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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【10月19日㈬~10月26日㈫】

10月24日、第35回東京国際映画祭が開幕しました。個人的には2018年までは、例年11月初旬からアメリカ・サンタモニカで開催されるAmerican Film Market(通称AFM)という映画見本市に毎年参加していたので、出張準備もあってその時期は忙しく、なかなか東京国際映画祭の出品作を観に行くことが出来ていませんでした。それでも「これは観ておかないと!」という映画がある時はチケットを取って観に行ったり、プレス、バイヤー向けに開催される試写に参加したりしていましたが、その試写も席の確保が割と面倒で、「ま、いいか」とスルーすることも多かったのでした。

が、2019年からはAFM出張は他のスタッフに任せて参加しなくなったのでスケジュールに余裕も出来、なおかつ去年からプレス、バイヤー向けの試写会場が座席数の多い劇場になり、事前の席の予約も必要なくなって格段に参加しやすくなり、気軽に多くの出品作が観れるようになりました。今年もそのプレス、バイヤー向け試写が昨日から始まり、昨日はさっそく1本、今日も1本観に行ってきました。

昨日の試写には、日頃親しくさせて頂いている同業者やプレス関係の方の姿もちらほら。上映が終わると劇場の外で感想を交わし合う、映画祭ならでの光景も繰り広げられ、コロナ禍以降大きな海外映画祭への復帰が出来ていない身としてはベルリンカンヌの予行演習気分も味わったりしています。

で、そのベルリンなのですが、来年2月のベルリン国際映画祭には3年ぶりに復帰するつもりなので、こないだ航空券を先に押さえておきました。噂には聞いていましたが、航空券代めちゃめちゃ高くてビビりまくりました。サーチャージ、とんでもないことになってるのですね。今後も旅費が高騰したままだったら、コロナが完全に収束したとしても、もうコロナ以前と同じスケジュールで海外出張に行くことはなくなること、ほぼ確実です。来年のカンヌ、行けるんだろうか…。

切ない話ばかりで恐縮ですが、海外出張が多いゆえに貯まっていたマイレージも全然貯まらなくなってしまった今日この頃。コロナ禍直後の2年間は、航空会社の前年度のマイレージ繰り越しの救済措置で、最上級まで上りつめて久しかったそのステイタスを維持出来ていたのですが、3年目の今年はその繰り越しもなくなるようで、来年度はヒラ会員に戻ってしまうことが確定してしまいました。もうファーストクラスのラウンジを使うことも、ゲートで長く伸びた列を横目に優先搭乗することも出来なくなってしまいます。高等テクニックを駆使してエコノミーからビジネス、ビジネスからファーストにアップグレードして、『トワイライト~初恋~のプロモーションで来日していたロバート・パティンソンとその一団と一緒だった経験もある、この私がヒラだなんて!プライド、ズタズタ!(笑)

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なのでこれからは、爪に火をともすようにPONTAカードだの、マツモトキヨシカードだの、各種ポイントカードでポイントを貯め、貯まったポイントをマイレージに交換して、エコノミーからビジネスにアップグレードする日を楽しみに、日々倹しく暮らしていくしかありません。まさに“一から出直し”な気分。でも初心に還るのは大事です。初めてカンヌ映画祭に参加した1990年のことを思い出しましょう。ミーティングではロクに英語も通じず、一緒に夜ご飯を食べてくれる知り合いもおらず、それでも「カンヌ映画祭に参加しているのだ!」と誇らしい気持ちで、一人海岸を歩いたあの夜を!

今週は東京国際映画祭の話題から、思いがけずなんだかとってもパーソナルな内容の通信になってしまいましたが、上映情報もいろいろあります!

Bunkamuraル・シネマでの“ジャン=リュック・ゴダール追悼特集”第二弾、『女は女である』『女と男のいる舗道』『パリところどころ』は、11月2日(水)まで続映決定!当通信ではお伝え出来ていませんでしたが、渋谷ユーロスペースで開催中の“第44回ぴあフィルムフェスティバル特別企画 ようこそ、初めてのパゾリーニ体験へ”では、明日27日(木)、31日(月)の二日間、『テオレマ 4Kスキャン版』『王女メディア』が上映されます。そしていよいよ11月5日(土)からはシアター・イメージフォーラム『冬の旅』が公開。来週の当通信でもトークイベント情報もお伝え出来る予定です。

そして明日は宣伝を担当させて頂くことが決まった他社さんの映画の日本語字幕初号試写!こちらの情報解禁は来月後半ぐらいかな。楽しみにしていて下さい!もう一度、最後に言っておきましょう。初心に還ってまだまだ頑張ります!

texte de Daisuke SHIMURA




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