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本当にあったマッチングアプリの怖い話②新宿三丁目駅の攻防-中編-

前回のあらすじ:
時は2018年頃。
当時28歳の僕は、出会いを求めマッチングアプリに勤しんでいた。
しかしながらある日、とんでもない写真詐欺を食らいプロフィール写真の1.8倍はありそうなA子さんと夕食を食べることになってしまう。

僕だっていい大人なので、写真まんまの人が待ち合わせに来るなんて思っていなかった。
マッチングアプリの写真なんて誰しも写りの良いものを選ぶし、2017〜2018年当時も加工アプリは既に台頭していた。
正直全くの別人レベルの人が来るとはこちらも予想していなかったが、僕だって別に人を選べるような立場でもない。

相手の良いところを探すのが社会人だ。
何とか頭を回転させ、上っ面の会話を続けながらプロフィールの彼女と目の前にいる彼女の共通点を探した。

まあ、よくよく見るとキャンバスの余白がめちゃくちゃデカいだけでパーツは同じような気もする。
しかしながら、その判別さえも困難なぐらいに体型が違い過ぎる。
盛るとか盛らないとか、そういう概念の話ではない。

そんなことを考えながら、やはりちょっとエロい話をしながら揚げ物ばっかり食べている彼女に質問をしてみた。

「アプリのプロフィールの写真って、どれぐらい前のやつなの?」

すると、彼女は呑気そうにこう言った。

「なんでそんなこと聞くの?」

A子さんとの関係性が発展することがないと確信している僕は、迷わずこう返した。

「いや、大分写真と違うから。
 言われない?」

まさか、自分からここまでオブラートを取っ払った文言が出てくるとはびっくりした。遠慮を忘れた人間は怖い。

「えー!言われないですよwww」

草を生やすな草を。
この時点で、僕の中に僅かに残っていた自制心が壊れる音がした。
僕だって人の見た目をどうこう言えるほど良い面をしているわけではないけど、プロフィールと別人だとは思われたことはないはずだ。
というか、それは信頼関係を築くための最低条件だろ。

ぶつけようのない怒りが溜まってきた僕は、早めに会計を告げた。
19時集合の20時45分解散である。

しかしながら、本当の恐怖はここからだった。
次回、いよいよ「新宿三丁目編」最終章。

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