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#105 ホテル業界の変化


1.ホテル業界の変化

今回は大阪の南船場に開業したW大阪を例に挙げながら、日本のホテル業界が直面しているインバウンド需要の高まりとそれに伴う業界の変化について話したいと思います。1970年代から80年代にかけて、団塊の世代の旅行需要を満たすため多くのホテルが建設されましたが、現在は少子化やインバウンド需要の増加により、ホテル業界に大きな変化が生じています。

まず、ビジネスホテルの進化についてです。アパホテルやドーミーインなどが業界を牽引し、以前のような大規模な湯船付きの部屋ではなく、必要最低限のアメニティとシャワールームのみを備え、コスト削減と利便性を重視したモデルへと移行しています。特にドーミーインでは、無料の夜食サービスや大浴場の提供など、低コストながら価値あるサービスを提供している点が特徴的です。これは、過去に比べて一人一人に風呂が付いていることが贅沢だとされた時代から、現代ではより実用的で経済的な選択を好む傾向に変わってきていることを示しています。
一方で、伝統的な町屋を活用した宿泊施設や、星野リゾートのように不動産を持たずにオペレーティングに特化する経営モデルも出現しています。これらは、旅行者に新しい体験や贅沢なひと時を提供することを目指しており、業界に新たな価値を生み出しています。特に、星野リゾートが進めるラグジュアリーホテルの開発は、地域の魅力を再発見し、それを活かしたサービスを提供することで、新たな観光の形態を創造しているといえるでしょう。

以上のように、インバウンド需要の高まりとともに、日本のホテル業界は多様化し、変化しています。ビジネスホテルが実用性を重視したサービスを提供する一方で、伝統的な町屋やラグジュアリーホテルが新たな価値を提供しています。これらの変化は、旅行者のニーズに合わせた様々な選択肢を提供することで、より豊かなビジネスの可能性も広げています。

2.日常生活を彩る〇〇の話

私は日常生活で使用する多くの道具に対して、その品質や製作背景に大きな関心を持っています。今回はその中から包丁についてのお話です。

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