見出し画像

ProQuest@DiceRoll 優勝構築について

 11/5 名古屋のDiceRollにて行われたProQuest(CCフォーマット)にて優勝しました。簡単にですが、デッキ構築と試合内容について解説していきます。

 使用構築はAggroDromaiです。AggroDromai自体は今年の4月にFABを始めた時からずっと使ってきたデッキです。こういう形で結果を残せるとは感慨深いです。

デッキリスト

典型的なAggroDromai…だと思います
名古屋はゲテモノばかりではない

構築の要点

Dragonの採用について

 2コスト以上になると赤単という性質上殆ど手札消費に対しパフォーマンスが割に合わなくなってくるため、基本的には0or1マナ帯のみの採用です。サイドボードには、《Ouvia》と《Themai》を採用しています。
 《Ouvia》はドラゴンの頭数が重要になるBravoやDromai、またマナの支払いでAshが大量に出てくるIyslanderではAshの消費先&Arcane Barrier(以下AB)を持つAshwingの横並べ手段としてサイドインします。
 《Themai》はWizard(主にIyslander)への対策として採用していますが、それ以外のマッチでは有効に働く場面が殆どありません。

赤単にしている都合、どうしても重いドラゴンは効率が悪いです…

目標は表現価値平均4点

 構築においてはカード1枚当たり3.5点出すことが望ましいとされています。つまり0マナ4点のカードはそれだけで高いパフォーマンスであると言えます。ヒット時効果の無い《Ravenous Rabble》や《Blaze Headlong》も4点というだけで十分仕事をしてくれるわけです。《Snatch》や《Dustup》もヒット時効果を通してしまうと4点では収まらない価値の出るカードです。
 ドラゴン達もかなりハイスペックで、0マナ帯に関しては《Cromai》なら3打点+ヘルス2の5点分、《Azvolai》も3打点+ヘルス3で6点と破格の性能です。ポップされたとしても、手札1枚=防御値3点分の仕事は最低限してくれますし、《Cromai》ならAPが残り、《Azvolai》ならArcane1点飛ばせるので実質4点分になります。
 1マナ帯に関しても赤単ゆえに手札2枚消費するカードであるため、7~8点の仕事を期待できるカードしか採用していません。《Sweeping Blow》の様な打点に貢献できないカードを入れていないのはそのためです。

平凡な3点Go againに見えて、出てきたAshwingの働き次第で表現価値が爆上がりします
Dromaiクラスの中でもかなりお気に入りのカードです

アグロといいつつ動きはミッドレンジに

 ドラゴン達は複数回攻撃する、または必要以上のダメージで討伐されることでヒーローへのダメージを実質的に軽減するなど、長期的に仕事をするカードです。ドラゴンを並べた頃にライフ差が付き、防御に回さざるを得なくなるとGo again付与もできず十分なバリューを引き出せません。時には手札全てを防御に回して、ドラゴン1体のみで殴り返すなんて立ち回りも必要になります。
 こういった場面において、条件達成に複数のカードが必要になる《Flamecall Awakening》や、そもそもPopperを弾くカードなのにドラゴンが並べられなければ腐りやすい《Lost in Thought》など、活躍する状況が限られてるのに防御値が2しかないカードが防御面で響くため極力採用を減らしています。

体力1点で耐えるのが当たり前のゲームでは、防御値1点の低さに泣くことも多いことでしょう

4点DRのメイン6枚採用

 上記のリストでDR6枚をメイン投入しているのは特徴的かと思います。大体の場合メインに多くても3枚、ヒット時効果を防ぎたい場合にサイドから追加で2~3枚というのが一般的な気がします。防御的なカードは状況を選びますし、赤のカードはマナに回しても弱いため多く採用しにくいからです。
 しかし赤単であるDromaiにとって、防御用の赤カードをピッチに回すことが日常であり、これらを多く採用しても気になりません。
 また、上記の「表現価値平均4点」、「ミッドレンジ」の2つの方針にマッチしています。防御札とはいえパフォーマンスは0マナ4点のAAと同じであり、これらのルーティング能力は上振れ札の《Tome of Imperial Flame》へのアクセス率を上げることができ、爆発力に貢献してくれます。

Katsuが能力でDRを捨ててComboカードに変換するように、
Dromaiはマナにしちゃえばいいじゃない

Nourthing Emptinessフル投入

 Dromaiは《Flamescale Furnace》によるマナ増幅により2枚ピッチで1マナ、2マナのアクションを取ることが出来ます。2マナAAとして《Comand and Conquar》+αで6枚程採用されるのが一般的だという印象です。《Comand and Conquar》はDRを封殺するという違いがあれど、2マナ6点AAの殆どは相手に2枚防御を強制させて返しのターンを弱くする以上の働きが望めません。しかし条件達成した《Nourthing Emptiness》は、Dominateによりヒット時効果を通しやすく、知性+1により実質的に9~10点分の火力という破格の性能です。
 先手となった場合の上振れ札ではありつつ、Dromaiには《Burn Them All》という墓地追放手段があるので、中盤以降も条件を満たせるので相性が非常に良いです。墓地のAAを優先的に追放する動きは《Codex of Frailty》の強制ディスカードの回避にも繋がるので一石二鳥です。
 《Burn Them All》が赤いカードしか追放できない都合、青AAが採用できなくはなりますが、そもそも青ピッチが必要になる様なデッキ構成にしていない為問題になりません。

先攻1ターン目に打ちたいカードNo.1

Miraging Metamorphの採用

 今まで《Miraging Metamorph》はAshが出る以外ESの下位互換であり、火力は魅力的ではあるもののPhantasm誘発のリスクには合わないと考えていました。しかし赤本の登場でマナが余る場面が増えたことでESよりも使い勝手の良い場面が増えたことで採用しました。
 Popperをサイドインする程度のLexiやNinjaに対し、ライフレースをより優位に進める札として活躍し、評価を見直して良かったカードの1枚です。

モードを選べるESも優秀ですが、本との相性の良さは断然Metamorph

PQ戦績

スイス1戦目 Iyslander 後〇 1vs0

 いきなり調整仲間のミカエルさんとの対戦でした。事前練習でドローを咎めてくる《Channel the Bleak Expanse》を採用していることは把握していたため、1つのミスが致命傷になる中盤以降は《Tome of Imperial Flame》を使わない事だけは決めていました。
 基本的に対Iyslanderはドラゴンさえ並べれば、Go againを付与するために1枚赤カードをプレイし、他の手札はFrostbite等のマナ要求や、ABに充ててしまえばライフレースで優位に立てるため、そういった展開を目指しました。
 しかし中盤になってもなかなかドラゴンを並べることが出来ず、特にAshwingを維持できていなかったため十分なABを貼れずお互い10vs10程度まで追い込まれます。ポッパーが無い場面で《Storm Striders》を攻撃起動時のAshwing処理に切ってくれたため、バースト火力が出せずライフ1残してギリギリ勝利しました。

スイス2戦目 Katsu 先〇 31vs0

 一番当たりたくなかったNinjaにあたりました。Katsuに対しては1体ドラゴンを立てるだけでは、《Harmonized Kodachi》で容易に処理されやすく、またKatsuの能力起動の種にされるので、処理できない量を一度に並べることを意識。Katsu側はドラゴン処理を優先して片方は《Zephyr Needle》を装備しており、ドラゴンを立てないターンの動きがそれ程強くなかったのが幸いでした。
 DRでヒット時効果やマスク誘発を的確に防げたことや、相手のPopper採用数が少なかったことで《Miraging Metamorph》の通りも良く、その上《Nourthing Emptiness》を条件達成で3発打つことができかなり優位に進めて勝利。

スイス3戦目 Iyslander 後〇 34vs0

 有利マッチのIyslanderを2回も引けてラッキーでした。
 序盤からThemaiを引き込めたため、Themai+Themai+Miragaiの盤面が作れ、相手側は4打点を用意できずにドラゴンを処理できずワンサイドゲーム展開でした。

スイス4戦目 Lexi 先× 0vs2

 序盤に《Tome of Imperial Flame》からドラゴンを一挙3体展開でき、手札もブロックに使わせるも、3oaKから綺麗に切り返される。その後《Yendrai》を3体並べるもブロックを強制させる脅威を用意できず、またポッパーも的確に引かれてしまい負け。

スイス5戦目 Dromai 先× 0vs3

 練習があまり出来ていなかったDromaiミラー。序盤は互いにドラゴンは並べないライフレースから始まり、中盤からドラゴンの並べ合いになる。
 ドラゴン展開では相手が優勢ではあったものの、《Burn Them All》を3枚張れていたので、ドラゴン処理しながら相手のライフを少しずつ追い詰めていく。
 あともう一回返しにドラゴンで攻撃できればという場面で防御値がない《Remembarance》が足を引っ張り負け。

予選を終えて3勝2敗
序盤の3連勝が功をそうして4位抜け出来ました。

SE1戦目 Iyslander 先〇 23vs0

 予選3戦目で対戦した人との再戦。このゲームでも序盤にThemaiを引けるも、《Scar for Scar》で綺麗に対処される。中盤からドラゴンを並べる理想的な展開ができ、Frostbiteのケアを徹底したプレイで勝利。

SE2戦目 Lexi 先〇 19vs0

 予選4戦目で対戦した方との再戦。序盤~中盤で相手がバフ系Actionが重なって動きが鈍かったことや、アーセナルに矢を構えられず毎ターン2発しか矢が飛んでこない展開が続き、ライフレースで優位に立つ。
 《Ice Quake》等ヒーローへのヒットを通したい相手に対し、手札全てでフルブロックしてAzvolai1体で殴り返す数ターンもあり、ライフ差を離していく。最後はKyloriaやSnatchを連打し、手札2枚防御を要求に相手が耐え切れず勝利。

SE決勝 Dromai 先〇 15vs0

 予選5戦目で対戦した方との再戦。なんだこの怒涛のリマッチは…
 初手にいきなり《Northing Emptiness》を引き込め、次ターンには増えた知性から《Ravenous Rabble》+《Blaze Headlong》×2発を撃ち込み、恐ろしいロケットスタートを決めてライフレースで優位に立つ。
 その後はドラゴンのつぶし合いを的確に処理。お互い中々ヒーローへのAAを打てない中、こちらは《Burn Them All》を2枚貼れており、一方的にライフ差を詰めていく展開になる。的確なタイミングでSnatchを打ち込んで2枚防御せざる場面を作り、3枚目の《Burn Them All》で詰め切って勝利。

振り返って

 愛知開催でありながらTOP8には地元勢は自分含めて2人しか残れず、関東関西の遠征勢に圧倒されましたが、何とかGoldFoilを愛知に留めることが出来ました。PQに向けての1ヵ月は毎週末ショップに通っての練習で、それが報われた気がします。

Lexi戦の練習 きーぼーさん
Lexi、Katsu、Uzuri戦の練習 Iadaさん
Katsu戦の練習 BigBlankaさん
Dash戦の練習/当日のジャッジ担当 liliumさん
Iyslander戦の練習 ミカエルさん
DiceRoll FAB担当 さわけんさん
NAGOYA FaB運営 第六天さん、ひなぼのさん

 練習に付き合って頂いた方々、地元コミュニティを支えてくれてる方々、この場を借りてお礼申し上げます。
 今後とも愛知のFABを盛り上げていくことと、Lexi禁止後環境での最適化(主に対Katsu、Bravoの強化)、来年のロサンゼルスに向けて頑張っていきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?