ある街のオルゴール 【詩】



針が8を指したら
オルゴールが鳴り響く

昨日も今日も
明日だって



2音目と同時に
町中のドアが開く

隣も向かいも
5軒先だって


規則正しいリズム
不確かなメロディー

そこに合わせるのは

一糸乱れぬステップ
迷いの無い腕の運び


冷えた視線が空間を切り
怯えた表情が地面を濡らす

……お隣さん、そんな人でしたっけ
……お向かいさん、もっと溌剌としてたよね


オルゴールは鳴り止まない
その針が8を指すまで



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