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業務委託にビジョンマッチやバリューフィットは必要か

最近、多くのスタートアップでミッション・ビジョン・バリュー(いわゆるMVV)が設定されています。MVVへの共感、フィットを重視して選考するという企業も多いでしょう。

ただし、上記の話はあくまで正社員採用の話です。では、業務委託で稼働する人にMVVのフィットなどは必要なのでしょうか。これについて私見を述べます。

※以下の業務委託では「正社員転換を目的としたお試し副業」などは除外し、「正社員転換を目的としない業務委託」のみを扱います。


ミッションやビジョンのマッチは不要

私は今までフリーランスとしてスタートアップを30社以上支援していますが、面談でミッションやビジョンのマッチを質問されたことは一度もありません。企業側も業務委託に対してマッチを期待していないことの現れなので、あまり説明するまでもないですが、理由は以下の通りです。

  • 業務委託の目的とは、既存の社員のスキルやリソースでは解決できない課題を解決することなので、「課題を解決するスキルを持っていること」、スキルマッチが最も重要。

  • 正社員が解雇しづらいのに比べて、業務委託は契約書の範疇であれば解約ができるので、ミスマッチが起きた際のリスクが小さい。

カルチャーやバリューのフィットは(ある程度)必要

ミッションやビジョンと同様、カルチャーやバリューへのフィットも不要そうに思えますが、私は(ある程度)必要ではないかと考えています。企業が掲げるバリューすべてに共感する必要は無いですが、あまりにバリューとかけ離れていると、業務の遂行が困難だからです。

例えば、「スピード重視」というバリューを掲げるスタートアップがあり、この企業があるデザイナーにLPデザインを委託したとします。ところが、彼はデザインクオリティへのこだわりが強く、要件定義書やデザインカンプなどを作り、時間をかけて良いものを作りたい人でした。さて、この業務委託は上手くいくのでしょうか?

これが失敗する原因は、

  • 「スピード重視」という企業のバリュー

  • 「クオリティ重視」というデザイナーの業務スタイル

が対立してしまい、どちらかが折れないと業務が円滑に進まないからです。企業は業務委託に対して指揮命令権が無いため、スピード重視でやってほしいことを説得するしかないのですが、それで理解してくれるとは限りませんし、そんなコミュニケーションコストを割くぐらいなら他の人に委託したほうが早いでしょう。

バリューとして明文化されていなくても、会社のカルチャーにマッチしないと業務が困難になるケースもあります。例えば、対面の会話を重視するカルチャーの会社において、フルリモートやチャットでのやりとりを希望する人に業務委託した場合、コミュニケーションが円滑に進まないのは想像しやすいでしょう。

業務委託でも性格があわないと続かない

以前、以下のような記事を書いたことがあります。

10代や20代前半では結婚を前提としない恋愛がほとんどだと思いますが、その際、相手の年収とか将来性とかを気にすることはないでしょう。顔やスタイルがタイプ、何となく気になったなど軽い気持ちで付き合い始めることもありますが、やはり性格があわないと長く続かないものです。業務委託でも同じことがいえるでしょう。


私のフリーランスの仕事については下記の記事をご覧ください。

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