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時間ばかり掛かるシステム

私の「やる気」というものは残念ながらあまり長続きしない、という非常に取り扱いづらい特徴がある。鉄は熱いうちに打てというが熱くなっても何かの拍子で秒で冷めたりもする。付き合いにおいても同じことが言えるかもしれない。これはないな、と思った瞬間にピキッと凍てついた大地が目の前に展開されるのである。シベリアの大地。さっきまでの熱帯雨林並みの暑苦しい情熱はどこへやら、である。

それは冗談としても熱しやすく冷めやすい、というのはおそらく間違ってはいない。就活も一度面接に行き、、面接の際の相手の反応から「あ、やはり今年は一時帰国が邪魔をしているのだからこれ以上やっても無駄なのでは」と悟ってしまった。ピキッと向こうのほうから凍てつく何かを感じてしまったのである。

しかし、だめ押しで同じ場所の別の案件にも履歴書を送ってみたがこちらは音沙汰なし。気持ちを切り替えてMinijobと言われるほぼバイト扱いの雇用形態で何かないかと考えた。問い合わせをひとつ入れると返信があったので次のステップに進んだ。バイトひとつとってもここはドイツ。なかなか決まらないのである。

バイトで最低限の収入を得つつ、勉強をしようと興味のあるコースを調べたがとにかくドイツという国のシステムに乗っかろうとすると、受講に至るまでの道のりが遠すぎるのだ。みんな本当にこれをやっているのか、というくらい煩雑な手続きが行手を阻んでいる。何かを始めようとしたときに必要とされるエネルギーが多すぎて途中で嫌になってしまうのである。ドイツ語力の証明書ひとつとってもそうだが問い合わせをしてもなかなか返信がないので次に進めない。こういうのを〇〇ゲーというのではなかろうか。

待っているだけでは返信がないのはもはやデフォルトなので、「先日問い合わせた件ですがどうなっていますでしょうか?」とこちらから確認の電話を入れなければならない。そして電話には誰も出ない。メールで返信の催促をするが返信もない。返信があったとしても書かれている文面だけではよくわからないことすら多々ある。ここで再びピキッとどこかで音がするのである。

明日は雇用局の担当者に会うことになっているが、今の状況を話しても先方から何かいいアドバイスが受けられるような気がしない。それでも何らかのヒントが得られるかもしれない、というわずかな期待を持って臨んでみようと思っている。

雇ってさえしてくれたら仕事はきっちりやるんだけどな。




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