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これからの世代

今朝は娘の交換留学先の提携校が企画したオンラインでの交流会があった。案の定、娘はいつものように自分では起きて来ないので「そろそろ起きたらー」と45分前くらいに声をかける。土曜日は予定がなければ大体、昼前まで寝ているというかゴロゴロしているのが通常モードなのだ。

少し余裕を持って、とかいう考えはできない人なのでなんでもギリギリになる。1分前にログインできないと騒ぐので、イラッとしてしまった。こういうところは弟の方が几帳面なので、開始10分前にはログインもして待機する感じ。上と下でこうも性格が違うとさすがに笑える。

2時間の交流会が終わったあとで、娘の携帯にメッセージが届き出す。交流会では主に提携先の学校生活について話が聞けたんだそうだ。

「ママ、なんかすごいで。学校にコンビニとかレストラン(学食のことだろうか)もあるし、米が作れるらしい!」

米が作れるとは?農作物を育てている畑のようなスペースがあるということなんだろう。日本だと割とそういうスペースが学校内にあるような気がするが、お米はさすがにあまり聞かない。

「ヤギもいるらしい」

これだけでも、ベルリンで娘が通っているただただ無機質な校舎とは大違いだ、ということがよくわかる。こちらの学校は設備が日本ほど整っていないところがほとんどだし、プールや運動場、テニスコートやサッカーコートのある学校なんて聞いたこともない。水泳の時間は学校外にある市民プールで授業が行われる、と学校から連絡をもらったときはびっくりした。移動や着替えの時間だけで30分以上かかる上、実質泳げる時間などほぼないだろうから。

まぁとにかく、日本で名の通った学校であれば施設の充実度が半端ないことなど容易に想像できる。自分の通っていた奈良の中高一貫教育を行っていた学校に連れていったときも、子どもたちが校内の広さに驚いていたからだ。大阪の小学校で体験入学をしたときも備え付けのプールや音楽室などに驚いていた。

教育にもっと投資した方がいいのでは、とベルリン市の将来については日頃から憂いしかないが、その辺りについて市や国はどう考えているんだろうか。移民や難民の増加に伴い、ドイツ語が話せない児童の数も増えている分、教育現場への皺寄せも起こっている。ベルリンでも一部の学校ではいわゆる「ドイツ人生徒」の数の方が少なくなるという逆転現象が起きているところすらあるようだ。

小学校の担任の先生に聞いた話だと、授業中にじっと座れない子どもはもちろんのこと、鉛筆を握ったことがない子どもまでいるらしい。とにかく日本ではあまり想像できないレベルの問題がベルリンやドイツのその他の都市では日常茶飯事なのである。

もう少しこれからの世代に対する体制が整うことを願うばかりである。日本の学校の恵まれた環境からこちらの学校に来て数週間過ごすわけだが、彼らは何を感じ何を学んで帰るのだろうか。話しを聞いてみたいものだ。


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