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猫の抜歯

 今日はうちの猫の抜歯の日だった。
 以前からかかりつけの医師に歯肉炎を指摘されて抜歯を勧められていたのだ。麻酔が必要なので、前の日の夜10時過ぎから絶食。いつもはお腹がすくと、食卓の定位置にきちんと前脚を揃えてお座りすればカリカリを出してもらえるのに、何も出てこない。彼なりに悶々とした夜を過ごしたに違いない。
 朝、ようやくごはんと思ったのに、やっぱり何も出してくれないじゃないか。缶詰も、カリカリもなんにも。と思ったらおいおい水皿も片付けるのかい。
 しばらくふてくされて空きっ腹を抱えて窓際で寝ていたら、なんだか様子がおかしい。そそくさと着替えて、なにか持ってきた。なんか覚えがあるぞ。それ、キャリーバックじゃん。え? 入るの? どーゆーこと? え、やだ、外出たくない。お外嫌い。車嫌い。誰か! 助けて! ネコ拐いですよ。
 でも誰も助けてくれるわけもなく、車で病院に運ばれ、麻酔をかけられた彼は三本抜歯されて、夕方帰還を果たしました。
 麻酔の影響が変な形で出ないのかが一番心配だったのですが、幸い食欲もあって、そこそこ元気そう。まだ柔らかいご飯しか食べられないと思うけど、そこは少しずつね。
 あと、もう少し水を飲んでくれればいいんだけど。まぁしばらくは様子を見ることになりそうです。
 猫は、病院が何のためにあるとか知らないし、とんだ災難がふりかかった一日で、気がつけばなんか口の中スースーして、よく噛めないし、迷惑以外の何者でもなかったと思うけれど、歯肉炎で痛みがあったとすれば、これでそれがなくなって、いわゆるQOLも、きっとあがるよ。
 よかったね。感謝してね。
 いや、感謝なんていらないからさ、いつまでももりもり食べて元気に長生きしてね。ほんとそれだけでいいからね。おつかれさま。

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