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警視庁の交番・駐在所の勤務形態変更に伴う犯罪事案の増加懸念と警察官のなりて不足

警察庁が全国の交番や駐在所の勤務形態を変更するという方針を明らかにしました。それによりますと、現在は24時間体制の交番を日中だけにしたり、警察官が住み込んでいる駐在所を通勤制に変更したり、さらに複数の交番をまとめて運用するブロック制を取り入れるようにするというのです。
日本は世界でもっとも治安の良い国のひとつだと言われていますが、その理由に交番があります。交番とはその名の通り「交代で番をする所」で街のいたるところに警察官がいるのですから犯罪者にとっては鬱陶しいことこの上ないでしょう。その効果に注目した外国にはそのまま「KOBAN」として導入するところも増えており交番=KOBANは日本が世界に誇る善き文化です。
そんな“そこにさえ行けば必ず警察官が助けてくれる”という安心感にあふれた交番が“ただいまの時間は閉店中”となるのですから市民としては戸惑います。警察官の仕事は犯罪者の検挙だけではありません。交通事故や落し物の処理、尋ね人の捜索など多岐にわたります。都内で道に迷い近くの交番に駆け込んだことのある地方出身者も少なくないしょう。それらが今後は「用件があるなら電話か最寄りの警察署へ」となるのですから明らかにサービス低下です。
その背景には警察官のなり手不足、働き方改革による労働時間の制限があるのは明らかです。警察官だからといって「時間無制限で働け」なんて言うつもりはもちろんありませんが、白昼堂々と強盗事件が発生するなど以前より治安悪化が進むわが国で、さらに犯罪が増えないか心配です。犯罪者は「いまは交番が閉店中だからやめておこう」なんて考えるはずもなく、逆に「今がチャンス」となるでしょう。もうこうなったら泥棒などの犯罪者にも“働き方改革”を導入させ、夜間の交番が閉まっている時間帯の活動を制限するしかありません。もっとも「わしらは夜勤で昼に休んでいるから対象外」と言われたらおしまいですが。

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