メキシコペソ 8月4週目 ジャクソンホール発言にサプライズなしも相場はサプライズ

予想通りの中銀年次総会

中銀年次総会のパウエル発言をテレビでみながらチャートチェックしていました。インフレ退治優先はバイデン大統領も繰り返しいっていることで、「物価の安定を取り戻さないことは、もっと大きな問題をもたらすだろう」というパウエル発言は至極もっともで利上げ継続は、「既定路線」市場は織り込み済みの「ぶれない」か「やや円安」と予想していました。

個人的には図の上がったところで急激に下がったのが謎で、何があったのか疑問です。ロイターは「日本の生産と新規受注がさらに減少し、工場の成長率は19ヵ月ぶりの低水準に鈍化」と論評しているので、貿易赤字脱出は期待薄で円が浮揚する要素はないので、このまま円安は続くと予想します。ただ、パニック的な円高の可能性を捨てきれないので負けても痛くない範囲のルールは守ります。

ドルがぶれまくってほぼ全面的ドル高のなか、メキシコペソはレアな例外ポジションに収まっています。ドルーペソが適当なスプレットでFX取引できるならおいしいのですが、ペソ円短期売買はさておき、長期はピーク付近達しているのでおいしくないと思います。

インフレ進行中

メキシコ経済はインフレ続行中で前月の年間8.51%から8.62%、今後さらに上昇するリスクがあるようです。AMLOは農作物の価格上昇は避けられると発表、また実際に穀物価格は高いとはいえ価格は納まっているようですが、北米はさておいてもヨーロッパや中国の干害で、特にトウモロコシ供給が怪しく、どう転ぶか分かりません。エネルギーの方もイラン制裁解除の可能性が高まっているのと中国経済停滞による原油需要減少で価格が下がっていくかもしれません。しかしながら、現時点で中国経済失速は、そのとばっちりがどこに飛んでいくか恐怖ですが、メキシコが直接被弾することはないと思うので、ペソは恩恵を受ける側になりそうな気がします。

リチウム開発と外国直接投資

AMLOはエネルギー政策の一環としてリチウム開発を目的とした国営企業LitioMxを設立しました。
メキシコの18州にリチウム鉱床があると言われていますが、
・リチウム生成技術
・民間抜きで資金繰り
の2点問題があると聞いています。

アメリカインフレ抑制法の成立でEV自動車の部品まで北米生産が求められる中タイムリーな気もします。ただチリやブラジルでも2010年頃からリチウム生産しているので、何故に今頃というのが気になっています。
2022年上半期の外国直接投資額が275億ドル。これまでの年間最高が2013年の310億ドルなので過去最高を更新するのは確実のようで、今回のインフレ抑制法でUSMCA特権を生かした投資がさら増えるとすれば、その分ドルからペソへ換金されるのでペソ買いにはいい材料になると思います。(上半期の投資にはテレビサ併合とアエロメヒコリストラの特別資金流入69億ドルがあり、それを除くとトータルで赤字とも言われています。年末統計がどうなるのかは不明です。)

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