メキシコペソ 8月1週目 台湾緊張、ペソはとばっちり

T-MECの自動車部品現地生産

AMLO訪米後ですが、エネルギー問題でアメリカはメキシコ内の自国企業の権益が侵されT-MEC違反と改善を求めているのですが、AMLOは自国のエネルギー主権と完全平行線。拗れていることを悲観的に捉えている人もいますが、私はこれでアメリカとメキシコに亀裂が走ることはないと思っています。
ただし自動車部品の問題は別で、メキシコとカナダは、必須自動車部品が域内生産の75%に適合していれば、部品全体が順当という点で一致しているのですが、アメリカは部品が完全に域内で生産されていなければならないとの主張で平行線です。

詳しくは、日本貿易振興機構(JETRO) メキシコ事務所 中畑 貴雄氏著USMCAの自動車分野の原産地規則とその影響
が参考になると思います。

素人の認識程度ですが、以下の点が難しい点になるようです。
・高賃金工場の認定が必要。
・コア部品の原産判定にCTCが使えないため、同構成部品にアジア製鋼材を使うとクリアしない。
・現状で全てのメキシコ製自動車用溶融亜鉛メッキ鋼板(外板)が非原産材料と見做されてしまうため、 鉄・アルミ北米調達要件の70%をクリアするのが困難

高賃金工場は熟練工の時給16ドルがひとつのラインになるようですが、アジア製鋼材追放よりシビアな問題になりそうな気がします。自動車部品のことはアメリカが譲歩するとは考えられないので、メキシコ自動車産業、ひいてはメキシコ経済への打撃になるかもしれません。よくわかっていないので、注意しながら見ていこうと思っています。

メキシコ経済見通し

前月比で観光、飲食などのサービス消費は0.8%縮小し、消費財購入は1.1%増加で減速傾向のようです。また、企業信頼指数も前月比で0.5%ほど下がっています。米国株が上昇している中、メキシコ株は足踏み状態なので短期的には微妙です。

一方で食料価格原油価格も高値圏ではありながらも落ち着いてきているのでインフレ抑制には明るい材料がではじめました。

バンクオブアメリカは今年のGDP見通しを1.9%、2023年は0%と厳しい評価をしています。マイナス面は極度のアメリカ依存、景気後退に巻き込まれる可能性、T-MEC先行き不透明を上げていました。

Bx+はは今年のGDP見通し1.8%、2023年には1.7%と予測しています。ここもT-MECの先行き不透明と投資の低さをマイナスに上げています。アジアへ進出している北米企業を回帰することができれば躍進する可能性はあっても、実現は難しそうとも述べています。

IMFは今年の見通し2.4%、2023年は1.2%と予測しています。2023年の世界経済の見通しは「より暗く、より不確実」であるため厳しい評価をしています。

多くの団体は、今年末の政策金利は9.5%を予測、来年も政策金利引き下げはないと予測しています。個人的には細かなことはさておき、
・スワップ狙いは健在
・ドルとメキシコペソは大きく振れない
とドル円が5円以内のレンジ相場だとスワップ狙いには好機と思いますが、
・ドル円が過激すぎ、円高に振れれば即死

ペソ円は結局ドルが介在するので、ペソ円を直接テクニカルで見るのは危ないと思っています。FXや外貨定期でメキシコペソは金利が魅力という宣伝が増えてきた気がしますが、今からメキシコペソにエントリーするのはリスキーだと思います。

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