メキシコペソ 11月2週目 地滑り的ドル安がペソ円直撃


メキシコ中銀利上げ

大方の予想通り11日メキシコ中銀は、1人だけ0.50を主張したものの、緩和の兆しは見えているが物価バランスは上方に偏っているとの理由で順当に0.75ポイント利上げ、政策金利10.0%となりました。
10日のインフレデータでは前回8.70%から8.41%へ低下、コアインフレ率は8.28%から8.42%へと上昇と予想外によく、インフレ沈静化を期待させるものでした。農畜産物が15.05%から14.24%、果物野菜が14.18%から12.63%、石油価格下落からエネルギー関係も微減、反対に補助金終了により電気料金がアップでした。食料、エネルギー以外の商品は値上がり状態ですが、全体的な景気回復感で消費の落ち込みは避けられそうな様子です。
次回利上げまでインフレがどうなっているのか想像つきません。専門家の予想では次回利上げは0.50の声が多く、今年年末の政策金利は10.50~10.75、来年末では11%に達するとの予想も多く見受けられ、来年末までの政策金利利下げの声は現時点では見受けられません。
長期的にはヨーロッパやアジアがアメリカより遅れてインフレになっているので、利上げスピードが緩和しても適正とされている2~3%に戻るのは時間がかかるとの意見はほぼ一致しています。来年末まではFXのスワップ金利は期待できそうです。

カルロス・スリム:メキシコは成長の時代

カルロス・スリムは自動車部品、鉱工業、土木建築、不動産などを持つメキシコの財閥グルッポカルソのオーナーにして世界的な富豪。彼はUNAM大学で学生に向かって
・健全なメキシコ政府財政
・石油生産の再活性化
・米中衝突から北米回帰
の理由でメキシコは新しい経済サイクルになると主張しました。そして彼は、輸送コスト上昇で遠隔地との貿易は不経済となり中国、アジア離れを起こし北米回帰することが年率6%の成長につながると主張しました。
ただこの後、アルトゥーロ・ザルディバル最高裁判所長官は、「いかなる社会的進歩も正義を通じて行われなければならない」と、UNAM学長は、「社会の二極化は経済的不平等に起因するため、平等と公平を伴う社会に移行するには、これらの違いの原因と闘う必要がある」と追記しました。これは、メキシコ社会階層の断絶、治安の悪さと腐敗度を意味しているようで不安ですが、今のメキシコを生で感じてみたい点です。

ドル円制御不能

ショックの一言です。前日のメキシコ消費者物価指数で予想外の緩和を目にして一時的にドルが下がることは想定していたのですが、ここまで地滑り的になるとは予想外でした。個人的には、冬のエネルギー需要が減る2月頃に貿易収支が黒字になって円高方向に転換すると想定していたので、まだ時間があると思っていました。ただ今回の円高は一時的でまだ方向転換したとは思っていません。
とりあえず、ドル円ロングのポジションは半分ぐらい損切り、ペソ円のポジションは7.2で3分の1は利確しました。これでペソ円の平均取得額は5.00を割ったので6.5に下がっても1500pipsでまだ余裕あるので、この辺りを次のラインに考えています。
ドルペソを20.00と仮定した場合、ペソ円はおおよそですが
 1ドル=130円で 6.40円
 1ドル=125円で 6.20円
 1ドル=120円で 6.00円
ぐらいで推移してきました。
スワップ狙いでペソを買う場合はドル円120円ぐらいのペソ円が6.00ぐらいまでは待って買うのが安全だと思います。万一ドルペソが19.00辺りで推移してもドル円120円で6.10~6.20ぐらい。ペソがいくら強くてもペソ円にはドルが介在するので、行き過ぎたドル高円安から円高ドル安に戻るスピードは恐怖です。

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