メキシコペソ 3月2週目 利下げ開始の雰囲気

ドルに対してペソが17突破、順調に上がっていますが、論調的には米国大統領選後の2024年後半には失墜するとの予想を多く見ます。反対に言うと前半はまだまだ上がるとなります。ただ今からしばらくは円高になると思うのでメキシコペソをロングするのは美味しくないと思います。ただしショートはスワップ金利とられるだけなので論外と思います。

地味にNYCB問題。今回も乗り切ったみたいですが、いつか爆発しそうな気がしてなりません。リモートワークからのオフィス需要減少、IT業務従事者の大幅リストラ、政治的にも問題が多すぎてこっちも大丈夫かと思ってしまいます。

利下げはそう遠くない

パウエル議長がとうとう「米中央銀行がインフレ低下に十分な自信を得て利下げを開始するのはそう遠くない」と発言しました。
3月はないにしても、重大な問題が発生しない限り6月から利下げが始まる雰囲気です。そこに日銀の利上げ発言もあって円高傾向。一時的に円高になると思うのですが、利下げ後も米国政策金利5.0%、日銀0%と5%差があるので当面は円安は変わらないと予想します。

インフレ率は緩和中

2月のインフレ率ですが総合インフレ率が4.40%と前月4.88%から比較すると劇的に改善、コアも4.64%と前月から比べて堅実に下がっています。内容としては農産物価格が前月9.75%から4.77%、エネルギーが2.75%から1.41%と順調に改善しました。
反面、サービス価格は5.25%から5.30%へ上昇しましたが、ムーディーズアナリストは「サービス価格が高止まりしているのは、それを受け入れる購買力があるから」と通常の高止まり懸念を一蹴する発言していました。真に受けていませんが、そういう考え方もあるかと感心です。
同様に、米国CPI下降もほぼ確実で12日はドル円145円割れ、もしくはそれ以上の円高もあるのかもと思っています。

月曜日の朝、せこいですが1コインだけショートして推移を見守ります。反転したときがロングだと思うのですが、時間差がどれぐらいか見極めが難しそうです。

33対2

2週間前のインフレ激減を受けて、シティの金利調査によると35社中33社が来週の利下げを予想しており、残り2社は5月を予想しています。
情報は定かではないですが、ヒース副総裁が連続しないことを前提に一度0.25利下げして様子を見るのではないかとの噂がでてきました。エスピノーサ副総裁反対、セハ総裁とメヒア副総裁が賛成寄りの状況で、ヒース副総裁が賛成に回れば、ボルハ副総裁無関係に利下げになるかもしれません。個人的には、このインフレ減速ペースが続けば5月かもという気もしていますが、基本米国利下げ後だと思っています。

ただし、3月利下げがあっても、それをきっかけに明確にドル高ペソ安に向かうことはないように思います。理由は利下げ雰囲気でドルも弱くなるはずなので。

トピック

通貨:
先週17.02から週末は16.81
米国雇用統計からドル売り
メキシコ中銀は2024年のドルペソを18.53前後と予想
シティは2024年末のドルペソを18.00前後と修正

メキシコ株:
週末株価は55.4から55.5

メキシコ中銀:
現在政策金利11.25%:次回の政策金利は3月21日
2月8日の政策金利会合は全員一致で据置
年末金利予測は9.5%で1.75%、0.25%の利下げ7回分を予測
(メキシコ中銀の政策金利会合は年8回なので3月から毎回連続)
3月利下げは反対1、反対寄り1、賛成寄り2、不明1の予想

2023年の経済成長率は年率3.2%
1月の経済成長率は年率0.1%

メキシコ2024年末経済成長率予想
3.0%・・・メキシコ財務省
2.9%・・・BBVA
2.8%・・・メキシコ中銀
2.7%・・・IMF
2.5%・・・OECD
2.3%・・・ムーディーズ
2.2%・・・シティ

金融:
2023年メキシコで営業する銀行の利益は2718億ペソで過去最高を更新

消費者物価指数:
2月の年間インフレ率は4.40%、前月4.88%より0.48改善
2月の年間コアインフレ率は4.64%、前月4.76%より0.12改善

貿易収支・経常収支:
貿易収支 1月:-43.2億ドル、12月:42.4億ドル、11月:6.3億ドル
輸入額 1月:462.7億ドル、12月:450.1億ドル、11月:496.2億ドル
輸出額 1月:419.6億ドル、12月:492.5億ドル、11月:502.5億ドル
1月は製造品、特に自動車の輸出が不調
輸入は(高給)消費財と投資財が牽引

2023年も米国からの送金は好調で最高更新の633億ドル
シティは2024年の送金総額を670億ドルと予想
1月送金額は45.8億ドル 前年同月より3.1%増加、前月より1.8%減少

小売り売上:
メキシコ中銀:メキシコの消費者信用総額1.36兆ペソ、実質年率13.5%増加
ANTAD:1月の売上1252億ペソ、前年同月比6.7%
1月の消費者信頼感指数は47.1、過去20年で5番目に楽観的
INEGI:2023年通年のメキシコ個人消費は4.39%増加

雇用・失業率:
INEGI:1月失業率は2.8%、2023年全体で平均2.8%、18年間で最低
IMSS:メキシコの平均賃金は日給573.4ペソ
AMLOはインフレ率以上に最低賃金を上昇するよう憲法改定を提案

製造業・自動車:
1月までの輸出台数は25.4万台で前年同期比6.8%増加も前月より9.9%減少
1月までの生産台数は30.7万台で前年同期比9.5%増加
自動車産業は2024年の生産台数を400万以上と予測、そのうち輸出は300~350万台を想定

1月の製造受注指標は50.5
1月の景況感は前年同月比54.4%で好況を維持も限月より0.1%低下

2023年海外直接投資は361億ドルで前年353億ドルから過去最高
財務省:2024年初2ヶ月で258億ドルの海外直接投資発表
財務省:2024年の外国直接投資20%増加、400億ドルを期待

食品:
米国で穀物価格が値崩れ

エネルギー:
メキシコバスケットは73.40から73.55
OPEC減産を6月まで延長

USMCA:
エネルギー国有化は引き続き論点
米国遺伝子組換えトウモロコシの使用を禁止するメキシコを提訴
アメリカーメキシコ間の鉄鋼アルミニウム貿易の透明性を協議
メキシコ経由の中国車輸出関税率にアメリカがクレーム
1月の対米貿易総額は645億ドルでカナダ597億ドル、中国479億ドルを引き離す

USMCA以外:

観光業:

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