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家族よりも家族

彼と暮らしはじめてから、私の生活は激変した。

彼は私の一挙一動を、常に観察している。

彼は食事がイヤな物だと、嫌そうに食べる。

でも大好物の時は目をキラキラさせている。

私が仕事部屋から出ると、すっ飛んでくる。

そして、私が1人で出かけようとすると、訴えるような目で見てくる。

寝る時でさえも自分の場所を作れ、と頭を叩いてくる。

そして自分が暇だと早く起きろ、と寝不足の私を起こす。




彼が人間なら、やばい旦那と結婚生活している風になりますね。

「でも安心してください、履いてますよ」ではないですが・・・・・・。

これは我が家のワンコのこと。

仕事部屋から出た時。
買い物から帰った時。

白いモフモフの小さな体を揺らし走ってくると、つぶらな瞳でじっと見つめてきます。

人生ではじめて犬と暮らしてわかったのは、在宅ワーカーは一緒に過ごす時間が家族よりも多いということ。

きっと彼は、私の生涯唯一のワンコ。

我が家が暗闇の中にいた頃、旅先で彼と出逢いました。

あれから数年。

彼を飼いたいと言った息子は、昨年大学進学のために上京。

ある日突然、ずっと一緒に過ごしていた相棒がいなくなって。

時々、玄関で誰かの帰りをじっと待つ小さな白い背中。

その背中をじっと見つめてしまう私。


大きくなった子どもたちとは、人として対等に接する関係になりました。

でも、彼はずっと小さな子どもの世話をするのと同じ感じ。

小さな子どもたち3人を世話し続けたように、彼の歯磨きをしたり、おやつをあげたり、散歩する日が平和に続いています。

大切なインコが虹の橋を渡ってしまったように、いつか訪れる別れの日。

その日が遠い未来であることを祈りつつ、今は一緒にたくさん笑って過ごすのが一番!

私の偏った愛は、今日もまた一心不乱に彼に注がれて。

彼のつぶらな瞳に、いつまでも私が映っていますように。




上の企画に参加しました。

Discord名:叶井ゆき(ゆずゆりん)
#Webライターラボ2405企画「偏愛」

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