Yuzuru from THE MOLICE

ギタリスト。THE MOLICEのユズル。 考えたことを言葉にしたり、絵にしたり。音の…

Yuzuru from THE MOLICE

ギタリスト。THE MOLICEのユズル。 考えたことを言葉にしたり、絵にしたり。音のことなど。 Guitarist. Words, sounds, drawing,and music. https://www.youtube.com/c/THEMOLICE

マガジン

  • 2024年

    2024年に考えたことです。

  • 考えたこと

    ブログです。考えたこと、思ったことを言語化。言葉。昔のブログのアーカイブには日付がついています。 Japanese only. English translation of this essay can be found "English Essays”.

  • English Essays

    This is an English translation of my Japanese text. I will try to publish as many as possible.

  • Stories of THE MOLICE music

    THE MOLICEの音楽や映像について。THE MOLICEの『説明書』。About THE MOLICE's music and videos.This is THE MOLICE "instruction manual". Each essay have English below Japanese.

  • 描画 Drawing

    自分の描いた絵に、一言そえて公開しています。 I add a few words to my drawings.

最近の記事

アメリカを透かして見えるもの〜外で食べる。外で弾く

アメリカで暮らす中で楽しくなり当たり前になってしまって、日本に戻ってからなかなかできなくて残念なことがあります。 それは「外で食べる・外で弾く」ということです。 どういうことかと言うと、アメリカにいた時はライブなど予定が何もない日に家で過ごしていると、何となくふらりと庭先に出てコーヒーやお茶を飲んだり、ギターを持ってポロポロ弾いたりしていました。そうする理由や動機があったわけでもなく自然にそうなりました。それはもちろん街の住宅事情によるのだと思いますが、僕らが最初に下宿してい

    • アメリカを透かして見えるもの〜音楽の存在価値 その2

      アメリカで音楽について感じたことの記憶。 アメリカのライブハウスやバーでは、人々が踊っています。踊らない人もいます。 皆それぞれバラバラに違うように音楽を聴き、感じ、楽しみ、結果大きな一つのまとまり、うねりになっています。そして盛り上がっていくのです。 こういう話は、日本とアメリカのオーディエンスの違い、みたいな論考で何十年も繰り返しどこかで誰かが言ってきましたし、僕も言ってきました。なので今更そんなに目新しい話ではありません。そこには歴然とした違いがありますが、その違いにつ

      • アメリカを透かして見えるもの〜音楽の存在価値

        アメリカでは、友人から食事に招待され遊びに行くことが何度もありました。 友人の家族みんなで揃って雑談しながら楽しい時間を過ごします。BGMに音楽を流しながら。当時はビリー・アイリッシュがブレイクしていた頃で、どんな流れだったか忘れてしまいましたが、彼女の音楽についての話になりました。その家族の息子や娘と両親がビリー・アイリッシュの音楽性について意見をぶつけ合うのです。話の流れでレッド・ツェッペリンやらピンク・フロイドの話にもなりました。家族みんながそうやって過去のロックや現在

        • アメリカを透かして見えるもの〜始めに。

          久しぶりのアメリカから戻ってきて、僕の中では色々なことが目まぐるしく頭の中で回っています。アメリカに住んでいた時に考えたこと、経験したこと、アメリカに戻れなくなったこと、帰国した日本の姿、久しぶりの渡米で見えたもの。たくさん感じたことがあります。アメリカにいた時もブログはいつも書いていました。それを改めて読み直して当時の自分が感じていた事と、今の自分が感じている事の間にあるものを感じずにはいられません。それをもう一度自分の中でまとめたいという欲求にかられています。アメリカの思

        アメリカを透かして見えるもの〜外で食べる。外で弾く

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        記事

          4年半を経て。僕らは何が変わったのだろう。

          4年半ぶりにアメリカに行ってきました。 何度も同じような話を書いている気もするのですが、僕はこうして書きながら考える人間なのでご勘弁ください。僕らはアメリカに移住し、そこで音楽活動をし、ビザ更新のために一時帰国したまさにその瞬間にコロナに遭遇しました。 そして世界は変わりました。 大きな主語を使ってしまいました。それは僕らにとっての「世界」かもしれません。でもコロナが世界を変えたという表現は一般論にしてしまってもそれほど大袈裟ではないかなと思っています。4年半も時間が経つと

          4年半を経て。僕らは何が変わったのだろう。

          アメリカで考えたこと。「自分の考え」とは。

          久しぶりにアメリカに行って、懐かしく楽しい時間を過ごしてきました。 気の置けない友人たちとの会話は楽しく、何時間でも話をしていました。いつも書いているのだけど、本当に不思議です。僕らは決して英語がうまく喋れるわけではありません。いつもスマホを片手に、わからない時は翻訳しながら会話していました。それなのに会話が滞っているとは感じません。もちろんもっと流れるように喋れたらいいのにな!という思いはあり、それが自分たちに英語を学ばせるモチベーションにもなるのですが。 僕らは日本で過

          アメリカで考えたこと。「自分の考え」とは。

          音を楽しむ

          昨日に続いて音のお話。話がマニアックになったり僕が勝手に盛り上がってして、皆さんをひかせてしまったらすみません。と、先に謝っておきます。 僕は音が好きです。音楽が好きです。 音と音楽が好きだからミュージシャンなのです。と、当たり前のように書きましたが「音楽」は好きでも「音」には興味がないミュージシャンもいます。信じられませんが。 色々な音が好きです。色々な楽器の音色は楽しいものです。自然の音も人工の音も好きです。心地よい響きというのは味覚と同じようなもので、人それぞれ好みが

          音のふしぎ

          理科の教育テレビみたいなタイトルですが。 今回の渡米での大きなミッションの一つだった機材整備。 写真はいわゆるギターのエフェクターというやつです。アメリカでは「ペダル」といいます。これだけ見ても何なのかよくわからないとは思いますが、僕にとっては何物にも変え難い宝物なのです。 ロックバンドで演奏しライブをし録音仕事をするギタリストという人間にとって大切なのは、ギター・アンプ・ペダルの三つです。 ギターがなければそもそもギタリストではありません。 アンプというのは音を出すスピーカ

          マサチューセッツからの友人

          アメリカから帰国し、ゴールデンウィークも後半に入る頃、ある連絡が来た。 アメリカでツアーをしていた時にマサチューセッツ州のノーサンプトンで対バンをしたバンドのメンバーからだった。”今、日本に遊びにきているんだけど会わない?”という内容でした。その連絡に僕らはとても驚いたし嬉しかった。 アメリカをツアーしていた時、マサチューセッツという場所はとても思い出深い場所でした。マサチューセッツと言えばダイナソーJrやピクシーズを生み出した州です。初めてのツアーでマサチューセッツの日程

          マサチューセッツからの友人

          4年を経て、アメリカ⑨

          コロナ禍なんて言葉は近頃は全く聞かなくなりました。 でもあれだけの大変なことが起き、今も苦しんでいる人もたくさんいる。 当時に起きたことの影響を今も受けている人も事もあるでしょう。 世界中の全ての人が影響を受けました。 本当の影響はこれからかもな、なんて思ってしまいます。 スペイン風邪の時には世界大戦で、その後に世界恐慌が起きて、さらにでかい世界大戦が起きたのですから、ちょっと歴史をかじればこれからもっと大変なことが起きるかも、なんて容易に想像してしまいます。 僕らは結局1日

          4年を経て、アメリカ⑨

          4年を経て、アメリカ⑧

          友人、友達というのは不思議なものです。 いつの間にかお互いの関係の中でできあがる。 互いに何か了解して成り立つものではないし、決まりがあるわけでもない。 そもそもそんな定義について考える必要もない。 気持ちや思いを伝えるのは言葉です。僕らは言葉で互いに思いを伝え合います。 それは正しい。でも一面的な正しさです。 それだけではない。言葉はあくまで方法の、オプションの一つにすぎない。 コミュニケーションの方法は言葉だけではないのです。 そのことをちゃんと思い出さなければいけない。

          4年を経て、アメリカ⑧

          4年を経て、アメリカ⑦

          アメリカ編も7回目になりました。 今回の渡米はとにかく4年半もの間置きっぱなしになっていた荷物の整理でした。 整理、といってもただ大掃除をするとかそういうことではありません。 僕らにとってアメリカに残していたものはほとんどが「貴重品」とも言えるものでした。音楽活動、創作活動をしようと思ってアメリカに移住した僕らだったので、そのために必要なものを厳選してアメリカに運んでいったのです。 思い返せば僕らはアメリカに渡る前にも大掛かりな荷物の整理をしていました。 その時は住んでいた家

          4年を経て、アメリカ⑦

          4年を経て、アメリカ⑥

          たった九日間ほどの今回のアメリカ滞在。 やることはたくさんあって1日ごとのスケジュールを時間単位で考えながら毎日過ごしていました。絶対にやらなくてはいけない予定を前半に組んでいて、それが順調に進んでいたので、少し余裕もできていました。 会いたかった人たちに会い、聞きたかった話を聞きました。 今、アメリカはどうなっているのか。どう感じているのか。 会う人会う人に率直に聞いてみました。 日本ではあまり政治や社会情勢のことについて、色々な人と話をする機会はありません。もちろんアメ

          4年を経て、アメリカ⑥

          4年を経て、アメリカ⑤

          荷物整理のために急遽アメリカに飛び、生き別れていた機材や家財とも感動の再会をしました。思い立ったように地元のライブハウスにブッキングのお願いをしてたった半日ほどで全て決まりました。そんなライブの日のお話を。 僕らがアメリカで暮らしていた数年間というのは、音楽だけで生活の糧を得て生きていくという日々でした。最初のツアーこそレーベルにサポートしてもらったり、ツアーマネージャーに同行してもらったり、色々教えてもらいながらでしたが、徐々に自分たちでライブやツアーの手配をするようにな

          4年を経て、アメリカ⑤

          4年を経て、アメリカ④

          その③の最後に少し触れた「機材との再会」についてのお話です。 その話をするために、また同じことを書くのですが、僕らはアメリカに活動拠点を移して音楽活動をしていました。拠点を移すということは当然生活の場をアメリカに移すということです。僕らは家を引き払い大切なもの以外の家財道具を全て処分して、本当に大切なものだけをアメリカに運びました。で、ビザの更新のために必要最低限の持ち物で日本に帰国した時にコロナに見舞われ、アメリカに戻れなくなりました。それはつまりどういうことかというと大切

          4年を経て、アメリカ④

          スティーブ・アルビニ Steve Albini

          その人は「音」の人であったと思う。 ミュージシャン、ギタリスト、サウンドエンジニア。 音楽に生きる人というのは様々であるけれど、 彼は「音」の人だったと思っている。 彼が自身のバンドで鳴らすギター。 彼がエンジニアとして創造した音楽。 僕がその何に魅了され、打ちのめされ、憧れ、ぶっ飛び続けたかと言えば それは「音」そのものだった。 一度聴いたら忘れられない音。 いや、忘れられないなんて生やさしい言葉ではない。 脳に突き刺さり、頭の中をえぐられるような音。 BIG BLACK

          スティーブ・アルビニ Steve Albini