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佑月
2024年5月8日 00:01
死ぬまで愛すよ、とか何があっても君を守る、とかそういう歌は好きじゃない人間なんて汚くてそれでいて脆くて中途半端で自分のことしか愛せない生き物なのに薄っぺらな美しさを歌うなんて馬鹿馬鹿しいでも今はそういうのが聴きたい今は、綺麗事に縋らせてほしい
2024年4月3日 01:11
人の脆さが恐ろしくなる『人間不信になりそう』頭をよぎった言葉に絶望した人を信じるなんてとっくの昔に辞めたはずなのに
2023年2月20日 23:34
最低点の計画で小さな今朝の憶測で君を歌えれば染まった声だけ携えていた屍の糸は準透明なら消えないものが良かった何も出来ないのに今日が終わる最低点の計画で小さな今朝の憶測で点描を抱える逢引愛など考えていた屍の先は極楽苑夜勤が見かねて後楽園供えた狭間で覗いて群がる彼は「めでたい」と笑うようになっていた彼は「もういい」と咲き永らう鳳仙花
2023年2月15日 21:49
街灯に揺れる僕の化身はゆらりふわりと思考をさらい醒めぬ頭で彷徨う言葉は熱を帯びる酔っているのは酒のせいかそれとも、その瞳のせいか
2023年2月9日 21:32
卓上の茶封筒右手に花束左手に現実今日は一等星が見える今日は一等星しか見えないいつも一等星しか見えない散る花一華
2022年12月15日 13:18
青木待ちの少年少女いいね狩りのインフルエンサー目立てばそれでいいのだと柔い自分を隠して蔓延る銀色の折り紙で作った宝石を愛でては捨ててを繰り返す大袈裟な包帯を巻いたヒロインとそこに群がる偽善者の猫傷を舐めれば滲みていく仮面を外せばのっぺらぼう
2022年11月18日 03:23
五線譜を彩る革靴と踵の潰れたスニーカー季節の訪れを感じる風に首をすくめればカシミヤが擦れる柔らかな和音霞んでぼやけて天井が見えない泣きたくなっちゃうな、こんな朝はピアニッシモの白い月
2022年11月12日 19:13
前ならえ休め全体進め一瞬のズレも許されずはみ出た者は愚か者誰かも知らない人たちに羽交い締めにされ蝕まれていく言葉たちナイフを喉元に当てられているような銃口を額に突き付けられているようなハサミが線を選んでいるかのようなあんたも僕のことなんて知らないだろ放っておいてくれよ蔓延する正義の生贄酸素が足りない
2022年10月5日 19:16
午後6時57分のホーム透明の花びらが舞って骨と魂が散った仮面を剥いで鎧を外して衣服を脱いで心臓をえぐり取るマスクを取って肩パッドを外してプライドを捨てて胸の奥をえぐり取る真っ黒になった僕の右手は正義に震えて溢れる水滴と滲んでふやけた真っ赤に染まった眼前の景色は現実を映して流れる幸福と混ざって溶けたもう、いいやさようなら世界
2022年5月1日 00:16
ついこの前まで好きだった人をほんの少しの違和感に気づいた瞬間からあっという間に嫌いになったり好きでいたい人のことは嫌いになってしまうのに嫌いになりたい人のことは嫌いになれなくていっそ全てを壊したい衝動に駆られたり本当は全ての人を愛していたいのに世の中そんなに綺麗なものではなくて他人への勝手な感情に踊らされている自分が愚かに思えたり悲しく思えたり滑稽に思え
2022年4月22日 23:29
空の缶ビールを片手に散歩した夜の神楽坂ふと夜空を見上げて淡く微笑んだ君栗皮茶色の君の瞳は何を映すのだろうか君が映す世界は何色なのだろうか何が君の言葉を作るのだろうか暗い夜空に穴を開けた満月と空き缶の凹み今日の満月はあの日の君に似ている