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当てにいかない#14|日本の金利

 金融政策の変更は、時間とともに国民の生活に影響を及ぼします。
現状の特徴をあげると以下が当てはまると考えています。

  • 失業率が過去十数年中で低い水準にある

  • 金利が比較的低い水準にある

  • 人口密度の高い地域ほど物価の上昇を感じやすくなっている

 我が国は、食品から生活用品まですべて一貫して国内製造を行っているわけではなく、人件費が安い海外にその生産をゆだねている傾向が強いと言えるでしょう。

 特に所得が低い、またはそれに準ずる層に属する人たちほど、安い海外製品に依存している傾向が強いといえます。

 そして、その層を顧客としている企業ほど、円の価値が傷むにつれて苦労をすることでしょう。

 そのコストを企業が負担するか、その消費者が負担するか、その両方かが徐々に、これから表面化してくるかもしれません。

 今回のテーマである金利が上昇すると、そうした企業の融資にかかる金利が上昇することを意味し、住宅ローンや車のローンなど長期ローンを持つ人や新規で融資を受けようとする人たちに影響が出て来ます。

 つまり、いずれにしても今後わたしたちの生活にかかる費用は上昇して負担が重くなることは考えられても、少なくとも軽くなることは無さそうだと考えて自然であることがわかります。

 これまでの金融緩和政策の恩恵を受けた人たちはごく限られており、例えば以前から何らかの金融商品に投資を行ってきた人や、外貨を持っていた人、それらの知識を持ち行動してきた人や企業に限られます。

 そして、それらの人たちを顧客とするお店や企業に恩恵があったことでしょう。

 日本銀行が大量に供給したお金は、国全体として海外から見れば相当な量であるため、為替に当然影響が出ているわけです。

 しかし、不思議なことに末端の庶民の方ほど、その実感はないでしょう。
なぜでしょうか。

 それは、日銀の金融緩和政策の方法、中身にあります。
断っておきますが、世界的にも標準的な方法なので何の問題もありません。

  • 政府国債の買い入れ

  • ETF・REITの買い入れ

  • 短期金利のマイナス化(現在は撤廃)

 これらを持っているのは誰かを考えた時に、多くは企業、とりわけ金融機関や保険会社が該当します。

 ETFは上場投資信託、REITは不動産投資信託です。

 特に国債は金融機関が多く持っていました。
それらを満期まで持つよりも、高い金額で日銀が買い取るという方法で行うために、主要金融機関が多くの現金を持つことに繋がったわけです。

 その現金の量は、過去の資料で話題にしました。

 日銀が持つETFやREITはいつかマーケットで処分をする必要がありますが、国債に関しては満期まで保有しておけば自動的に現金化されます。

 金融機関は金利が上昇したタイミングで、大量に保有する現金を使って国債の購入を狙っているでしょうが、日銀が売却しないとなると政府から購入するしかありません。

 または、今持っている大量の現金を、より高い金利で民間に貸し出すことを考えるでしょう。

 今までひっそりと各々が持っていた大量の現金が日の目を見るのは近いかもしれませんね。

 前置きが長くなりましたが、チャートを見ていきましょう。

チャート

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